第24話 『女王』

 遅れてすみません>< フォロー、ありがとうございます(^-^ゞ


 ◆ ◆ ◆


「さぁ観念なさいな! 終焉の焔メガフラッシャーっ!」

終の秘剣ラストシークレット……光の螺旋オーロラっ!」


 レティシアとアリシア、お互いに最大技をぶっ放した!


――今だ・・っ!


 俺は超小型の『虚空渦ブラックホール』を放った。皆、二人に注目しているので、誰も気づいてない。

 俺もアリシア戦以降、創作に励み『虚空渦』の極小化に成功した。これなら範囲を絞れるので、周囲に被害を出さずに済む。


 針の穴程度の『虚空渦』は、最大技の間に割り込み……


――ジュボッ!


 一瞬で、双方の大技を呑み込んだ! 極小なのに性能はまるで衰えない。我ながら、チートスキル持ってんなぁ……と思った。

 呆然とする二人。はたから見れば、お互いのスキルが相殺そうさいしたように見えただろう。


「なに……? どゆこと……??」

「相討ち……と言ったところか」


 二人は、まだ状況を理解しきれてない。


「ハァ? そんなの納得できるワケないでしょ!? 明らかに私のほうが勝ってたし!」

「では、公平・・に『多数決』というのはどうだ? 今の勝負、どっちが勝ったと思う?」


『レティシア皇女』


 俺とアリシア以外、全員がレティシアを支持した。アリシアの顔が紅潮する。


「無効よ無効っ! 恥を知りなさいよ、厚顔無恥っ! 依怙贔屓えこひいきのないよう、タクミに採決ジャッジしてもらいましょう」


 二人が俺に注目した。まぁ俺が無理やり割って入ったしな。


「そうだな……今回は『引き分け』ってことでいいんじゃないか? 決着を急ぐ必要もないわけだし」


「だってさ? 命拾いしたわね」


「貴様がな。本当に運だけはいいな。だが、私は貴様ら魔族が母上を亡き者にしたことは、決して忘れんぞ……!」


 レティシアの●意は、まだたかぶったままだ。いつ第2ラウンドをおっ始めてもおかしくない。


「私の所為せいだとでも言いたいの? 迷惑なんですけど。それになんか勘違いしてるみたいだけど、アンタの母親は『死んでない』から」



「「え…………??」」



 サラっと重大発言をしたアリシアに、俺とレティシアは唖然となった。


「な……母上は生きているだと? そんな見え透いたウソなど……」


「ウソじゃないわよ。そんなメリットもないしね。アンタの母親が魔王パパを『封印』した際、力を使い果たして『石化』したのよ」


「そんな……というか貴様、何故今まで黙っていた!?」

「なんでって、訊かれなかったからよ。別に教える義理もないしね」


 詰め寄るレティシアをアリシアは、あっさりとなした。二人とも、普段から仲悪いしなぁ……。


「証拠は……証拠はあるのかっ!? 母上が生きているという明確な証拠だっ」


 アリシアは「うっさいわねぇ」と迷惑そうにしながらも、水晶玉を取り出した。何かを唱えると、映像が浮かび上がった。

 どこかの城とおぼしき場所に、石化した女性の姿が……レティシアが食らいついた。


「母上……! なんという痛ましいお姿で……」


 レティシアはしばらく俯いていたが、やがて何かを決断したように顔を上げた。



「父上、それにタクミ。私は今から母上を救助すべく、単身で異界に赴きます。後のことは頼みます」

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