最終章 世界に平和を
第24話「究極の闇」
堕天使達との戦いも終わり、2ヶ月、人間界では春の足音が聞こえて来ていた。
「う〜ん!……あぁ……暖かくて気持ちいい〜」
沙耶香が伸びをしながら言う。
「沙耶香、やっと起きたか。寝過ぎ」
秀介が言う。
「だってぽかぽかして気持ちいいんだもん」
「あのな……折角皆でピクニックに来てるのにそりゃ無いだろ……」
「まぁ、それもそっか、ごめんごめん」
この日、アルス、シャルル、アデル、ライヤ、沙耶香、秀介の6人はピクニックに来ていた。
「皆で揃えるの久しぶりだもんね」
「だな……この所俺もバイト忙しかったし、ライヤさんもずっと仕事でようやく休暇が取れたって言ってたし」
「最近はずっと工事現場のアルバイトしてたよね?」
「ああ、堕天使の奴らが壊した街の復興作業に駆り出されてたよ」
「アルス達も大変だったみたいだし……本当、こんな事いつまで続くのかな?」
「さぁな……」
「2人共何やってるの?こっち来て皆で遊ぼうよ!」
シャルルが2人を誘いに来る。
「ああ、今行く」
「よーし、今度は思いっ切り体動かすぞ〜」
6人はフリスビーで楽しそうに遊んでいた。
「究極の闇が目覚める……」
「え?」
アルスの耳に聞こえて来た謎の声……。
「アルス、行ったわよ!」
「え?うをっ!?」
フリスビーがアルスの頭に当たる。
「いってぇ〜……」
「アルス、何やってんの?大丈夫?」
「うん……大丈夫、大丈夫」
その時、アルスの目にある人物の姿が入った。
「あれは……」
それはデズモア……。
「皆ごめん、ちょっと待ってて!」
アルスは直ぐにデズモアを追い掛ける。
「ちょっとアルス!どうしたの?てか、フリスビー持って行かないでー!」
「待て!」
「ん?やぁ、アルスじゃないか」
「デズモア、こんな所で何をしてる!」
「平和ボケした人間共を観察してたのさ……そうそう、さっき伝えたがもうすぐ究極の闇が目覚めるよ……今の内に束の間の平和を楽しんでおきな」
「何っ!?やっぱりさっきの声はお前だったのか!究極の闇とはなんだ!?」
「フフッ……」
と、そこに……。
「あれ?西原じゃね?」
「ん?」
数人の学生達がやって来た。
「うーわ、西原だ!久しぶりじゃん!」
「何だ君達は?」
「はぁ?俺等を忘れたとは言わせねえぜ?」
「悪いけど君達に構ってる暇は無いんだよ」
デズモアは去って行った。
「何なんだアイツ……気持ち悪りぃ奴だな……」
「ねぇ、君達、彼を知ってるの?」
「え?ああ、同じクラスの西原だよ。西原昴生。まぁ、不登校で全然会って無かったけどな」
「どういう事?」
そこへ……
「ちょっとアルス!どうしたのよ?」
沙耶香達が追って来た。
「あっ、いや……」
「俺等もう行くぜ?」
学生達は去って行く。
「あっ、ちょっと……」
「どうした?アルス」
「あの子達、デズモアを知ってるみたいなんだ……」
「どういう事?」
「デズモアを見て西原昴生って呼んでた……」
「あの制服は……成城(せいじょう)高校の制服だな」
と秀介が言う。
「良く知ってるわね」
「ああ、中学の同級生で居るんだよ、成城高校の卒業生が」
「へぇ〜……」
「成城……高校……」
「気になるなら行って見る?」
「え?」
後日、アルスと沙耶香は成城高校に行って話を聞いてみる事に。
成城高校にやって来ると校長室に通され教員に話を聞く事に。
「どうも、お待たせしました」
「いえ、お忙しい所すみません」
「いえいえ、3年生が卒業してやっと一段落した所ですから。どうぞ、お掛け下さい」
「はい、宜しくお願いします」
「私2年C組の担任をやっています塚本と申します」
「今坂沙耶香です。こっちはアルスです」
「宜しくお願いします」
「アルスさん?珍しいお名前ですね……それでご要件とは?」
「先程、校長先生にお伺いした所、恐らく塚本先生のクラスの生徒さんだろうと……」
「この方達が西原昴生君を探しているらしくて、先日ウチの生徒が西原君と会ったそうで」
「西原!?ですか……」
「その……西原君って子の事聞きたくて……この前の生徒さんと会えないかなと……」
