中学受験よもやま話
おかん星人
失礼な麻布おじさんの話
ヒトカゲと同い歳のお嬢さんがいる麻布おじさん(麻布とは全く縁がない)の話。麻布おじさんと呼ばせていただくが、本人はもとより親族一同誰一人として「あの」男子御三家の一角である麻布中学とは縁がない。
そんなおじさんをなぜおかん星人が「麻布おじさんと呼ぶのか」というお話。
麻布おじさんとはお互いの子供が中学受験をしているということで、たまに中学受験トークをすることがあった。ちなみに麻布おじさんは、ヒトカゲと会ったことはないし、おかん星人も麻布おじさんのお嬢さんにあったことはない。
お互いの子供のレベル感がわからない状態での中学受験トークなんて薄っぺらいものである。
そう、薄っぺらくおかん星人はこう言った。
「ヒトカゲの塾のクラスメイトで、物凄く個性的というか、凄いお子さんがいて、ご自宅で理科の実験をしたりするそうです。そのお子さんは物凄く理科が得意で模試では学年で一桁順位を取ることもあるんですって。」
おかん星人が想定していた模範回答はこうだ。
「それはすごいですね。そんなお子さんと同じクラスで切磋琢磨されて、おたくの息子くんも頑張られているのですね。」
しかし、麻布おじさんはおかん星人の想像の斜め上を行くリアクションをもたらしたのである。
「へぇ、そうですか。まぁ、そういう飛び出たお子さんとは同じ学校に行くことはないから気にする必要ないですよ。」
「…。」
おかん星人は「塾のクラスメイト」と申し上げましたが…当然志望校は同じですが、同じ学校に行くことはないとな。あ、そうですか。アドバイス、どうもありがとうございました。
さて、ここから麻布おじさんたる所以に触れよう。
小学校のクラスメイト間で志望校の話題が活発すぎて息子くんが困っているという話をおかん星人がしたところ、
「そんなの適当に、絶対ありえない学校名言っておけば良いんですよ。麻布とか。絶対ないない、ないから、おたくの息子くんが麻布に行くことなんて(笑)」
「…。」
はぁ…まぁ、ないよね。ないけどさ…言い方ね、言い方。言い方大事。
そして、それぞれの子供の中学受験終了後。
「ヒトカゲ、第一志望校に受かりましたが、第一志望校に受からなかった人も多数いるわけなので、あまり嬉しそうにしすぎるのも良くないかなって。学校名もあまり知られたくないですし。」
「いいですよ、思いっきり喜んで。頑張ったんですし。学校名は麻布とか言っておけば良いんですよ。絶対ないから。ないない、麻布は絶対ない。」
「…うちの子、〇〇中学です。」
それ以降、子供の話になった時、麻布おじさんは言葉を選ぶようになりました。
で、おたくのお嬢さん、どこの学校に受かったの?
桜蔭?女子学院?それとも渋渋??
どうやらおかん星人の知らない学校らしい。
あぁ、分かった。麻布ですね。
おめでとうございます。
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