魔法使いのリタ
靴屋
魔法使いのリタ
リタ 落ちこぼれの魔法使い
マネ ゴミ箱に住む魔物
マネ:【ナ】カランと音がしてリタが帰ってくる。僕はそんな気配を感じて、ソ
ッと扉を開ける。
リタ:ただいま、マネ。
マネ:おかえり。どうしたの、その格好。
リタ:え、なんでもないよ。
マネ:なんでもないわけないよ。またアイツらにやられたんでしょ? なんで魔
法使わないの? って、どうせ使わなかったんでしょ?
リタ:マネには関係ないでしょ。大丈夫だから。
マネ:【ナ】リタが扉を閉めると近くにあった「ゴミ箱」が倒れた。リタは心優
しい女の子だ。それは僕もよく知ってる。僕をこのゴミ箱に匿ってくれた
のも彼女だったから。でも、優しすぎて、いつもボロボロになって、涙を
堪えた笑顔で「大丈夫だから」って言う。リタは、いつも泣かない。だか
ら、僕が。
数年前
リタ:【ナ】数年前、雨の中で私は、路地裏にうずくまる「男の子」を見つけ
た。雨粒がその子の涙と混ざって、道端に溢れていた。
リタ:どうしたの? 平気?
マネ:(グスグスとしている)
リタ:【ナ】私は傘でその子の身体を覆うようにして立った。すると、その子は
ゆっくりと顔を上げた。目を腫らして、頬に雨を伝わせていた。私の顔を
見るでもなく、曇る空をなぞっていた。
リタ:大丈夫? 平気?
マネ:(少し考えて)うん。
リタ:じゃあ、私と一緒に帰る?
マネ:(躊躇しながら)うん。
リタ:【ナ】それから、私はその子の手を引いて自分の家に帰った。帰り道、こ
の子はずっとグスグスとしていた。でも、それが可愛くもあった。
マネ:(グスグスとしている)
リタ:どうして泣いてるの? 何かあったの?
マネ:(グスグスとしている)
リタ:どうしても泣かなきゃいけない? そんなに泣くのが好きなの? 泣く子
は弱いんだよ?
マネ:(グスグスとしている)
リタ:そっか。言いすぎた。ごめんね?
間をおいて
マネ:どうして?
リタ:ん?
マネ:どうして、僕のこと、助けたの?
リタ:分かんない。でも、見捨てることはできないな、って。そう思ったから声
をかけた。ダメだった?
マネ:(グスグスとしている)
リタ:【ナ】この子は見たところ、人間の姿をしている。でも、私は匂いで分か
った。多分、この子は「ミミック」だ。人間じゃないんだ。多分、これも
誰かの。
間をおいて
リタ:おかえり。ここが今日から君のお家だよ。
マネ:大きい。ここに独りで住んでるの?
リタ:そうだよ。
マネ:寂しくないの? こんなに大きな家に独りなんて。
リタ:(間をおいて)寂しくないよ?
マネ:なんで?
リタ:分かんない。でも、生まれた時から、寂しいなんて思ったことなかったか
ら。(間をおいて)ずっと、独りだったからかな。慣れちゃったのかも。
マネ:へぇ。
リタ:【ナ】私は扉をカランと開けた。そこには山積みになったたくさんの魔法
書や図鑑があって、まるで見せられるものではなかった。少し恥ずかしか
った。
マネ:えっと、もしかして、片付けとかって苦手だったりしない?
リタ:まぁまぁ、かな。
マネ:よく積み上げたね、あんなところまで。随分と高いけど。
リタ:えへへ、ありがとう。
マネ:いや、褒めてないよ。
リタ:【ナ】すると、この子は私の手をふり解いて、私より先に私の家の中へ入
った。そして、辺りをゆっくりと見渡している。私には何をしているか分
かった。自分に合う「宿」を探しているんだ。そして、その子の目に一つ
の小さなゴミ箱が映った。
リタ:ねぇ。君、名前はなんて言うの?
