第5話 冒険者の宿へ

「…少しここから離れて 作戦を立て直そう」

「…うん」「…分かった」


アンズたち一行は、街から少し離れた森の中の『冒険者の宿』に 一度身を隠す事にした。


【冒険者の宿】

冒険者の宿……とは この世界で冒険をする人たちの為に作られた 無償で借りられる コテージ(簡易宿泊所)みたいな場所だ。


お風呂·台所·寝具……必要なモノは何でも揃っている。

※但し食材は自分達で揃えなければならない。


「はいっ、メポ子ちゃん」

↑アンズが流月の事を“メポ子”と呼ぶので 芽依も「メポ子ちゃん」と呼ぶ様になった。


芽依が流月へ、夜ご飯のカレー(黒蝶作)を持って来た。


「......。」

「食べないの?黒お兄ちゃんのカレー美味しいよ?(もぐもぐ)」

「...お腹 空いてないメポ」


しかし流月のお腹はぐぅぅ……と鳴った。


「メポ子ちゃん嘘は良くないの……それにお姉ちゃんが良く言ってるの。“腹が鳴っては 戦は出来ぬだよ”って」

「それ“腹が減っては”……な」


アンズが芽依の間違いを正した。

流月は、スプーンをコトッと置いた。


「ちょっと……散歩して来るメポ」

「あっ!?メポ子ちゃん!! 独りは――!!」


流月を追いかけようとした芽依を、アンズが止めた。


「……アイツなら大丈夫、俺が様子見に行って来るよ」

「…………。」

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