それいけ神の子異世界へ~好き勝手やりすぎて周りは皆大迷惑~
富士ゆう
テンプレに沿ったプロローグ
ふと目に入った景色は目の前に迫る大きなトラックだった。そして、次の瞬間には痛みを感じる間もなく意識を失った。どうしてこんなことになったんだ。
俺は、自称どこにでもいるような大学生だ。まあ、強いて言えば人とは壁を作るタイプ。その日もいつもの様に昼頃に家を出て大学に行くため駅に向かった。いつもより少し暑い春の日。ほぼ毎日歩く道を進んでいると
「危ない!」と声が聞こえた。
とっさに上から降ってきた鉄パイプを避けた。もともと運動神経は良かったのだと自分自身を褒め讃えていたとき、気付いていなかった。俺は車道に出ていたのだ。そして冒頭に戻る。俺は死んでしまった。
目が覚めた。そこは見える範囲全てが白い空間だった。
「ここどこだ?」
ふと感じた疑問をそのまま口に出す。誰も答えないであろう疑問に答える者がいた。
「ここは現世と死後の世界との狭間じゃよ。」
後ろから声が聞こえた。振り向くと誰もいない。
「うわっ、ホラーかよ。」
「いやっ下じゃ下!」
少し怒気のある声。
声に従って目線を下にもっていくと10代前半くらいの女の子がいた。余談だが俺は身長が高いほうだ。うわー俺、子供苦手なんだよなぁと思っていると、
「誰が子供じゃ。」
と上目遣いで睨んでくる。君のことだよと頭で考えていると疑問に思う。あれっ、声出してたか?
「儂は神なのじゃ。お主が声を出さなくとも心くらい読めるわ。」
おぉのじゃロリ神かぁ。というか神ねぇ…あっ心読めるんだった。まあいいか。
「お主失礼な奴じゃの。まあ良い。儂は転生神じゃ。お主をここに呼んだのは、謝罪と提案のためじゃ。はっきり言うておくが、お主は死んだのじゃ。」
なんとなくだが気付いていた。自分が死んだのだと、そして今はっきりと思い出した。
「あぁトラックに轢かれたのか。」
「そうじゃ。そしてそのことについて管理者である儂たちに不始末があったことが明らかになったのじゃ。詳しい説明は省かせてもらうが儂たちのせいでお主が死んだと思ってくれてよい。痛みを感じなかったのはあの時できたせめてもの贖罪じゃ。」
「な、なるほど。」
確かにあの時は何も感じなかった。
「そういえば提案って?」
「むっ、死んだことは良いのか?まあ良い。提案とはお主のいた世界とは違う所謂異世界に行ってみんかというものじゃ。」
「異世界ってあのラノベとかによくある?」
友人と遊ぶことも好きだが一人でいることも好きな俺はその手の小説もよく読んでいたし、少なからず自分だったらと妄想もした。
「そうじゃ。儂たちの責任でもあるため、特典も付けるつもりじゃ。」
ふむ、特典と言われると行きたい気持ちが膨れ上がってくるな。
「ちなみに特典とは?」
「これから行ってもらいたい世界の名はアルガルドと呼ばれている世界じゃ。剣と魔法の世界と言えば想像しやすいじゃろ。そこにはステータスというものが存在するのじゃが、そこに対しての補正とスキルや魔法に関するものになる。」
なるほど。考えてみよう。神の発言からして恐らく転生は決定に近い。ここでごねるよりも覚悟を決めてパッと決めた方が印象もいいだろう。…よしっ決めた。
「異世界に行く!」
「おぉ行ってくれるか。ではさっそくこのスキルの書・魔法の書から5つ決めてくれんかの?」
そう言って転生神は二つの書を渡してくる。どこから取り出したかは分からないが、神様だしと納得することにした。
「ん~…少し時間かかってもいいか?」
「時間はあるからの。ゆっくり決めてくれてかまわん。」
なになに……。なるほど。魔法と魔法系スキル、体術系スキル、盗賊系スキル、神官系スキル等々いろんなものがある。だが、スキルを決める前に異世界で生きていく目的というか、コンセプトを決めないとスキルを選べないな。どうしよう。どうせなら生きているときにできなかったことがしたいな…。
「そうだ!観光はしよう。でも観光だけってのもどうかとおもうよな。」
