第11話 “あの男”とは?

「……と、言う訳なのです」


クロネの話が終わると、部屋はしーん…と静まり返った……。


最初に口を開いたのは、芽依だった。


「でも…村に居た時、お姉ちゃんの様子は、普通だったの。 誰かに脅されてるとか…そんな感じ、全然無かったの…ねぇ、ふーた?」


突然話をふられて、眠そうな風太が芽依の肩にちょこんと座った。


“ん~……真依の異変には鈴花の方が敏感なんだけど、鈴花は特に何も言って来なかったしなぁ……”

「…………。」


流月も 例えカイトが暗黒騎士になっても、「元に戻って来る事を信じて待つ」と言った真依からは、「誰かに脅されてる」と言う気配は全く感じられなかった……。


「……だとすれば―――脅されてるのは、真依じゃなくて―――」

「……カイトの方か!?」


「でも…あの強豪なカイトを脅す事が出来る程の男とは……一体誰なのでしょうか?」


「―――アイツしか、いない」


ずっと黙っていた黒蝶が重い口を開いた…皆の視線が一気に黒蝶に集まった。


「……黒兄?」

「アイツって……?」

「……一体誰なの?」


「俺の父――ルファウスだ」

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