マネ:え、僕には名前なんてないよ。そんなの、僕にあるわけない。僕は、
「僕」なだけ。
リタ:【ナ】その子は俯きながら、潤んだ声で言った。ゴミ箱を見つめている。
名前がないのか。両親はどうしたのだろう。
マネ:名前がない僕は何処へ行っても異端扱い。「バケモノだ、近寄るな」って
虐げられることもある。みんなそうだった。僕はみんなにとっての「バケ
モノ」なんだ。
リタ:それでさっき泣いてたの?
マネ:うん。突然、後ろから襲われて、気付いたら仰向けで空を見上げてた。何
も覚えてないけど、身体中痛くて、悔しくて、(グスグスとしている)
リタ:【ナ】私は我慢できなかった。
リタ:(間をおいて)じゃあ、君の名前は「マネ」にしよう。よろしくね、マ
ネ。
マネ:(間をおいて)「マネ」?
リタ:「マネ」。いい名前でしょ?
マネ:な、なんで、「マネ」なの。
リタ:だって君、「ミミック」でしょ?
マネ:えぇ?! な、なんで?!
リタ:(少し笑って)ばればれだって。
マネ:ええ。今まで、ずっと上手く隠してきたと思ってたのに。
リタ:この世界の生き物には、特有の匂いっていうのがあってね。当然、それは
君たちのような生き物にもあるんだよ。君からは「ミミック」の匂いがし
た。それも、優しい「ミミック」の匂いが、ね。
マネ:でも、僕、自分が「ミミック」だって名乗るの、あまり好きじゃないん
だ。
リタ:だから、「マネ」にしたんだよ?
マネ:何かの真似をしなきゃ生きていけない自分が好きじゃないんだって! か
らかわないでよ。マネっていう名前も面白半分で付けた名前でしょ?
「バケモノ」ってのと一緒だよ!
リタ:【ナ】マネは声を荒らげて、私の目を見て、言い放った。さっきまでグス
グスしていたのに。私はなんだか面白くなって、笑ってしまった。
リタ:(笑って)何を言ってるの。真似をして生きてない生き物なんていない
よ? みんな誰かの真似をしてるんだ。人間は動物たちから知恵を得てい
るし、そもそも、生き物の子どもは大人の背中を見て育つ。真似をするこ
とが、間違いだなんて、私は思わないよ。それに、君は「ミミック」。
「真似る」のが仕事じゃないの? もっと誇っていいんじゃないかな。
マネ:真似るのが、仕事。僕の?
リタ:ほら、今日からここが君の家だよ。私の「真似」をして、ここで暮らして
みない? 二度とあんな想いはさせないからさ。約束。
マネ:(少し考えてグズって)う、うん。分かった。真似してみる。
リタ:あ、そうそう。そう言えば、まだ私の名前、教えてなかったよね。
マネ:「リタ」でしょ。
リタ:え、なんで知ってるの? まだ教えてないよね? 教えたっけ?
マネ:なんでって、律儀に全部の物に名前書いてあるから、「リタ」って。ほ
ら、この魔法書にも。このゴミ箱にも。そもそも、家の表札にも書いてあ
ったような。
リタ:あー。私、よく物を失くすから。「名前を書いておくと失くさない」っ
て、ある人に言われて、それで。
マネ:よく持ち歩くの? この辺りにある物とか、魔法学校か何処かに。
リタ:ううん。このお家の中でよく失くすの。で、あの人に相談したら、「名前
を書いておけばいいんだよ」って。名前を書いていれば、自分の元に帰っ
てくるんだって! そういう魔法。
マネ:いや、それ、家の中で失くすんだったら、名前を書いても解決しない気が
するんだけど。
数時間後
リタ:【ナ】数時間後、少し目を離した隙にマネが何処かへ行ってしまった。お
家の入口には濡れた足跡だけが残っていた。外は雨が降っている。そん
な、まさかこの雨の中、わざわざ外には出かけないよね、あの子が。
リタ:マネーッ! 何処行ったのーッ!
マネ:【ナ】リタだ。どうしたんだろう。切迫した声のようにも聞こえる。
リタ:マネーッ! いるんでしょーッ! クッキー作ってみたのーッ!
