(三)-4

 しかもそのボクサーブリーフは、少しずつ上の裾を押し下げられていった。そして社会の窓の上の部分で引っかかっていた拓弥の先端が、その引っかかりをすり抜けると、勢いよく窓の外に飛び出してきた。

 翔太はその勢いにびっくりして「やだ、ちょっと待ってよ!」と後ろを振り返り、教室のドアを開けようとした。

 拓弥はとっさに翔太の左腕を掴んだ。そして「待てよ」と短く言うと、翔太を力任せに自分の方に引き寄せて抱き寄せた。

 顔を真っ赤にした翔太は暴れて抵抗した。

「ダメなのか」

 拓弥は腕で力一杯、翔太を固定した。

「ダメだよ」

 翔太が暴れながら言った。

 それを聞いて拓弥は固定していた腕から少しづつ力が抜けていった。


(続く)

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