第8話 花まみれの乙女
吉田先輩から写真付きのリストが届いた。
「大人のお店で見た事あるやつと似てる」
ろくでも無い感想だった。
「選ばずにみんなで遊ぼうよって言ってくれたから、それは悪いですって言ったもんね」
ふんすと言ったが反省するところはそこじゃ無い。
「この中から選んでください」
「パネルから読み取るのは中々難しいよ。そうだな、これとこれとこれはちょっと見てみたい」
「見てみたいって、あんたね」
「要はあれでしょ? 私を動かさないように男の子とセットにする作戦でしょ? 分かっていないな中田くん。私の内からあふれるフェロモンが様々な男性を骨抜きにしてしまう、の・さ」
区切り方が少し
「アンタが動き回ると厄介なの。どうせあちらこちらで私に押し倒されたとか言うでしょ?」
「もう言ってるよ。それがさ、聞いてよ。そんな嘘通じないわよって誰も信じてくれないの」
「当然よ。アンタと私では信用度が違うわよ」
「なんだよ。私は何もやってないじゃん」
「時には何もしていないことが問題な時があるの」
「その理屈なら、何かをしたら許されるということになるが、その認識でOK?」
「だからと言ってわざと事を起こしたら問題になるわよ。反省文三枚とか」
「どれだけ私を拘束したいのかなこの高校は、分かった。文化祭は大人しくする」
なまじ外見がいいので、寄ってくる男は数多いるだろう。お付き合いも出来ないわけでは無い。喫茶店のお兄さんに淡い恋をすることもある。
気を許せば段々とゴリラ味がますので、幻想を持った男の子たちはどんどん引いていく。常識とか羞恥心が全く無いのはゴリラたる所以だ。
スクールバッグの中に入っていた脱いだ後の靴下を臭って、これは雨の日、これは暑い日と靴下臭い当て選手権を一人でしている。
食堂一回分で他の靴下をつい忘れて帰ったクラスメイトにゴリラは「これは汗の上に泥臭さを感じる。昨日は暑かったから部活の時にはいていた物だな」と、言い驚いたクラスメイトに「探偵とは依頼者がいないと成立しない。今日も謎解きをさせてくれてありがとう」と、いってごまかそうとしたゴリラをクラスメイトは食堂まで教室から引きずっていこうとした。
「後生だ。旦那、今月は可愛い下着セットを買ったから金が無いんだ」と。
「いつ使うのよ」
引きずられるゴリラはクラスメイトに。
「そのいつが明日に起こるかもしれない。この謎解きは簡単だ。きっと明日には答えが、分かった! 伸びるから、だから引きずらないで」
こういうことをよくする。つまり少し気を許すとそういう事態を起こす。これまでの恋愛遍歴は正直気になるところではある。
そして最初に戻る。
「これは少し面接が必要でごわすな」
「なんで語尾が春日なの」
「おいおい、春日じゃない。春日さんだろ」
変なところで律儀である。
「
「待て、変なことされないようにではなく?」
「当然じゃない。変なことするでしょ? いたいけな男の子捕まえて、あんなことやこんなことをするのがゴリラたる所以でしょ」
「あ、またゴリラって言った。私は花まみれの女の子よ」
花まみれは大変だ。
「花も恥じらう乙女でしょ」
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