マネ:【ナ】クッキー? なんだろう。魔法の練習の一環だったりするのかな。
リタ:マネーッ!
リタ:【ナ】そうして、ゴミ箱の近くを通りかかった時、ゴミ箱が不意にギギィ
と音を立てて開いた。
マネ:リタ。どうしたの?
リタ:あ、マネ。そんなところにいたの?
マネ:うん。
リタ:あのね、マネ。クッキー作ってみたの。一緒に食べない? 今回のクッキ
ーは、
マネ:(リタの声を遮って)リタは驚かないの?
リタ:ん? 何が?
マネ:ゴミ箱の中にいたんだよ? 僕。
リタ:うん。でも、怖いとか意外とか、何も思わなかった。どこにいたって、
マネはマネだよ。
マネ:【ナ】リタはそう言って、僕にクッキーを分けてくれた。温かいクッキー
だ。バターやチョコレート、ストロベリー。僕は恐る恐るそのうちの一つ
を口に運んだ。
リタ:どう?
マネ:(少しためて)美味しい。
リタ:本当?
マネ:うん。美味しいよ。とても。
リタ:ありがとう。でも、これ失敗作なんだよね。
マネ:そうなの? とても美味しいけど。
リタ:んー、もっと作るから、待ってて。
マネ:うん。
リタ:じゃあ。
マネ:【ナ】リタはいくつかクッキーの残ったプレートを持って、帰ろうとす
る。そんなエプロン姿のリタの手を僕は強く引っ張った。
マネ:あ、待って、リタ。
リタ:おお?
マネ:そのクッキー、置いて行って。僕が食べるから。
リタ:え? でも、マネには美味しいのを食べてほしい。新しく作った方を。
マネ:いや、そうじゃなくて。ほら、だって僕、今ゴミ箱だから。その失敗作、
きっと捨てられるんでしょ? だったら。
リタ:マネ。(間をおいて)分かったよ。じゃあ、後で感想も教えてね。「美味
しい」以外の。
マネ:任せてよ。クッキー一つ一つに用意する。
マネ:【ナ】僕はリタの背中を見送った。そう言えばリタって、魔法使いなんだ
よね。魔法書とか図鑑とかもあったし。だったら、魔法で作ればいいの
に、クッキーくらい。そんなことを考えながら、僕はストロベリーのを口
に運んだ。うん、やっぱり美味しい。
数日後
リタ:ただいま。
マネ:おかえり、リタ。って、どうしたの、その格好。
マネ:【ナ】ある日、リタがボロボロになって帰って来た。お家に入ってすぐ
のところに置かれている僕は、少し蓋を開けて、そこから見えたリタの様
子に目を疑った。
リタ:なんでもないよ。ちょっと、喧嘩しちゃって。
マネ:リタが? 誰と喧嘩したの?
リタ:分かんない。マネには関係ないよ。気にしないで。
マネ:(少し考えて)もしかして、僕の匂いを追ってアイツらが?
リタ:違うよ。ほら、私、魔法使いだから。
マネ:でも。
リタ:大丈夫。マネは安心して。私は大丈夫だから。
マネ:(間をおいて)うん。
リタ:私がいない間、どうだった? 寂しかった?
マネ:寂しくはないけど、心細くはあったかな。キッチンの方から笑い声が聞こ
えたり、二階から不規則なリズムで軋む音が聞こえたり。
リタ:そりゃあ、魔法使いのお家だからね。パレードはよくあること。
マネ:笑い事じゃないよ。
マネ:【ナ】リタは笑いながら、僕の前を通り抜けようとする。でも、僕の質問
でその足を止めた。
マネ:リタはどうだったの?
リタ:(間をおいて)何が?