幸いなことに勇者になれとか戦争を止めてくれとか面倒なことはしなくていいらしい。
その時思いつく。自分は学生のとき歴史について疑問を持っていた。歴史上の人物は本当に存在したのか。存在したことが文献に残っているというが、自分自身で見たわけではない。うん、これだな。
「新しい偉人たちの歴史をこの目で見よう。じゃあそのために必要なスキルは…」
「言い忘れておったが異世界言語のスキルについては付けておくから心配いらん。」
「それはありがたいな。」
そうなると選ぶのは…おっこれはすごい。(特殊系スキル・不老不死)まず一つだな。次は、(盗賊系スキル・真実の瞳)よしこれで他人のステータスが見ることができる。この調子で決めていこう。
それから、かなりの時間が過ぎ、多くのスキル、魔法を吟味した結果こうなった。
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名前:不確定(人族?)
性別:男
レベル:1
職業:旅人
体力:800
魔力:3000
筋力:200
防御力:700
敏捷:300
魔法:大地魔法、天体魔法
スキル:不老不死、真実の瞳、超健康体、異世界言語 歴史書
称号:転生神の加護、傍観者希望、お調子者、慢心男、転生者
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「転生神様!スキルと魔法決まったよ!」
「ほお、お主儂の加護を受けているとはいえ凄い才覚じゃ。」
そう言われてもこれがどのくらいすごいのかわからんな。
「一般人のステータスってどのくらいなの?」
「そうじゃの。ほれ、こんくらいが平均じゃ。」
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名前:トーイ(人族)
性別:男
レベル:10
職業:村人
体力:50
魔力:20
筋力:40
防御力:40
魔法防御力:10
敏捷:20
魔法:生活魔法
スキル:弓術
称号:無
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うん。俺チートだな………
「それではそろそろアルガルドに送るぞ。っと、その前にお主の名前を決めないといけないのじゃ。転生という形で送らねばならんから前世の記憶は薄れる。前世の名についてはその関係上使えんのじゃ。」
そういえば自分の名前が、思い出せない。名前かぁ。我ながら時間がかかりそうだ。ん~そうだなぁ。あっ!
「どうせなら転生神様に決めてほしいなっ。」
「儂にか?いいじゃろう。お主のことは気に入っておる。それではお主の名は“シオン”じゃ。儂の友の名を授けよう。」
「転生神様。ありがとう!それじゃあ送ってくれ。」
「うむ。わかったのじゃ。それではの。シオンよ。」
転生神がシオンに右手を向けた。するとシオンの足元に魔法陣のようなものが浮かび上がり、まばゆい光と共にシオンを包み込んだ。そして、光が収まるとそこには誰もいなくなっていた。
転生神がふうと息を吐く。
「シオンよ。思うままに生きるのじゃ。まさか神である儂に名づけを願うとは…。儂が名を与えたことであやつの種族が変わったが、まあ些細な問題じゃ。さて、大きな仕事が舞い込んどる。儂疲れたし、これは天使に任せるとするか。さてさて、休憩がてらシオンのことを見守るかの。」
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名前:シオン(現人神)
性別:不明
レベル:1
職業:旅人(旅神)
体力:1000
魔力:5000
筋力:300
防御力:1000
敏捷:500
魔法:大地魔法、天体魔法
スキル:不老不死、真実の瞳、超健康体、歴史書、異世界言語、守護天使召喚
称号:転生神の加護、傍観者希望、お調子者、慢心男、転生者、神の子、
天と地を司る者
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