【完結】実は有能ポーターだった僕、アホなリーダーの平手打ちでチートスキル【ツッコミ】に目覚めて世界最強に。美少女たちにもモテまくりで、トントン拍子に成り上がる。あとアホ冒険者たちは瞬殺ざまぁします
第三十三話 そのポーター、スキルの多さにツッコミを入れる
第三十三話 そのポーター、スキルの多さにツッコミを入れる
「会いたかったです、勇者さま!」
そう言うとハルミが僕に向かって突進してきた。
ローラさんに構わず、唖然としていた僕にガバッと抱き着いてくる。
「おい、やめて! 僕は男に抱き着かれて喜ぶ趣味なんてないんだ!」
と、僕はハルミを引き剥がそうとした。
しかし、である。
僕はハルミを引き剥がさず、代わりに「ん?」と眉根を寄せた。
抱き着かれる直前は嫌悪感しかなかったが、いざハルミに抱き着かれてみると嫌悪感どころか高揚感が全身に広がったのである。
まさか、僕はこの一瞬で男色家に目覚めちゃったの?
そう僕が自分自身に対して身震いしたときだ。
「カンサイ、お主はハルミの性別に気づいていなかったんじゃな」
カーミちゃんがため息まじりに言う。
え? ハルミの性別って何のこと?
「カンサイさま、ハルミちゃんは男の子じゃありませんよ」
気づいてなかったのですか、という顔で言ったのはローラさんだ。
は、ハルミが男じゃない?
そのとき、僕はふと思い出した。
そう言えば牢屋の中で、ローラさんはハルミのことを〝ちゃん〟づけしていた。
あれはてっきり可愛い男の子って意味での〝ちゃん〟づけかと思っていたが、もしかしてあの時点でカーミちゃんとローラさんはハルミが女の子だって気づいていたってこと?
「いや、ハルミが女だと気づいていたのはローラだけではない。クラリスもちゃんと気づいていたぞ」
「嘘?」
僕はクラリスさまに目をやる。
「ええ~と……本当にカンサイさまはお気づきになられてなかったので?」
はい、お気づきになっていませんでした。
カーミちゃんはやや呆れたように嘆息する。
「カンサイよ、冷静になって考えてみよ。こんな女顔の男がいるか? 確かに胸の膨らみからすれば男と見間違えるかもしれぬが、それにしても雰囲気や声の感じからして「もしや女では?」」と少しは疑うもんじゃろ?」
「
ははは、と僕は乾いた笑みを浮かべた。
そして鼻息が触れるほど近距離にいるハルミに視線を戻す。
ハルミは両頬をリスのように膨らませていた。
「もう、勇者さまってばひどすぎます。ボクのことをオ〇ン〇ンがついている男の娘だと思っていたんですね。プンプン」
それは断じてない。
君を男だと勘違いしていたのは事実だけど、オ〇ン〇ンがついている男の娘だと思ったことは1秒たりともないよ。
あとプンプンって表現を言葉に出して言うな。
それはさておき。
僕はまじまじとハルミの全身に視線を巡らせる。
見たところハルミはまったくの無傷だった。
あのときハルミは僕の〈
「ハルミ……お主、もしや〈自動回復〉のスキルを持っておるのか?」
そう言ったのはカーミちゃんだ。
〈自動回復〉のスキルって何?
ハルミは「よくわかりましたね」とカーミちゃんに言った。
「神様から「のちの勇者さまと勇者パーティーをサポートせよ」と仰せつかったとき、ボクは勇者さまたちのサポートを満足にこなせるように特殊なスキルを与えられました。〈自動回復〉もそのスキルの中の1つです。それこそ即死をしない限りはどんな大怪我を負っても1分以内に全回復します」
おいおいおいおいおいおい、ちょっと待ってよ!
何だよその反則級の特殊スキルは!
いくら何でも強すぎるだろ!
「だからハルミちゃんは間接的とはいえ、カンサイさまの力を受けても平気だったんですね……あれ? 〈自動回復〉もそのスキルの中の1つっていうことは、もしかしてハルミちゃんは特殊スキルを何個も持っているってことですか?」
首をかしげて言ったのはローラさんだ。
はい、とハルミは強くうなずく。
「怪我が治って目覚めたあと、勇者さまたちがいなくなっていたことに気づいたボクは、
〈個人察知〉って……また犯罪臭のするスキル名が出てきたな。
あとルンルンって表現も使うな。
「ほう……他にどんなスキルを持っているんだ?」
興味ありげにたずねたのはクラリスさまだ。
「そんなに大した数は持っていませんよ」
するとハルミは大きく息を吸い込んだ。
そして――。
〈打撃耐性〉。
〈斬撃耐性〉。
〈魔法耐性〉。
〈毒耐性〉。
〈恐慌耐性〉。
〈麻痺耐性〉。
〈無視耐性〉。
〈疎外耐性〉。
〈疲労耐性〉。
〈病気耐性〉。
〈恐怖耐性〉。
〈痛覚耐性〉。
〈魔力察知〉。
〈気力察知〉。
〈敵意察知〉。
〈殺気察知〉。
〈危機察知〉。
〈剣士察知〉。
〈盾人察知〉。
〈賢者察知〉。
〈魔女察知〉。
〈聖女察知〉。
〈魔物察知〉。
〈魔人察知〉。
〈異世界人察知〉。
〈薬草察知〉。
〈毒草察知〉。
〈鉱物察知〉。
〈稀少物察知〉。
〈身体強化〉。
〈千里眼〉。
〈韋駄天足〉。
〈怪力無双〉。
〈言語理解〉。
〈変装〉。
〈変身〉。
〈手話〉。
〈精神念話〉。
〈精神憑依〉。
〈生存術向上〉。
〈快眠〉。
〈快食〉。
〈いつでも腸内環境が整っていて、う〇ちが毎日スッキリたっぷり出るよ〉。
と、ハルミはこれらのスキル名を一呼吸で言い切った。
「この他にも、あとせいぜい100個のスキルぐらいしかありませんから」
長ああああああああああああああああああああああああああいッ!
あと多おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおいッ!
そして最後のスキルは意味なく長ああああああああああああいッ!
そこは〈快便〉スキルでいいだろおおおおおおおおおおおおおッ!
大声を出すわけにもいかなかった僕は、心中で高らかにツッコんだのだった。
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