隣の席の女の子と線

半角あゝ

隣の席の女の子

 隣の席の女の子は耳に髪をかける

 彼女はペンを握る


 白紙に美しい線を描く

 その仕草にうつつを抜かす


 何を描いているのか

 知る由もない


 いつか知りたい

 僕は赤いペンでどこまでも線を描き続けた


 隣の席の女の子の白いドレス

 誰かと描いた赤い線を歩いていた


 僕の赤いペンはインク切れだ








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

隣の席の女の子と線 半角あゝ @sanmojiijyou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