第18話「究極の力」
ヴァグレスの必殺技『ダークデストラクション』により人間界の街に甚大な被害が出てしまい、秀介も重傷を負った。
アルスとシャルルが付き添い救急車で病院に運ばれる秀介。
「秀介!秀介!」
「秀介さん!しっかり!」
秀介は集中治療室へ……。
「どうしよう……私達のせいで秀介さんが……」
「大丈夫。秀介はきっと大丈夫さ」
そこへ知らせを受けて沙耶香がやって来る。
「アルス!」
「沙耶香!」
「秀介は?」
「今、治療を始めた所で……」
「そう……」
秀介を心配し、集中治療室の方を見つめる沙耶香。
その時、アルスの『テンカイフォン』が鳴った。
「!何だ?」
アルスが席を外し出て見ると……。
「アルス!天界に再び堕天使が攻めて来た!しかも今回はデビルズとも一緒だ!敵の数が多過ぎる!戻って来てくれ!」
と慌てた様子の父、アルカエルからだった。
「何だって!?分かりました。直ぐに戻ります!」
アルスはシャルルを呼びに戻る。
しかし、病院内にもカルドロとバルサムが現れ大パニックに……。
「何だ!?どうしたんだ!?」
戻って来たアルスが様子を見て驚く。
「お兄様!」
「シャルル……一体何があった?」
「私にもよくは……」
「フフフッ……バルサム、お前が狩るべき相手……パラディオンが現れたぞ」
「何っ!?」
「パラディオン……貴様を殺す……」
「バルサム……何言って……」
バルサムは問答無用でアルスに襲い掛かってくる。
「うわっ!?ぐっ……病院じゃ戦えない……何とか外に追い出さないと……」
「お兄様!?」
「シャルル!お前は天界に戻れ!堕天使達がデビルズと共に天界を襲撃してるらしい」
「そんな……」
「お前だけでも戻って天界の民を……守れ……」
アルスはそう言ってバルサムを押し出し窓から外へ。
アルスは空中で『変身』
天界騎士パラディオンが地上に着地。
バルサムはパラディオンに襲い掛かる。
「くっ……バルサム!一体どうしたんだ?」
「俺は……お前を殺す!」
「馬鹿な……僕達が戦う理由なんて……そうか!奴らに操られてるんだな」
「は?違うな……俺は俺の意思でお前を倒すと決めたんだ!」
「そんな馬鹿な……僕達が戦う理由なんかないじゃなあか!!」
「黙れ!!死にたく無ければ戦え!!」
バルサムは本気で攻撃をしてきている。
油断すればパラディオンもやられてしまう。
「フフフッ……そうだ。バルサムは自らの意思で我々に忠誠を誓ったのだ。そうだろう?バルサム」
「ああ……」
バルサムは『スカルデスサイズ』を取り出し攻撃。
「うわっ!?」
パラディオンは『聖剣·レグニス』で防ぐ。
「お兄様!」
「シャルル……お前は天界へ……」
「でも……」
「行けーっ!!」
パラディオンの必死の訴えにシャルルは決意。
「分かりました!私、天界に戻ります」
「ほぉ……兄を見捨てて天界へ行くか……だが、天界には前回より多くの敵が居る……お前ごときで天界を守り切れるかな?」
「馬鹿にしないで!私だって天界騎士よ!必ずあなた達の野望を打ち砕いてみせる!」
そう言ってシャルルは病院を飛び出し天界へ向かった。
「さて……こっちはこっちで何とかしないとな!」
パラディオンはバルサムに反撃。
「ぐっ……だがようやくやる気になったか……でなければ死ぬ事になるからなぁ」
「バルサム!お前が堕天使達に協力するはずがない!何か理由があるはずだ!必ず聞き出してやる!」
「黙れ!!」
バルサムの容赦のない攻撃がパラディオンを襲う。
その頃、天界では……。
デズモアが生み出した大量のデビルズを尖兵とし、天界の兵士達に襲いかかっていた。
「ぐあっ!?」
「クソッ……なんて数だ……前回の比じゃないぞ……」
「怯むな!行けー!必ず神殿を死守するんだ!!」
アルカエルも必死に兵士達を激励する。
「アルカエル様!」
バサフがやって来た。
「バサフ、どうした?」
「シャルル様から連絡がありました。今、シャルル様がこちらに向かっていると……しかし……人間界の方でも何かあった様で、アルス様は来られないと……」
「そうか……シャルルだけで神殿を守り抜けるかどうか……」
「あの……1つご提案なんですが……」
「ん?」
人間界ではパラディオンとバルサムの死闘が続いていた。
「ぐあっ!?」
「おりゃあ!!」
「ぐっ……」
バルサムの怒涛の攻撃がパラディオンを追い詰める。
「くっ……こうなったら……」
