第20話「2つの決闘」

アルスとカルドロ、レグザムが対峙し戦いが始まろうとした所になんと死神戦士バルサムが現れた。


「バルサム!」

「パラディオン、コイツとは俺が決着を着ける」

「そうか……」

「やれやれ……なら、2人まとめて相手をしてあげましょう」

とカルドロは言うが……。

「待ってくれカルドロ。パラディオンとは俺が決着を着ける」

とレグザムが言う。


「なるほど……お前はパラディオンに拘っていたからなぁ……まぁ良いだろう。ならバルサム……相手をしてやる」

「フンッ……どの道貴様とは戦うつもりだ!」

バルサムが構える。


バルサムとカルドロの決闘が始まる。


「行くぞ!!」

バルサムが先に動く。

一気に間合いを詰め『スカルデスサイズ』でカルドロに斬り掛かる。

カルドロは『邪神剣·ディグロス』で受け止める。

「それが貴様の武器か……面白い!」

「フフフッ…、邪神剣·ディグロス……闇の力を秘めたこの剣に勝てるかな?」


「邪神剣?まさか、レグザムと同じ……」

アルスは気付いた。

「当然だ。レグザムの邪神剣·ガルドソードは私が与えた物だからな」

「何っ!?どういう事だ!?」

アルスがカルドロを問い詰める。

「教えてやろう……レグザム……いや、お前のかつての親友ディアスに剣術を教えたのは私だからなぁ」

「じゃあ……お前が……ディアスを闇の世界に?」

「フフッ……まぁ、そんな所だ」

「貴様ー!!」

「パラディオン!戦いの邪魔をするな!!お前にはお前の戦いがあるだろ!!」

バルサムはパラディオンに怒鳴る。

「うっ……」

「奴の言う通りだ……パラディオン……俺達は俺達の決着を着けるぞ」

「ディアス……本気なのか?」

「当然だ。……来い、俺達の決闘に相応しい場所でやろう」

そう言ってレグザムは神殿の中へ……。

「待て!」

アルスもレグザムを追う。


「フンッ……これで心置きなく戦える」

「ああ……貴様の魂……必ず貰い受ける!!」

バルサムとカルドロは一端距離を取る。


バルサムは必殺技『デス·スパーダ』を発動。

カルドロは必殺技『ダーク·レクイエム』を発動。

互いの攻撃が激突し大爆発が起こる。

「うわっ!?」

「ぐっ……!?」


その頃、アルスとレグザムは戦いの場所へ……。

それは神殿の中にある修練場だった。


「ここは……?修練場?」

「懐かしいだろ?……昔は良くここで互いに剣術の訓練に励んだものだ」

「ああ……そうだったな……」

「俺達の決着を着けるには相応しい場所だろ?」

「確かにそうかも知れない……だけどここは僕達の思い出の場所でもある!」

「フンッ……悪いな……思い出に浸ってる場合じゃないんだよ……さぁ、変身しろ!」

「その前に1つ聞かせてくれ……ディアス……君を元に戻す事は出来るのか?何か方法はあるのか?」

「元に……戻す?寝惚けるのも大概にしろ!!今、ここに居るのが本当の俺だ!!さぁ!下らない事言ってないでさっさと変身しろ!!」

「……分かったよ……」

アルスは『変身』

天界騎士パラディオンと堕天騎士レグザムが対峙。

「行くぞ……」

レグザムがパラディオンに斬り掛かる。

「もうこうなったら、戦うしかない!!」

パラディオンも迎え撃つ。

パラディオンの『聖剣·レグニス』とレグザムの『邪神剣·ガルドソード』が激突。

レグザムの怒涛の攻撃が、パラディオンを襲う。

「どうした?貴様の力はそんなもんか?ホラ……本気を出せよ!!」

「ぐっ……確かに……このままじゃレグザムに勝てない……よし!」

パラディオンはレグザムを蹴り飛ばす。

「ぐっ……フンッ、その気になった様だな」

パラディオンは『アーチャーフォーム』にチェンジ。

『セイントアーチャー』を構える。

「喰らえ!!」

必殺技『シャイニングシュート』を放つ。

レグザムは必殺技『ダークレクイエム』を発動し2人の必殺技が激突。

強烈な光を放ち大爆発。

2人は吹き飛ばされる。

