なんか妹の距離が近い気がする。

シマイノ=ユリスキー

第1話 姉の日記

2月2日

 人生の節目ってことで日記をつけることにした。父さんが再婚するかもしれない。めでたいこって。



2月4日

 父さんが義母と義妹を連れてきた。義母はゆるふわな雰囲気で私の姉と言われてもおかしくないくらい若い見た目をしている。なのに母性を感じる。ママァ…。


 義妹は大和撫子という言葉が合いそうな美人さん。とってもかわいい。でも目つきが悪い。というか睨まれてる。めちゃくちゃ睨まれてる。


 生まれて初めての姉妹だし、仲良くなりたいな。お姉ちゃんになるんだし頑張らなきゃ。



2月5日

 いやー…何度か話しかけてるけど、1言2言で会話が終了してしまう。というより、相手に会話を続ける意思がないのだろう。どうしたもんか。



2 月7日

 取り付く島もないってこういうことか。まーじで視線すら合わない。業務的なやりとりばっかしてる。部屋から出てくることも少ない。



2月9日

 ついに今日キレられた。「あなたのことを姉と思ったことなんてありませんから。関わらないでください。」だって。てか初めてまともに目があった気がする。


 やっぱりしつこすぎたかも。ちょーとアプローチ変えなきゃかな。



2月11日

 時々寂しそうな顔をしてるのが気になる。もしかしたら、父さんと私に自分のお母さんを奪われたとか思っているのかも。


 母さんの代わりにはなれないけど、お姉ちゃんと一緒にいて良かったって思ってもらえるようになりたい。てか一度くらい姉呼びされてみたい。



2月12日

 何かしらを口実に一緒に出かけようと思う。ちょうど母さんの誕生日が近かったはず。



2月13日

 よかった。母さんの誕生日プレゼントのアドバイスが欲しいって言ったら一緒に出かけることになった。バレンタインデートだ。明日が楽しみ。このお出かけで少しでも距離が近づくといいな。



3月16日

 ある程度落ち着いたから日記を再開しようかな。


 まさか交通事故にあうとは思ってなかった。結局プレゼントは買いに行けなかった。でも庇った美優が大怪我しないで良かった。


 父さんも母さんも仕事中なのに病院まで飛んで来てくれた。正直すっごく嬉しかった。



3月17日

 講義が心配だったけど、レポートさえ出しちゃえば単位はもらえるらしい。一年生から留年確定!ってならなくて本当に良かった。今までちゃんとやってきたからね。



3月18日

 私が車椅子生活になるだなんて思ってもみなかった。退院までっていう話ではあるけど、美優が押してくれるから役得かなって。



3月20日

 どうして助けたのかって聞いてきた。そんなのお姉ちゃんだからに決まってるでしょ。



3月21日

 なんか距離近くね?

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