第4話 退役軍人はメンバーを紹介する
「この事務所は現在、私を含めて3人のメンバーがいます。ちょうど所長以外のメンバーがいるので、紹介しましょう」
スピードはそういうと姿を消し、次に姿を現した時には2人の女性を連れてきた。
アンバーは、スピードが突然消え、女性を連れてきたことに驚いていたが、その2人をよく見てみると、2人とも背が高く、1人は印象的な赤い髪と鋭い目つきをしており、もう1人は青い髪で何かに怯えている様な表情をしていた。
2人の女性はスピードに突然連れてこられて、固まっていたが、そのうち赤髪の女性がスピードに「いきなり何をしやがる。」と怒り、青い髪の女性は自分の部屋に戻ろうとしていたがスピードに肩を掴まれているため戻れずにいた。
「彼女とこの犬はアンバーとバレットという名前で、私たちの依頼人になってくれるかもしれない人とその犬ですよ。」と紹介をし、
「彼女は荒事に巻き込まれている様でして、私たちの能力があればそれを解決できるかもしれないのでここに案内しました。それに仕事をしなければ、いつか、遠くない未来、この事務所は潰れてしまいます。流石に猫や犬探しや用心棒だけで食いつないでいくのは無理です。」とスピードは女性2人に事務所の現状も含めて説明をしたが、それを聞いて、アンバーとバレットはなんと言えない表情をし、スピードを見ていた。
その目を見て、スピードは「しょうがないじゃないですか、身体を強化した退役軍人がいる事務所ってだけで、荒事や誰にでもできる様な仕事しかうちに依頼に来る人はいないんですよ。」とちょっと泣きそうになりながら言った。
それを聞いて、2人の女性は声を揃えて「それもそうだな。」と言った。
アンバーはその理由を聞きながら、「お二人とも、スピードさんと同じですごい能力があるんですか!」と興味を持ったのか、少し興奮しながら聞いた。
それを聞いて、「じゃあ、私から」と赤髪の女性が紹介を始めた。
「私はファイター。能力は単純だか力が強いことだ。クルマをひっくり返すことやコンクリートの壁に穴を開けたりすることができるぜ。」と自慢げに話していたが、スピードに「ですが、力加減を間違えて、階段に穴を開けてしまうことがあるので、握手をする時には気をつけたほうがいいですよ。」と余計な一言を加えられ、「お前だって速く動きすぎて、絨毯に火をつけたり、窓を割ったりしただろうが!」と言い返し、言い合いが始まった。
2人とも言う内容がなくなったのか、落ち着きを取り戻し、青い髪の女性の方を見て、次の番は君だと訴えかけていた。
その様子を見て、「わ、私はフレイム。能力は手や足、口から炎を出すことができます。まあ、スピードとファイターに比べたら地味な能力ですがね。」と自信がなさそうに答えた。
その様子を見て、「そんなことはないですよ、好きな時に火を起こすことができると言うのはすごいことですよ。」
「そうだぜ!私が階段に穴を開けてしまった時は、いつも能力を使って直してくれていただろ、そんなことができるなんてすごいことだぜ!」とスピードとファイターの2人はフレイムのフォローを口にした。
そのフォローを聞きながら、バレットが『それは、便利屋の様だな。』と呟いたのを聞いて、フレイムはさらに落ち込み、ファイターは「犬が喋った!」と驚き、混沌とし始めた中、話を進めるためにスピードは大きな声で言った。
「こんな事務所ですがどうでしょうか!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます