第2話 情報収集
ピンポーン
休みの日、家でゆっくりしているとチャイムがなった。
これは俺の荷物に違いない。
「はぁーい」
返事をして玄関に向かう。
最近は受け取るだけなんだよな。
「お届け物でーす」
両手で抱えるくらいの大きさの荷物を受け取る。
結構大きいな。
ソフトはネットからインストールするらしい。
「ありがとうございましたー」
届いたものを見て少しワクワクしている自分がいる。
「やっと届いたか。ちょっと楽しみにしてたんだよなぁ」
荷物を明け中身を見ると、入っていたのはフルダイブ型のVR機器であるヘッドギアだ。
重量感がありながら頭にフィットするようにサイズを調節するところが付いている。
頭につくところを見ていると電波を発するような小さい吸盤の様なものが沢山付いている。
これで、脳波をどうにかするんだろうな。
よく分からないけど。
「取説は?」
初めてのフルダイブ型のヘッドギアなので、慣れていない為、説明書を読みながらの作業になる。
ヘットギアの横にある液晶でWiFiの設定をする。そして、ネットに繋がる環境を整える。
そうすることでオンラインのままゲームができるってこと。
「これで、後はCWOをインストールすればOKだな」
CWOは、モンスターを倒しレベルを上げていき、PVPのランキングバトルでも、トップを狙えるというゲームである。
combatと言うだけあって戦うことがメインのゲームになる。
だから、職業が重要になってくるのだ。
「インストールしてる間に掲示板でもみるかなぁ」
少しダウンロードとインストールに時間がかかるので、待ってる間を無駄にはしない。
流行しているVRMMOの為、掲示板で色んな情報が出回っているのである。
職業に関するスレや、クエストに関するスレ、ランキングのプレイヤーに関するスレ等、多岐に渡る。
でも、俺は職業は決まっているも同然だ。
なにせ、自身の経験が適用されるのだ。
話を聞く限り自分の体を動かしている感覚はリアルと変わらないらしい。
実際には変わるんだろうけど、あまり実感する人は少ないみたいだ。
「職業はやっぱり前衛職がいいよなぁ」
ある程度調べてみて、わかったこと。
前衛職について
・剣術士
剣術全般のスキルが取得しやすい。
剣を武器として装備することが出来る。
・槍術士
槍術全般のスキルが取得しやすい。
槍を武器として装備することができる。
・武術士
体術全般のスキルが取得しやすい。
グローブを装備することができる。
・軽業士
アクロバットのスキルが取得しやすい。
ショートソード、ナイフを装備することがで
きる。
・騎士
盾術と剣術全般のスキルが取得しやすい。
盾と剣が装備することができる。
調べたところこんな所である。
職業によってスキルが取得しやすくなり、そのスキルが重要になってくるのだ。
SP(スキルポイント)がレベルアップ時、クエスト完了時に取得でき、職業によってスキルを取得するための必要なSPが異なってくる。
ちなみに、初期のSPポイントは10SPである。
これをどのスキルを取得するために使うか。
それが今後重要になってくる。
そうなると、最初のスキル選択と言うのはかなり重きを置いた方がいいと思う。
「んー。軽業士とか面白そうだけどなぁ。アクロバットとかカッコイイなぁ」
アクロバットは憧れがあった。
おそらく出来ないわけではないと思うが、怪我をしたら大変だと思い。
やった事は無い。
「でも、剣とか槍とかも使ってみたい気もするしなぁ」
普段が素手の為、武器を持ちたい気持ちもある。
けど、武器を持つとなんだか自分の体を繊細に動かすことが出来なんじゃないかと、そう思ってしまう。
「……いや、何の為にゲームするんだよ。あくまで空手の為の息抜きだろ。……武術士にすれば、実戦経験が積めるじゃないか」
でもなぁ。
空手から離れるのもありかなぁ。
すごい悩むなぁ。
『ピロン』
「あー。悠人からか」
LEINが鳴った。
悠斗が連絡してきたようだ。
ゲームの機器が今日届くということは伝えている。
だから、やりたくて仕方なくて連絡してきたんだろう。
昨日から悠斗がやりたすぎて大変なのだ。
先にやってるから色々わかる部分があるのだろうけど。
色々と知識をLEINして来てずうっと連絡が来ている状態だ。
俺は寝てるけど、アイツちゃんと寝てるのかな?
悠人:【噴水前で待ち合わせな!】
アイツもうログインしてるのか?
早すぎるだろ。
まだインストールできてないっての。
「待たせちゃ悪いな。始めるか」
ベッドに横になりヘッドギアを装着する。
フィット感が出るようにサイズを調整する。
目の前が真っ暗だ。
『ようこそCombatWorldOnlineの世界へ』
起動させるとメッセージが表示されて視界が明るくなる。
このから俺たちの冒険が始まるのか。
俺はゲームが初めてだからなぁ。
一応、さっき進め方を動画で見たから大丈夫だと思うけど。
これで、俺は気が紛れるのだろうか。
少し色々といい方向に進むことを祈りたい。
その祈りに答えてくれるかのように、目の前は白い光で埋め尽くされた。
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