問1.彼女の気持ちを答えなさい。

あるたいる

正しい『生き方』を答えなさい

 この物語を始める前に、君達に少し質問をするとしよう。


 Q.学校生活をそれなりに満喫しながら、それなりの居場所を保持する為に必要な力とは何か?


 まずはオーソドックスに学力だろうか?確かにこの結論には一理ある。学校とは寄り良い成績を収めることで、次の進学先や就職先を決める競走の場だ。そんな場所において、学力とは高ければ高いほど明確なマウントを取るための武器となり得る。


 学校において武器になるのは先に述べた通り勿論のこと、自身の学力と言うものは社会に出ても武器として扱える。『頭の良さ』は何もテストの点数だけで決まるものではないかもしれないが、学生時代ではテストの結果でしか、そういうものを推し量ることは出来ない。


そして、その分かりやすく纏められた結果という一つの資料はこれからの人生に一生影響する。


学力、そして出身大学。それらは自分の言葉よりも分かりやすく自分の立場を明確してくれる。


 このことから、学力は学校生活において重要な力であると言える。


 では、次にルックスも入るだろうか。


 顔面偏差値、そしてスタイルの善し悪しは、殆どの情報を資格から得る我々にとって、初手から相手に好印象を与えることの出来る素晴らしい武器だ。よく人を見た目で判断するなと言う人達が居るが、あれは土台無理な話である。


 一例として想像してみてほしい。


 もし、ブスがボランティアのゴミ拾いをしていたとしても感心こそすれ、惚れたりは絶対にしないはずだ。


「あっ、あの人ゴミ拾いしてる。偉いな」


 とはなるだろう。


 だが、イケメンの場合はそもそもスタート地点が違う。だって、イケメンがゴミ拾いをしていると


「あっ、あの人ゴミ拾いしてる!しかも顔もカッコイイ!優しくて顔も格好いいとか凄い!」


 となる。お分かり頂けただろうか?


 ブスでは、やった事以上の好印象は望めないが、イケメンは既に加点された状態から評価が始まるのだ。


 俺は別にこれが悪いとは言っていない。そもそも人間の本能的に自分の好みの相手を好きになるのは何一つ間違っていないからだ。俺が文句を言いたいのは『見た目が好き』と言う事を隠しながら、中身が好きなんて宣う人間だ。


 良く彼氏or彼女の何処を好きになったの?と問われた時に『中身』と答える人間がいる。そして、私は見た目を気にしないアピールをしながら『人間は中身』とか中身のないことを言う。


 ____まず、外見。そして、中身だ。それだけは絶対に変わらない。そもそも、外見が許容範囲内でなければ、どれだけ性格が良くても人間は相手を好きになれない。生理的に無理という言葉は割と真理を突いている。


『中身』を一番最初に好きになった!なんて事を最初に言う人間は自分に酔っているだけだ。外見が許容範囲内かジャッジを下した後に、中身に惹かれるということは何もやましいことではなく、普通のことである。一体、何を格好付ける必要があるのだろうか?


 ……話が逸れてしまった。まぁ、何はともあれ学校生活において、ルックスは重要であるということは分かってくれただろうか。


 では、他には何があるだろう。


 運動神経?財力?権力?誇示がしやすい力は、相手より自分が優れていると分かりやすく周りに知らしめることが出来るため、これらも強い武器になる。


 人間はマウントを取りたがる生き物だ。


 一人でも多く、自身の下に人間を置きたがる。自身より弱い存在が居ればいるほど安心する生物、それこそが人間なのだ。


 学校なんて、この俺の理論を何よりも分かりやすく体現してくれている。


 カーストを作って。陰キャだの陽キャだの棲み分けを作って。マウントを取ったり取られたりして。自分より下の人間を見下して。自分より上の人間を妬んで悪者にして。


 本当に何処まで行っても救いようのないクソみたいなシステムだと思う。でもまぁ、文句ばっかり言ったところで、このシステムはずっと変わってこなかったし、これからも変わらないだろう。


 で、あれば、だ。このシステムに準じながら賢く生きるしかない。強すぎても、弱すぎても面倒が足に纏わりつく沼みたいなこの世界を、自分の力で歩いて行かなければならないのだ。


 では、最初の質問に対して、僕なりの答えを出すとしよう。


 Q.学校生活をそれなりに満喫しながら、それなりの居場所を保持する為に必要な力とは何か。


 A.コミュニケーション能力と確固たる立場に死んでも喰らいつく根性。

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