代替え品
怪我で引退したバイオリニストの友人が、弟子を取ったらしい。俺は、その弟子が初めて人前で演奏をする発表会に呼ばれた。
だが、発表会が始まると目を見開いた。弟子は音色や技だけでなく、容姿まで友人にそっくりだった。
「素直で可愛いだろ? 俺の弟子」
友人の顔は、歪んだ笑みを浮かべていた。
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