KAC20241 「3分以内に、あの推しアイドルを振り向かろ!」リアルでエモい結末。

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 アイドル好きな男子に、良い感じのプレゼント(指令)!3分以内に、推しのアイドルの女の子と、愛を作れ!

 「推しアイドルのいる男子」には、3分以内にやらなければならないことがあった。 

 とりあえずは、これだろう!

 「推しの子を、ふり向かせること」

 3分以内に、思いを届けろ!ファンとしては、当然の戦いだ!

 推しの子を、いつまででも、愛すべし!

 「推し活」に力を入れる、高校生男子な彼は、焦っていた。

 今は、町中ステージなどで、地下アイドルグループ「カルナバル」の女の子たちに、熱心に声を届けている。

 「地下アイドル」

 それは、地下深くで活躍する、モグラやミミズのようなユニットのことではない。

 そのメンバーの中の、ある女の子が、彼の推しだ!

 推しを応援して、その応援の声に応えてもらえたときは、感激!

 「生きていて、良かったよ。新時代の、生きがいだ」

 …高齢者かよ。

 「メグミちゃーん、応援してるよ!」

 心から推す、大声援。

 そうして気付けば、彼は、おじさんに成長していた。

 大人になっても、アイドル好き。

 今度は、ソロ活動をしている女の子を、応援しているところ。

 「推してるよ!応援してるよ!」

 ステージの上の女性に声を飛ばす、おじさん(彼のことね)。

 ただ、はしゃぎすぎ。

 眼の疲れがハンパなく、視力、ガタ落ち。

 大人になって、コンタクトレンズを付けるようになっていた。

 そんなこんなで、今日は、ついに、推しのアイドルの子に声をかけてもらえたぞ!

 「あなたね?ずっと応援してくれて、ありがとう!」

 うれしくて、舞い上がる彼。

 「この瞬間を、忘れないぞ!…そうだ」

 勝負のコンタクトレンズを、付けてみた。

 「あ、あ!」

 良く見たら、応援中の推しアイドルは、おばちゃま。

 実は、彼が何十年も前に応援した子が成長した女性が、踊っていただけだったのだ。

 「…気付かなかった」

 推しは、ビミョーだ。

 「こんにちは!」

 ぎゃっ。

 彼よりずっと若い女の子が、飛び出てきたぞ。

 「娘の私も、ヨロシクね!」

 まじか。

 「このアイドルって、子持ちになっていたのかよ…」

 推しショック。

 いろいろな意味で。





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