マネ:何って、「手作りのクッキー」。あの人にあげるために持って行ったんで
しょ? まさか、アイツらに。
リタ:あー、あれね。(少し考えて)あれはちゃんと渡せたよ。喜んでくれたん
だ。「美味しい」って。(少し間をおいて)ちゃんと、喜んでくれたん
だ。
マネ:【ナ】そう言い終わるか終わらないか、リタは奥の部屋に走って行った。
これ以上の詮索はよくない、そう思って、僕はゴミ箱を閉じた。よくない
よ、よくない。僕なんかが。
数時間後
リタ:【ナ】私はマネに勘づかれないように、奥の部屋に閉じ篭った。マネもこ
んな気持ちだったんだろうな。いろんな人間から暴力を振るわれた時の気
持ち。私は両足を抱え込んで座り、あの日のマネみたいにグスグスとして
いた。
マネ:リターッ! ねぇ、リターッ!
リタ:【ナ】マネだ。マネが呼んでる。なんだろう。歩いてくればいいのに。
マネ:リターッ! やっぱり、気になるよ! 何があったんだよ、リタ! リタ
は今、独りじゃないんだよ? 僕が話を聞くからさ! 話してよ、リ
タ! なんでも「分かんない」じゃ、僕も分かんないよ! リターッ!
リタ:【ナ】マネが呼んでる。独りじゃない。そっか、マネは私の真似をしてる
んだ。あの日の。ミミックのくせに。いや、そういうのは止めよう。私が
惨めになる。
マネ:【ナ】僕が遠くで叫んでいたら、奥の扉がゆっくりと開く音が聞こえた。
そして、重い足音がゆっくりとこっちへ近付いてくる。リタの靴の音だ。
リタに間違いはない。
リタ:(マネを視界に入れて)マネ。本当に、聞いてくれるの? 私の。
マネ:もちろん。リタが話してくれるなら。
リタ:全部、受け止めてくれる?
マネ:僕に全て「受け止められるか」は分かんない。でも、リタの心を「聞き
たい」んだ。こっちに来て、話そう?
マネ:【ナ】僕はゴミ箱の中から手を伸ばした。すると、リタは僕の手をキュッ
と握って話し始めた。その一言目が僕の心を捉えた。
リタ:(間をおいて)死んだの。
マネ:【ナ】リタは短く、捨てるみたいに言った。僕の目も見なければ、足元も
見ていない。どこか、空間の真ん中。あり所のない何かを見ている。誰か
に似ていた。
リタ:今日、クッキーを持って「あの人」のいる貴院に行ったの。そしたら、
「先程、亡くなられました」って、看護婦さんに言われて。私、居ても立
ってもいられなくなって、それで。
マネ:【ナ】リタは僕の手を握りながら、震えた声で話している。時々、言葉に
詰まる。頭の中で、「その人」の幻覚が見えているんだろう。大切な人の
幻影が。リタの感情が表象されてゆく。
リタ:私は彼のいる病床まで向かった。そこには彼の家族がいて、勢いよく現れ
た私のことを驚いた目で見ていた。持ってきたクッキーなんて、もうどう
だってよくて、地面にバラまいた。そんなことより、彼を起こそう、っ
てばっかり考えてた。
マネ:【ナ】ダメだ。リタは今、正気じゃない。
リタ:でも、彼は目を覚まさなくって、「明日も待ってるから」って言ってくれ
たのに。嘘だ。嘘だ! って思って。で、そんな時に、彼の奥さんにあた
る人が私に向かって「人殺し」って言ったの。私は訳が分からなくて。
マネ:【ナ】僕は静かに聞いていたけど、すぐに分かった。ダメな感じがした。
あの時の僕と同じ感じだ。リタにも「名前」なんてなかったのかもしれな
い。
リタ:私が「人殺し」? 私、何もしてないのに。楽しく話したり、笑い合った
りしていただけなのに。魔法使いだから? ねぇ、マネ。魔法使いって、
やっぱりずっと独りでいなきゃなんない? 誰かを大切に思うことって、
いけないことなのかな。誰かのために、何かをすることって、「人殺し」
なのかな。笑顔でいて欲しいって願うのは「人殺し」なのかな。
マネ:そんなことないよ、リタ。
リタ:でも、私は彼の家族にたくさん暴力を振るわれた。何も言い返せなかっ
た。みんな泣きながら、私を叩いたり、蹴ったりした。そうやって、みん
なから嫌われて、だから、こんな場所に独りで暮らさなくちゃいけなくな
って、だから、だから。やっぱり、私なんていなくたって、
マネ:(リタの言葉を遮って)リタが泣くことない。
リタ:(少しの間)マネに何が分かるの。
マネ:分かるよ。
リタ:分かんないよ!
