道場訓 七十二 謎の般若面の男
「おい、このまま本選会場に行くのか?」
俺は一定の距離を保っていた
「いえ、まずは
そこで俺は先ほどから思っていた疑問を投げかけた。
「なあ、アンタも本選に出るのか?」
「……どうして、そう思われたのです?」
「少なくともアンタは三十一番よりも強そうだからだ」
三十一番とは先ほど俺の〈
「ご冗談を。今の私はただの雇われですよ。とてもとてもあなたには
本当にそうか?
俺は
それだけではない。
両目に
〈
直後、
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
名前:?????????????????????????????????
年齢:?????????????????????????????????
職業:?????????????????????????????????
称号:?????????????????????????????????
特技:?????????????????????????????????
備考:?????????????????????????????????
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「――――ッ!」
俺は大きく目を見開くと、床を蹴って後方に
無意識に自流の構えを取る。
馬鹿な、こんなことがあるなんて……。
俺が背中にじんわりと冷や汗を浮かべると、
顔だけをこちらに向けてくる。
「いかがされました?」
いかがも何もない。
一体、こいつは何者なんだ?
俺は黙って
過去に俺は何百回と〈
正直なところ、この〈
たとえば使用者である俺よりも相手が強い場合などには、相手が隠しておきたいことなどが読めない場合もある。
だが、過去に相手の表示欄がすべて読めなかった人間は2人しかいない。
ゴウケン・オオガミとエディス・ハミルトン。
俺の祖父とリゼッタの祖父だ。
ただ、これはある意味において当然だった。
俺の祖父とリゼッタの祖父は過去に
だが2人に対して〈
それでも俺の祖父はもう亡くなっているので試すことはできないし、リゼッタの祖父であるエディス・ハミルトンも60を過ぎた今でも本気を出せば
どちらにせよ現時点で分かったのは、目の前の
それか他に考えられるのは、
魔法使いの中には
俺やエミリアのようなスキル使いにもしてもそうだ。
さすがの俺もすべてのスキルを知っているわけではないが、
同じように
俺がそんなことを考えていると、
「大丈夫ですよ。今の私はあくまでも本選出場者の案内係です。あなたとは闘いません」
そう言うなり、
俺も構えを解いて歩き始める。
けれども、
もしも不意をつかれても瞬時に対処できるよう
ほどしばらくして、俺たちは通路の奥にあった扉の前に到着した。
俺も開け放たれていた
「け、ケンシン師匠!」
その部屋の中には、心配そうに俺を見るエミリアの姿があった。
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