外国人の少女に、「運び屋」をさせられる!この荷物、何?悲しく、ラストに納得。

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 たったの2話。次回で、この話の意味がわかります。この話、意外にリアルなんじゃないのかな?特に、この、今の日本では。

 「推しの恋」は、もしかしたら、コンビニミステリー。

 恋、か…。

 高校生時代や大学生時代も、「恋」とは縁がなかった人も、多いはず。

 それがいけないことだなんてことは、これっぽっちも思えない。

 ただ、それが原因でぼんやりとしてしまうことは、あるかもしれない。

 「だから俺は、今もこうして、 1人でいるんだろうな」

 ぼんやりと、してしまう。

 …が、待て、待て。

 「俺は、 1人きり」

 そうは思えない時間だって、あるだろう。

 「 1人きりとは、感じられない時間」

 それが、彼にとっては、「推し」時間というものだった。

 「推しを応援できる時間は、最高のいやしだ」

  1人、夜道を歩いていた。

 「ずいぶんと、寒くなってきたなあ」

 コンビニの、あついあつーいおでんでも、食べたくなるというものだろう。

 「今の俺の推しは、熱い物に変わったのかもしれないな。…にしても、マジで、寒くなってきたなあ」

 暑すぎた夏の、反動なのか?

 「あの、くそ暑かった夏は、どこにいってしまったんだ?」

 夜道、頭の中で、セミが鳴きはじめたような気になった。

 「ミンミンミンミン… 頭の中で、アイドルたちが歌っているぜ。ほぼほぼ、忘れかけられている歌だろうが」

 夜は、いつだって不気味だ。

 「…あれ?」

 道の先で、麦わら帽子をかぶった少女が、 1人、うずくまっているのを発見。

 これは、不気味。

 「君、そこで、何をしているの?どうしたの?」

 聞くと、少女は、暗がりの中で目を光らせた。

 「…はこぶ」

 「はい?」

 「これ、はこぶ」

 「はい?」

 「おねがい」

 何だよ、その、初心者っぽい日本語は!

 「運ぶ…?何を、運ぶんだい?どこに、運ぶんだい?」

 「…うう」

 「何が何だか、わからないよ」」

 すると、少女が、うめきだす。

 「う…う…」

 これは、ただごとじゃあないぞ!

 「…このにもつ、はこぶ。おねがい」

 暗がりの中、ニヤリとされたようにも見えた。

 「…あ、これ?」

 もちろん、断って良かったはず。こんな妙な依頼なんか、引き受けられない。

 なのに…。

 「はい、はい。わかった…わかりました」

 彼は、金縛りにあったように動けず。少女の思うがままに、動かされていた。

 どうする、どうする?

 やばい物を、運ばされようとしているんじゃないのか?

 「…ねえ?」

 「あ、はい」

 「ここまで、はこぶ。OK?」

 少女に地図を渡されて、次。

 痛い一言を、言われてしまう。

 「できる、できない?」

 この言い方には、イラッとも、ムカッともきた。

 断りたい!

 でも…、断れなかった。

 呪いなのか?

 いや…、反発心のようなものが、生まれていたからなのかもしれない。

 「…やってやる!運び屋にされる俺を、甘く見るなよ!」

 少女から、両手でかかえるほど大きい段ボール箱と地図を、受けとった。

 「目的地は、ここだな!」

 彼は、ただただ、歩くのみ。

 謎の少女に押し付けられた謎の荷物を、両手でかかえながら。

 30分以上は、歩かされたんじゃないか?

 そこそこ、重労働。

 「…重いな。中身は、何だ?」

 ガサガサとも、ゴソゴソともいわない、荷物の中身。

 「荷物に、余裕が感じられない。びっしりと、つめられているんだろうな」

 恐ろしい空気が、彼をつつむ。

 「何が、入っているんだ?」

 気になって、仕方がない。

 やっぱり、やばい物を運ばされているんじゃないのか?

 中身がわかるのは、次回。





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