(一)-3
そのイメージが頭を巡ると、拓弥はそれに歯を突き立てることはできなかった。なるべく歯に当たらないようにしながら、口に入ってきているブリトーの先端部分に舌を上下左右に這わせながら、翔太が恍惚の表情を浮かべているところを想像してしまった。
「どうしたの? 食べないの? おいしいよ」
表通りが見えるガラス窓の所に設置されたカウンター席の翔太は笑顔で隣の拓弥の顔をのぞき込んできた。
その瞳は悪戯っぽく笑っているが、汚れを知らなさそうな、綺麗な瞳をしていた。素直にこの状況を楽しんでいるのだろうと拓弥は思った。
(続く)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます