第14話 大げさだなぁ
びしょ濡れの
どうやら
レモネード……だろうか。少しばかり粘ついた液体が
……落としたドリンクが隣の人の頭にかかる? そんなことが、あるのだろうか。
というか
ついさっきまで僕の隣にいた女子だ。つまり……昨日、僕のノートを落として中身を見た人だ。その人が……今度は
「ごめんね? 手が滑っちゃって」反省している様子はなさそうだ。「そのレモネード、高かったんだよ? おいしい?」
「申し訳ないけど、酸っぱいのは苦手なんだ」こんな時でも笑顔なのが
「手が滑っちゃったんだから、しょうがないじゃん」
明らかにわざとぶっかけたよな。あまりにもピンポイントすぎる。
「そっか……」
「そうそう。しょうがないしょうがない」ぶっかけた側が言うセリフではないけれど。「次も許してくれるよね?」
そう言って、その人は取り巻きからドリンクを1つ取り上げた。そして
それは
直前に、誰かにキャッチされた。
「くれるの? ありがとう」
現れたのは……髪の長い女子生徒だった。背が高くて痩せ型の女子。名前はわからない。僕はちょっとクラスメイトに興味がなさすぎるかもしれない。
「
「じゃあ返すわ。
「なにが?」あいも変わらず挑発的な表情を崩さない
「ドリンクの話じゃないわよ」
「じゃあ何?」
心の話だろう。これ以上
そういえば黒髪の女子……
「ケガはない?」
「う、うん……大丈夫だよ」
そんなやり取りを見ていた
「大げさだなぁ……ちょっと手が滑っただけじゃん」
「え……あ、ああ……
……毎回思うけれど、うちの担任教師は
教師が
「ほらね?」自分は罰せられないという絶対の自信があるようだ。「私は悪くないよ。じゃあ、悪いのはなに?」
「強いて言うなら頭じゃない?」
強いて言わなくても頭だろうな。あるいは性格?
「頭悪いのはあんたでしょ? ねぇ私のパパは――」
「はい、そこまでそこまで」背の小さい人が間に割って入った。「そんな揉めたって良いことないよ?」
そう言って割り込んできた人物は……短い金髪、メガネをかけた女子だった。かなり背が小さいが……胸は大きい。
というか……急に新キャラが増えて頭が追いつかん。誰だ誰なのかわからん。
まぁあれだ……いじめっ子の
クラスでも最高クラスのグループの揉め事だ。
ちょっとした……一大事である。
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