1005 全員合格に向かっての協力者

 眞子の実力を知った上で、ウッチーの志望校の合格方法を訪ねてくるウッチーパパ。

なので、合格までの点数が足りないのなら、内申点を稼ぐ方法を教授していたら……それを聞いていた森田君が。

(因みに眞子は、影の薄い森田君は先に帰ったものだと思い込んでました(笑))


***


「なっ、なっ、なにが?」


森田君の存在を認識してなかっただけに、言葉が詰まっちゃった。


完全に動揺しちゃったね。



「『なにが?』って、そんなに、クラスメイトみんなの事を考えてくれてたなんて……吃驚だよ。凄過ぎるよ向井さん」

「あぁ、いや、別に、こんな事、なにも凄くないんだよ。多分、本当は、みんなにも出来る事なんだよ。ただ少し、今は受験で余裕が無いから、自分の事に集中しちゃってるだけなんだよ。きっと」

「そうかぁ。そう言う事かぁ。……だったら俺もさぁ、自分の受験が終わったら、向井さんを手伝うよ。私立の受験が終わってからって言うのが非常に申し訳ないけど」


あぁ、そうかぁ。

森田君の言う様に、そう言う手もあるね。

私立の受験を専願で受ける子なら、公立の試験を受けないんだから、ある意味『受験合格後には余裕』が出来る。

だったら、その余裕のある時間を、他のクラスメイトの勉強に充てて貰えれば、クラス全員の志望校合格も見えてくる。


うんうん、実に悪くない提案だ。



「ホント!!その提案、凄く嬉しい。クラス全員を志望校に入れるのが、今の私の目標だったから、凄く助かるよ」

「ちょっと待て。君は、たかがクラスメイトの事に、そこまで考えていたのか?」

「当然ですよ。3年から、この学校に転校して来た私を、クラスの仲間として迎えてくれたみんなには、なんとしても恩返しをしたいですからね。返せる恩は1つでも多く返して置きたいので」

「ハァ……本当に凄い子だな、君は」


あれ?こんなの当たり前じゃないですか。

なにか自分にして貰った事があるならば、それを倍にして返すのが『仁義』ってもんですよ。


まぁ中には、一生掛かっても返せない事例も有りますけどね。


なので、そこに関しましては、一生一緒に居て。

身も心も使って、少しづつ崇秀や奈緒ネェに恩を返して行きたいと思うております。


いや寧ろ、一緒に居させてください。

眞子は、崇秀や奈緒ネェが居ないと死んでしまいますし……



「いえ、だから、別に凄いんじゃないんですよ。本音を言ってしまえば。冷めた生き方なんてしたくないだけですし、人より楽しく生きたいだけなんですよ。それにですね。自分1人で幸せなのより、みんなが幸せな方が、もっと楽しいじゃないですか。理屈としては、ただそれだけの事なんですよ」


人、それを……『快楽主義者』若しくは『幸せ押し付け人』と言う。


早い話、私のやってる事なんて『自己満足』の世界なんですよね。



「病的だな」


なんでそんな事を言うんですか?



「まぁまぁまぁまぁ。兎に角ですね。森田君が手伝ってくれるなら、尚更ウチのクラスからは脱落者なんか、絶対に1人も出さない様に頑張ります。『有言実行』ですよ」

「うわっ……そんなに期待されても困るな」

「大丈夫大丈夫。やれるやれる」

「松岡修三か……」

「あのねぇ……」


うん……誰が松岡修三さんやねん!!


そんなに熱くないっての。


熱血指導員か私は!!


それに身長も190cmも無いわ!!


……ってな馬鹿げたツッコミをしながらですね。

新たな協力者を得た私は、その協力者である森田君と、ウッチーの家を後にした。



……でもね。

この後、またまた、おかしな展開が待ってたんだよね。



まぁ……そんな大層に言う程の事じゃなく、これはいつもの事なんだけどね。


(;´д`)トホホ


***


―――次回予告。


またしても、こう言う展開なんだね。


もぉ……どうせ、そんなこったろうとは思っていたけど。


まさかの、それがドンピシャとはね。



そんな訳で、次回は……


『②Two-month and half entrance test war, such as me』

「②僕等の2ヵ月半受験戦争」


……っを、お送りしたいと思います。



頑張ってるんだけどなぁ。


所詮、私って、この程度なんだね。



もう一回(;´д`)トホホ……


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


【後書き】

最後までお付き合い下さり、誠にありがとうございますです<(_ _)>

これにて第一章・第五十八話【①Two-month and half entrance test war, such as me(①僕等の2ヵ月半受験戦争)】はお仕舞に成るのですが、如何でしたでしょうか?


今回のお話で、皆様に伝えたかった事と言うのは、受験に対して様々な点数のとり方があると言う面の紹介や、家族の絆なんかが大事だと言う事を知って頂きたかった訳なのですが、上手く伝わったでしょうか?(笑)


早い話、勉強する事だけが、なにも点数を上げる方法ではない、って話ですね(笑)


さてさて、そんな中。

私立の受験後とは言え、森田君と言う強力な助っ人を得た眞子なのですが。

これで全ての準備が万端に成ったのか?


まぁ、当然、そんな訳はないので。

次回から始まる第一章・第五十九話【②Two-month and half entrance test war, such as me(②僕等の2ヵ月半受験戦争)】では、眞子とは違う方法を紹介していきたいと思いますので。

良かったら、また遊びに来て下さいねぇ~~~(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

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