【完結】異世界転移した俺は定番通り無双して、最速で最強となり嫁と共に王国を築く

たくミン☆

第1話 底辺作家、異世界へ

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 ◆ ◆ ◆


      【プロローグ】



――気がつけば、俺は異世界にいた。



 これはネタではなく、ガチである。自室でボンヤリとPCの画面を眺めていたら、突然目映い光に包まれて見知らぬ地に立っていた。


 俺の名は瀬名 拓海せな たくみ、高校を卒業したばかりの18歳だ。地元の工場に就職したが、俺はこのまま『平凡』に終わるつもりは微塵もなかった。


 いつかは有名メジャーになる……と意気込んでも、俺にはこれといって『特技』はなかった。唯一、長く続いているのが『小説投稿サイト』に作品を投稿する事だった。


 五年間で色んなジャンルの作品を投稿したが、どれもパッとしなかった。ランキングもジャンル別の下位で、打ち上がったことなど一度もない。


……結局、俺は『創作』の世界でも『底辺』のままだった。


 って、感傷に浸ってる場合じゃねーな。まずは状況を確認せねば……。俺はポケットをまさぐったが、ゲッ!? スマホがないじゃん!

 財布もない……開幕から詰んだかっ!? ん……? 代わりに出てきたのは『手帳』だ。


 これは……俺が五年間、せっせと作品の『ネタ』を書き留めた手帳だ。俺はなんか思いついたら、忘れないようにすぐに手帳に書いていた。

 パラパラとページをめくると、懐かしい作品のネタもあった。こんなのも書いてたのか……あれ? なんだか目から汗が……


 勿体ないな……これらの作品の『面白さ』が分かるのは、世界中で俺だけだ。読者には面白さが1%も伝わってないだろう。感想やレビューが滅多に来ないのが、その証拠だ。


 ゴメンな……俺にもっと『才能』があれば、日の目を見ることも出来ただろうに……。


――ガサガサ……


 な……なんだ!? 俺が身構えると、ソレは姿を現した。全身が緑で、グロテスクな形状。

 こいつは……!? 現実ではあり得ない生物……どうやらここは、“異世界”で確定したようだ。


 未知の怪物は動きは緩慢だが、ジリジリと俺との距離を詰めてきた。まさか俺を『補食』するつもりか……!?

 その時、俺が持っている手帳がほのかに光った。同時に俺の脳裏に、“情報”が入ってきた!


【スライム……知能が皆無の液状モンスター。本能の赴くまま、近くの獲物を補食。炎系が弱点】


 こいつはスライムだったのか。ドラ◯エみたいな愛らしい外見とは、似ても似つかなかった。

 同時に俺の右手が、赤く発光した。『イメージ』が、俺の頭の中を駆け巡る! 戸惑ったが、もう迷ってるヒマはない!


 俺は右手をスライムにかざして、“イメージ”を解き放った!


熱閃ファイアボルトっ!」


――ボジュ!!


……一瞬の出来事だった。


 俺の右手から放たれた赤い閃光は、スライムを一撃で消し炭にした……。

 今のは一体……? 俺、なんかやらかしちゃったか??

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