「うわっ!?」

「ぐあっ!?」


戦いの様子を傍観しているデズモア……。

「いいねぇ……闇のエネルギーが満ち溢れている……コレなら強力なデビルズが生み出せそうだ……」


バルサムとカルドロの戦いも一層激しさを増す。

カルドロの攻撃がバルサムにダメージを与える。

「ぐあっ!?」

「フフフッ……弱くなったんじゃないか?死神……」

「くっ……馬鹿な……そんなはずがあるか!!」

「どうかな?少なくとも以前のお前なら私の口車に心を乱される事は無かっただろう」

「何っ?」

「お前は人間を愛してしまった……だから弱くなったんだ……」

「俺が……人間を愛した……だと……?」

バルサムの脳裏に未来の姿が過る。

「死神が人間を愛す等……良い笑い話だ」

「何だと!?」


「それは違うわ!!」

「ん?」

そこに現れたのはシャルルだった。

「お前は……パラディオンの妹……」

「バルサムさん、死神のあなたが人間を愛すのは確かに不思議な事かも知れない……でも、決して可笑しい話ではないわ!……だってそれは心がある証拠だもん」

「心……?」

「そうよ。人間を愛するって事はあなたには優しさがあるって事……。だから、あなたは弱くなってなんかない!いや、むしろ強くなってるはずよ!」

「強く……俺が?……人間を愛する事で……」

「良く、お父様が言ってたわ。大切は人を守りたいと強く願った時、誰でもヒーローになれるって。あなたはもうヒーローなのよ!」

「俺が……ヒーロー?」

「フンッ、馬鹿馬鹿しい……何がヒーローだ!所詮貴様は人の魂を奪う事しか出来ない哀れな死神だ!!」

「黙れ!!」

「あ?」

「俺がヒーローかどうか等はどうでも良い……だが認めてやる……俺は確かに人間を愛した……生まれて初めて……心の底から守りたいと思った……だから……必ず貴様を倒すと誓った!!ただ、それだけだ!!」

バルサムの体の奥底から力が湧き上がる。

「うおおおおー!!」

「フンッ……哀れな死神め……楽にしてやる……」

カルドロが攻撃を仕掛ける。

「はっ!!」

バルサムの反撃。

『スカルデスサイズ』でカルドロを攻撃。

「ぐはっ!?」

「俺は……貴様等に負けん!!」

バルサムの怒涛の攻撃がカルドロを追い詰める。

「ぐあっ……ぐっ……馬鹿な……奴に……これ程の力が!?」

「まだ分かってないようね。誰かを大切に思えばその誰かを守る為にヒーローは自分の限界を超えた力を発揮出来るのよ!!」


「カルドロ!!トドメだ!!」

バルサムの必殺技『デス·スパーダ』が発動。

「ぐわぁぁぁぁっ!?」

「貴様の魂も狩らせて貰う……」

「ぐっ……おのれ〜……死神め〜!?」

カルドロは倒された。


「やった!」

「パラディオンの妹……礼を言う……」

「あの……シャルルです!」

「フンッ……」

バルサムは去って行く。

「ちょっと……何処に行くの?」

「目的は果たした。後はお前達で勝手にやれ。それに……ここは俺が居るべき場所じゃ無いんでな」


バルサムは天界から立ち去った。


「バルサム……ありがとう……」


その頃、パラディオンとレグザムの激闘は続いていた。

「ぐっ……やるな……パラディオン……」

「ディアス……お前を救う為に何か手は……」

とその時、パラディオンは思い出した。

前回の戦いでレグザムの仮面が破損した時の事を……。


「そうだ……もしかしたら……」

パラディオンは立ち上がる。

「フンッ……まだやる気はある様だな……」

レグザムが構える。

「ああ……俺はまだ諦めては居ない。ディアス……お前を救う事もな!!」

だが、その為には仮面を破壊する程の攻撃……。

つまり、パラディオンは本気で戦うしかない。


パラディオンはいや、アルスはかつての親友ディアスを救う事が出来るのか?


続く……。

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