第2話 勉強する
オサムさんともう書きます。社会人ですからね。
彼はヨット部の中でも勉強ができて成績優秀で…
就職先は大手の都市銀行でした。
ヨット部では一番先に結婚しました。
その京都に行った彼女とです。
他の部員といっしょで、なんか憎めないい性格でおとなしい。
でも
「俺…このレースが終わったら休部する…」
ある夏の日のレースの前、彼は言いました。
「勉強する…」
大学生は勉強が本分ですのであえて宣言する必要はないのですが、彼はそう告白しました。
確かに僕らは勉強だけはしていませんでした。
「試験受ける」
資格とか公務員とかは書きませんがその種類の試験対策をするとのことでした。
「わかった…じゃあこの最後のレースがんぼろうな…」
僕らは気持ちよく送り出しました。
試験の結果はともかく…彼は銀行員となり結婚し、
一時は個人的にあるハーバーでヨットも乗っていました。
たまに会うと
「堀ちゃんも早く結婚しなよ…」
と自分の奥さんの前で僕になんのためらいもなく言っていました。
別に僕だってね…早くしたいのにできないんだよ。
「オサムさんさ…自分だけ幸せならいいの…」
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