パラディオンは『アーチャーフォーム』にチェンジ。
『セイントアーチャー』を構える。
だが、手が震え照準が定まらない。
聖なる光の矢では死神であるバルサムの命を奪いかねないからだ。
パラディオンは躊躇っていた。
「何だ?その姿になれば強いんじゃないのか?そのアーマーは?その弓矢は?ただのお飾りか?」
「くっ……」
バルサムは必殺技『デス·スパーダ』を放った。
「うわぁぁぁぁっ!?」
パラディオンは『デス·スパーダ』の直撃を受け大ダメージを受けた。
「アルス!?」
沙耶香が叫ぶ。
パラディオンの変身が解除され、アルスの姿に戻ってしまった。
「ぐあっ……」
アルスは倒れる。
「ハァ……ハァ……トドメだ!!」
バルサムが『スカルデスサイズ』を振りかぶる。
そこに沙耶香が病院から飛び出して来て叫ぶ。
「ダメー!!」
バルサムは『スカルデスサイズ』を振り下ろす。
しかし、手が震え動きが止まった。
「うっ……うっ……」
「馬鹿な!お前!約束を忘れたのか?さっさとトドメを刺せ!!」
カルドロが怒りを露にする。
「くっ……バルサム……やはり……君は以前とは違う……」
アルスが起き上がろうとする。
そこに天から光輝く剣が降りて来た。
「ん?何だ!?」
「これは……?」
「何っ……?」
その場に居た全員が驚いたその剣の正体は……?
「ま……まさか……アメイジングセイバー!」
「アメイジングセイバーだと!?選ばれし天界騎士にしか扱えないと言う伝説の聖剣か!?」
カルドロもその存在を知っていた。
アルスは『聖剣·アメイジングセイバー』を掴む。
「伝説の聖剣が……僕に力を貸してくれるのか?」
『聖剣·アメイジングセイバー』は更に光を放ちアルスを新たなパラディオンの姿に変身させた。
天界騎士パラディオン『アメイジングフォーム』の誕生だ。
通常の純白の鎧に金と銀のラインが入った神々しい姿となった。
『アメイジングフォーム』となったパラディオンのその目は万物を見通す力があった。
パラディオンが見たのはバルサムの心の奥底にある明里と未来母娘が人質に取られているビジョン。
「!そうか……だからバルサムは……」
「な……何だ?何をした?」
「バルサム、ちょっと待ってろ」
そう言い残しパラディオンは何処かへ飛び立った。
「ん?」
「アルス?何処に行くの?」
「ま……まさか!?」
パラディオンが向かった先は廃ビルの地下でデビルズに見張られて恐怖に怯えている明里と未来の元。
「そこまでだ!!」
「な……何だお前は!?」
パラディオンは有無を言わせず一瞬でデビルズを斬り裂いた。
「ぐあっ!?」
たったの一撃でデビルズを倒してしまった。
「大丈夫。あなた達を助けに来ました」
「え?」
「あっ……ありがとう……」
パラディオンは明里と未来を抱え再び飛び立つ。
そして直ぐに病院へ戻って来る。
「パラディオン!」
「バルサム、2人は助けた。これで僕達が戦う理由は無いはずだ」
「バッ……馬鹿な!?何故!?」
カルドロは驚愕。
「パラディオン……感謝する!」
バルサムはカルドロに攻撃。
「ぐあぁぁっ!?」
『スカルデスサイズ』で斬り裂きカルドロにダメージを与えた。
「ぐぅ……お……おのれ……」
「カルドロ!お前の策略は潰した!覚悟しろ!!」
パラディオンとバルサムがカルドロに詰め寄る。
「ぐっ……こんな所で……やられてたまるか!」
カルドロは撤退。
「逃げたか……」
「バルサム……これで本当に、僕達が戦う理由は無くなった。頼む……力を貸してくれ」
「2人を助けてくれた事には礼を言う。だが、お前と組むつもりは無い……だが、堕天使共には仮がある。俺は俺で奴らとの決着は着ける……」
そう言ってバルサムは去って行く。
「バルサム……まっ、結果オーライかな?」
パラディオンは変身を解除し、アルスの姿に戻った。
「2人共、怖い思いをさせて申し訳ありませんでした。でも、もう大丈夫です」
「あっ……えぇ……ありがとうございました」
「お兄ちゃんありがとう」
未来はアルスに笑顔を向けた。
そして、明里と未来は帰って行く。
「さて……後は天界だな」
その頃、天界では……。
天界に到着したシャルルがエンジェルパラディオンに変身し、必死に戦っていた。
いよいよ、堕天使達との最終決戦が始まろうとしていた。
続く……。
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