マネ:僕は「ミミック」だから、分かるんだ。
リタ:どういうことなの、それ。
マネ:リタが教えてくれたんじゃない。ミミックは真似をするのが仕事なんだ、
って。
マネ:【ナ】リタの突き放すような声をよそに、僕はゴミ箱からゆっくりと抜け
出す。身体を滑らせながら、狭いゴミ箱を出る。流れ出るように緩やか
に。そして、リタを包むように、背中から抱き寄せた。僕はミミック。リ
タが僕を優しさで包み込んでくれたみたいに、僕も。
リタ:温かい。
マネ:これが、リタの忘れた温かさなんだ。そして、あの時、僕が救われた温か
さ。リタの真似。
リタ:分かんない。
マネ:僕も、分かんない。
リタ:真似しないでよ。
マネ:ごめん。
リタ:謝らないでよ。
マネ:ねぇ、リタ。
リタ:何?
マネ:僕、リタの大切な人の真似、しようか?
リタ:何言ってるの?
マネ:「あの人」の真似。
リタ:なんで?
マネ:だって、リタが可哀想だから。大切な心の拠り所を失くして。
リタ:【ナ】マネは優しい。こんなことじゃダメだ。私が見本にならなきゃ。こ
の温かさは「失くさないように」しなくちゃ。
リタ:ううん、大丈夫。大丈夫だから。いつか、別れなきゃならないって、分か
ってた。それに、私は魔法使い。時間の流れがみんなと違うんだから、仕
方ないの。そう、仕方ない。仕方なかった。
マネ:(独り言のように)ああ。やっぱりダメだ。こんなんじゃ恩返しにならな
い。
リタ:マネ?
マネ:僕がリタの大切な人になる。これは誰かの真似じゃなくて、僕自信の言葉
として伝えたいよ、リタ。
リタ:マネ。
マネ:僕がリタの傍に最後までいてやる! リタと同じ世界をリタと同じように
生きてやる! そして、ずっと笑わせてやる! 悲しい顔なんて一つもさ
せてやらない! だから、リタ。泣かないでよ。もう、泣かないで? 僕
まで、涙が出ちゃうよ、リタ。
リタ:ごめんね、マネ。心配かけちゃって。また、クッキー作るね?
数年後(現実時間に戻る)
リタ:【ナ】私はあの日、とんでもない落し物を拾ってしまったみたいだ。お節
介なゴミ箱。いや、もうゴミ箱には入っていないけど。
マネ:聞いてるの、リタ? リタは優しすぎるんだって。魔法でも使ってガツン
と言ってやらなきゃ。
リタ:じゃあ、マネがやってよ。私にはできない。
マネ:なんで、僕が。
リタ:だって、アイツらはマネが連れて来たようなものなんでしょ? マネがど
うにかしてよ!
マネ:(ため息)分かった。リタのためだし。
リタ:【ナ】そう言うと、マネは部屋を出て、遠くへ行ってしまった。あ、そっ
か。マネも出ていくんだ。ワガママな私を置いて、彼みたいに。なんて、
そう思った時、玄関の方から、マネの大きな声が聞こえてきた。
マネ:俺のリタを困らせるな!! 明日また来てみろ!! リタがカエルにでも変え
て食っちまうからな!!
リタ:【ナ】何それ。結局、私なんじゃん。あの日、私はとんでもない拾い物を
したみたいだ。一生物の大切な人。
マネ:どうだった、リタ? かっこよかった?
リタ:んー、まぁまぁ。
マネ:えー。
リタ:ほら、これ。マネの好きなストロベリークッキー。一緒に食べよ?
魔法使いのリタ 靴屋 @Qutsuhimo_V
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