第21話 承知してますよ
僕が右手を近づけると、
そして握手を終えて、壁にもたれかかっていた
「ごめんなさい……私は、声に出して喋るわ。返答はチャットでいいから」
『了解しました』
そして僕の会話……チャットという会話を受け入れてくれているのだ。当然向こうには喋るという会話を発信する権利がある。
「私たちの目的は、あなたと
『なんでしょう?』
「1つは……あなたが
『承知してますよ』恋人関係というのは、お互いが好きでいるから成り立つ。その前提を忘れてはいけない。『つまり僕の行動にかかっている、ということですね』
「そういうこと」
結局……通常の恋愛と同じだ。僕に魅力があれば問題なく進み、僕に魅力がなければ人が離れていく。
……それを繰り返してきた結果僕は今、友達がいないんだが……まぁ、しょうがない。これからは変えていけば良いのだ。
「幸い
『そうだといいんですけど』
「うん。でも……あなたたちに、あんまり接点がないのは事実」
たしかにそうだ。たまたま助けてもらって、その恩返しに助けただけ。別に中が良いわけじゃない。まだ他人の領域だ。
「どうやってつながる?」
『実は……今日は一緒に遊ぶ約束をしていたりします』
僕がチャットを送信すると、
『
『はい』
『そりゃ手が早い。キミも隅に置けないね』本当に偶然だけれど。『というか……知り合いだったの? ノートの一件以外で接点があったっけ?』
『ちょっと放課後に話す機会がありまして……』
『なるほど。そこでいろいろ聞いたんだな』
そうかもしれない。まぁ……
『なんかあったら私たちに連絡して。でも、最終的に
『承知してますよ』
せっかく掴んだチャンスなのだ。逃すわけがない。
……
それにしても……1つの行動で人生ってのはここまで変わるんだな。無味乾燥な青春時代を送るはずが、気がつけば恋をしている。
今までも……違う人生というものは近くに転がっていたのだろう。僕が気づかないふりをして掴み取ろうとしなかっただけなのだろう。少し行動すれば……こうやって人生は変わっていく。
変わった未来を素晴らしいものにできるかどうか……それは僕次第だ。
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