「いやぁ……生徒に会うのは辞めた方がいいですね……」
「何故ですか?西原君の事聞きたいんですけど……」
「恐らく西原を見たのは須山達だと思います。そんな話をしてましたから……」
そう言って塚本先生はクラスの集合写真を見せた。
「これが須山です」
「あっ!そうです!この子です!僕が会ったのは」
「あぁ……やっぱり……須山は素行の悪い生徒で……何かご迷惑をお陰しませんでしたか?」
「え?いや、そんな事は……」
「そうですか……西原は須山とその仲間達にイジメられていたんです」
「イジメ?」
「ええ……暴力を振るわれたりお金を巻き上げられたり……それで西原は不登校に……」
「そんな、何でやめさせないんですか!」
「それが……須山の父親は暴力団の幹部らしくて……我々にも危害が及ぶのではないかと下手に注意が出来なくて……」
「そんな!先生が生徒にビビってどうするんですか?」
「仰る通りです……しかし、私も元々臆病な性格でとてもとても……」
「それで、西原君は今どこに?」
「自宅に引き籠もってたと聞いてますが、まさか外を出歩いてるとは……」
「あの……西原君の家って教えて貰えますか?」
「ああ、すみません……それは個人情報ですので……」
「ですよねぇ……まっ、そういう事なら無理にとは……」
その日の夕方ーー
須山達は隠れ家にしている廃工場で仲間達と集まっていた。
「んで、その西原って奴の弁当にゴキブリ入れてやったのよ!そしたらソイツ泣きべそかいててよ、あの時はちょー笑ったぜ」
「あー、あったあったそんな事!」
「ハハハッー、お前らひでぇ事すんな」
「京塚さんも似たような事してたでしょ?」
「バーカ、俺はそんなこすいイジメはしてねぇっての!」
そこに……。
「随分楽しそうだね……須山君……」
「あん?あっ!西原!何でテメェがここに?」
「こいつが西原か!御本人登場!ウケる〜。へぇ〜見るからに弱そうじゃん」
「いやいやいや、喧嘩無敗の京塚さんから見たら誰だって弱そうでしょ」
「あっ、それもそっか!上手い事言うな〜、山田君座布団1枚持って来て〜」
「誰だよ〜てかいね〜よ!」
とふざけてまた爆笑する京塚と須山達。
「本当に楽しそうだね……僕はこんなに辛い思いしたのに……」
「つーか何だよ何か用かよ?ここはお前みたいなのが来る所じゃねーっての」
須山が西原を突き飛ばそうとする。
「消えろ……雑魚……」
「あん?」
西原は闇の力を発動させ、須山を吹き飛ばす。
「うわっ!?」
「な、何だコイツ!?」
「テメェ、俺が可愛がってる後輩に何しやがる!!」
京塚が西原に殴り掛かる。
「フフッ……」
西原は京塚の体を消滅させる。
「うわっ!?な、何だ!?……嫌だ……死にたくない……死にたくないー!!」
京塚は完全に消滅。
「テメェ、京塚さんに何を!?」
「安心しろ……直ぐにお前達も同じ所に行く……永遠の闇へ……」
「うわぁぁぁぁっ!?」
京塚や須山達の不良グループは消滅。
「ハハハッ……良いねぇ……究極の闇……また一歩復活に近づいた……」
そこにバルサムがやって来た。
「デズモア!!貴様、何をしている!」
「ん?バルサムか……丁度良い……邪魔なお前も消してやるよ……」
西原、いや、デズモアはバルサムに迫る。
「消されるのはお前だ!」
バルサムは『変身』
死神戦士バルサムが登場。
「フフッ……」
ガトリングデビルズがバルサムに襲い掛かる。
「ぐっ……コイツ……」
「後は頼んだよ、ガトリングデビルズ……」
デズモアは姿を消す。
バルサムはガトリングデビルズと戦う。
ガトリングデビルズの両腕から放たれる大量の弾丸にダメージを受けるバルサム。
「ぐはっ!?」
そのままガトリングデビルズは攻撃を続ける。
すると、後ろのドラム缶に穴が空きオイルが漏れる。
そのまま火花が引火し大爆発。
「うわぁぁぁぁっ!?」
バルサムは大爆発に巻き込まれる。
爆風に飛ばされ外へ転がり出るバルサム。
「ぐあっ……くっ……」
変身が解除され、バルサムはその場で気を失う。
続く……。
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