【完結】実は有能ポーターだった僕、アホなリーダーの平手打ちでチートスキル【ツッコミ】に目覚めて世界最強に。美少女たちにもモテまくりで、トントン拍子に成り上がる。あとアホ冒険者たちは瞬殺ざまぁします
第二話 そのポーター、スキルの力で肉体が超絶変化する
第二話 そのポーター、スキルの力で肉体が超絶変化する
『あなたのこれまでの不遇な人生にツッコミを入れますか?』
突然、そんな質問を投げかけられても困る。
この声の持ち主は誰?
【ツッコミ】スキルって何?
僕のこれまでの不遇な人生にツッコミをいれるってどういうこと?
正直、僕の頭はパニックを起こしかけた。
でも、同時にもう1人の僕がささやきかけてくる。
「いつ君の人生を逆転させるの? 今でしょう」と。
そうか、と僕は思い切って決断した。
『あなたのこれまでの不遇な人生に
もう一度たずねられた質問に、僕は声を大にして答えた。
「ツッコミでも何でも入れてくれ!」
と、その直後だった。
僕の全身が黄金色にまばゆく輝きだしたのだ。
「うわあああああ――――ッ!」とグレンさん。
「ぬおおおおおお――――ッ!」とバトーさん。
「きゃあああああ――――ッ!」とローラさん。
その他にも周囲にいた冒険者たちから一斉に悲鳴や怒号が響き渡る。
僕の全身から放出した黄金色の光の奔流は、室内をまぶしく照らしたのだ。
一方、僕の肉体にも凄まじい変化が起こっていた。
「こ、これは……」
熱い。
僕は全身に高熱が出たときのような熱を感じた。
同時に全身の筋肉という筋肉が盛り上がり、骨という骨がミシミシと軋む。
やがて全身から放出していた黄金色の光が消えたとき、僕は自分自身が変化したことを悟った。
恐ろしい変化だった。
150センチだった身長が180センチまで急激に伸び、ひ弱でガリガリな部類に入っていた肉体はゴムを幾重にも圧縮したような筋肉質な体型になっていたのだ。
もちろん、そうなると衣服も無事ではすまない。
もともとがボロボロだったこともあり、上半身のシャツは盛大に破れ、下半身に穿いていたズボンも股間の部分を除いて破れ飛んだ。
これは一体……。
僕は驚異的に変化した自分の肉体を確認する。
まるで何十年も修行したような、筋肉の鎧をまとった見知らぬ僕がいた。
だが、ただ筋肉を肥大させたような鈍重そうな肉体ではない。
たとえるなら虎だ。
胸元、両肩、両腕、太もも、ふくらはぎなどは盛り上がっているが、腹筋などは綺麗に引き締まっているシャープで機能美に優れた虎のような肉体をしている。
「君は魔物だったのか!」
ふと気がつくと、僕から数メートルも離れた位置にグレンさんたちがいた。
僕の全身が光り出したあと、身の危険を察知して僕から離れていたのだろう。
それはともかく。
「魔物? グレンさん、あなたは僕のことを魔物だと言うんですか?」
「それ以外に何と形容すればいい! 突然、何の前触れもなく君の身体が光りだしたかと思えば、君は僕と同等のイケメンになったばかりか恐ろしく鍛え抜かれた肉体に変化していたんだぞ! そんなことは普通の人間に起こるはずがない!」
ぼ、僕がイケメン?
自分の顔を確認したいところだが、ここに鏡がないので確認できない。
なので僕はちらりとローラさんのほうを見た。
ローラさんと目が合う。
「きゃっ!」
ローラさんが大きな悲鳴を上げた。
僕はその悲鳴が驚きや恐怖から出たものではないことを確信する。
なぜならローラさんの白磁のようだった肌は今では桃色に紅潮し、目の奥の瞳に明確な「♡」マークが浮かんでいたのだ。
明らかに今の僕を見てときめいている。
しかし、そんなローラさんと対照的にグレンさんとバトーさんは全身から強烈な殺意を放った。
そしてグレンさんは腰の長剣を、バトーさんは武器にもなる大盾を構える。
「ま、待ってください!」
僕は慌てて2人に開いた両手を突き出した。
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