第37話 答えは聞いてない

「「――消え(ろ)なさいっ、ケダモノ! 強制排除ディスアピアーっっ!!」」


 光の螺旋オーロラ終焉の焔メガフラッシャーが『同化』し、全く未知のエネルギーが生まれた。別々に放つより、その威力は何十倍にも膨れ上がる。


『おおおおおおおおおおおおおおおおッッ!?!?』


 光でも闇でもないモノに呑み込まれる魔竜王。


「ハァ……ハァ……今度こそやったよね……?」

「ああ……これで生きてたら、もう手の打ちようがない……」


 二人は背中合わせに座り込んだ。全てを出し尽くし、もう立つのも困難だ。


『プハァ……今のは危なかったワイ』


「ウソ……でしょ?」

「バカな……本当に不死身か……!?」


 ヌッと出てくる魔竜王に、二人は愕然となった。流石に全身黒焦げになって、プスプスとうろこただれていた。


『まだ、これほどの余力があったトハ……万全・・の状態で、撃たれてたらヤバかったゾイ。気が変わった……貴様らは危険ナリ。今スグ、消し炭にシテくれるッ』



「そいつは困るな。てか、手段は選ばない・・・・って言ったんだが、もう忘れたんかい?(呆)」



「「タクミ……!!」」



 目の前に現れた俺に、レティシアとアリシアは手を取り合った。あれ? この二人、いつの間に仲良くなった?


『なっ……貴様、ドコから湧いて出たッ!? というか、我に敗れたハズ……!?』


「待て待て、完全体(笑)アレで勝ったつもりか? 冗談は、お前のトカゲ並みの脳ミソにしとけ。あっ、トカゲに失礼か」


 魔王を弱肉強食ゴッドイーターで取り込み、俺は速攻で『転位』スキルを創作。駆けつけたら、絶妙なタイミングだった。


『ハッ! アリが恐竜に勝てるとデモ? 往生セェやぁあぁアアアアッ!』


熱閃ファイアボルト(ボソッ)」


――ドンッ!


 熱閃は全力ブレスを切り裂き、トカゲのどてっ腹を貫通した。なんか既視感あるけど、気のせいやろか?


『のほぉオォおおおおッ!? 我の腹がァあぁアアアアッッ!?!?』


 のたうち回るトカゲ。暴食スキルがなければ、こんなもんか。そもそも魔王は、元々一介の魔族に過ぎなかった。それを並み居る猛者を下し、頂点に君臨したのだ。


 封印で弱体化し、騙し討ちで『暴食スキル』ゲッツ! とかやってる小物とは、雲泥の差だ。異界最凶(爆)ってのも、“かなり”誇張してんな。絶対、将軍の方が強い(確信)


「さてと……二人とも、コレどう料理してほしい?」


「フッ、タクミにお任せするわ。煮るなり焼くなり、丸めるなり千切るなり好きにして」

「見るのもおぞましいわ! 可及的速やかに滅殺して頂戴っ!」


『ンなバクテリアじゃあるマイしッ! 我は腹が痛いンじゃ! もうカエル!』


 バックれようとするトカゲの尻尾を、俺は軽く握り潰した。ギギギ……と涙目で振り返るトカゲに、俺はニッコリ微笑んだ。



「どこへ行くんだぁ? ○ぬか●されるか、ハッキリしろ。答えは聞いてないが」



 ◆ ◆ ◆


 NEXT……ざまぁ回 final.


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