堕ちる女子

羊丸

第1話日常


 人間には様々な種類がいる。傲慢な人、可愛い人、優しい人、性格の悪い人が世界中に沢山いる。


そんな中、沢山の人たちが行き交いながら友達、恋人や仲間などになっていく。だが、ある中には歪んだ形の愛や行動、束縛が混じり、犯罪に一転するなどがある。


 暑くなる季節に近づいていく7月。エイデン・ナッターズは時々そんなことを思いながら俺は暑い街を運転しながら、アメリカのテキサツ州にあるダラスにある自分の事務所に向かった。


 車を駐車場に停め、建物内に入るとカードキーをパネルの方にタッチをさせてエレベーターで自分の事務所に着き、扉が開くと同時に同業者あった。


「おはようございます。エイデンさん」

「あぁ、おはよう」


 笑顔で挨拶をし、自分のデスクに行き、カバンの中に詰められている書類を丁寧に取り出して並べ、手帳で今日何か予定があるか確認をした。


「今日、あぁ、十時半に浮気の相談と十三時に離婚に関する相談か」


 エイデンは手帳を見て呟いた。弁護士の仕事に就くと様々な相談や裁判を起こす。浮気、離婚、遺産相続、沢山の相談が来るためいろんなことを学ばなければならない。


 ここまで上り詰めるため、エイデンは寝る暇も惜しんで学んだ時期があったことを思い出す。


 すると、ドアが叩かれる音が聞こえた。


「入っていいぞ」

「失礼します」


 扉の外から女性の声が聞こえると、扉が開かれた。


「おはよございます。エイデンさん。紅茶をお持ちいたしました」 


「あぁ、いつもありがとう」


 エイデンは秘書から紅茶を受け取り、何か電話があったかを聞いた。


「相談などは今のところないですが、そういえば募金をしている孤児院さんからまた電話がありましたよ。今度お祭りがあるから、もしよければ見ていってくださいって」


 女性秘書は自分のことのように笑顔で話していた。


「あぁ、あの孤児院か」


 エイデンはそう呟くと笑みで紅茶を一口飲んだ。


 エイデンは昔から、自分が前まで住んでいた孤児院に募金をしていた。両親を早くに亡くし、親戚もいなかったせいでまだ幼いエイデンは孤児院に住んでいた。


 結構良くしてもらい、わからないことは事細かく教えてくれたりなどをしていたから結構お世話になっていた。なので時々給料の半分はその孤児院に渡していた。


 孤児院で働いていた人は「こんなにいらない」と言っていたが、


「自分がしたくしてしています。それに、孤児院が潰れてしまったら子供達が可哀想じゃありませんか」


 エイデンは笑顔でその孤児院の人たちに言った。募金以外に時々お菓子なども差し入れなどをしていた。


 おかげで孤児院の子供のほとんどがエイデンに懐いていた。


「お祭りか。いい考えだな」

「そうですね。でも、エイデンさんはとても優しいですね。給料の半分を孤児院に注ぎ込むなんて」

「色々お世話になったからな。ちなみに何日なんだ? その祭り」

「あぁ、確か今週の日曜日で、九時から始まるだそうですよ」

「今週の日曜日か」


 手帳を取り出そうとすると、女性秘書は「大丈夫ですよ」と笑顔で答えた。


「日曜日は何も予定はないですし、行ってあげてください。もしあったとしたら秘書の私がなんとかしてあげます!」

「全く、君はなんて優秀なんだか」

「へへ、お褒めいただきありがとうございます。それでは、失礼します」


 女性秘書は笑顔で答えると、早々と部屋から出た。


 エイデンは紅茶を飲みながら書類をまとめ、今日の相談相手が来る時間を待ったのだった。



「では、また何かあったら相談をしてください。連絡でも構いませんし、もし連絡でもわからないことは事務所に来てください」

「本当にありがとうございます。友人に相談した時、ここの方がいいと聞いて、とても良かったです。それに、何から何まで教えていただいて」

「いえいえ、法律であまりわからないところは沢山あります。もし、何かありましたらいつでも電話をしてください」

「はい! それでは、失礼いたします」


 相談してきた女性は満足げに頷きながら挨拶をし、その場を去った。


 今日の予定を全て終えたなとエイデンは思いながら腕時計を見た。時間は十六時、外は寒く、おまけに徐々に暗くなり始めていた。


(今のところ、犯罪者の中からの弁護依頼とかもないし、今日は早めに帰れそうだな)


 エイデンはそう呟きながら今日のことを記録をし、何か他にミスをしていることはないかと何回も見返した。


「それじゃあ、お先に失礼するよ」

「はい。お疲れ様でした」

 

 エイデンは女性秘書にそう言うと、カバンを抱えてそのまま事務所に出た。駐車場に行き、車の鍵を開け、カバンを中に入れてから自分も車の中に入った。


 ふぅとため息を吐き、もう一台のスマホを見た。


(今日だよな)


 エイデンはすぐに待ち合わせ場所を確認して車を走らせた。


 待ち合わせ場所に付き、相手に車の色と形、表札を送り、相手が来るのを待った。


 暇つぶしにコーヒーを口にしていると、窓からコンコンと叩かれる音が聞こえた。見ると、派手な格好をした女性がスマホをかざした。


 スマホの内容を見たエイデンはすぐに扉を開け、助手席に座るように言った。


 助手席に入りながら女性は笑顔で言った。


「おじさんこんにちは! 私。エミって言います!」

「あぁ、よろしく。私はエイデンだ。さぁ、早く行こう」


 エイデンはエミがシートベルトをしたことを確認をすると、すぐに車を走り出した。


「エイデンさんってお金持ちなんですか? 結構いい車みたいですけど」

「あぁ、お金持ちっていうより弁護士かなぁ」


 職業を言うと、女性は顔を輝かせた。


「弁護士! すごーい。でも、やばいんじゃないんですか? 女子高生とこんな姿を見られたら」


 エミは悪戯っぽく言った。


「女子高生か、大丈夫だ。肉体的なことはしない。ただ、一緒にいて、手伝って欲しいことをしてほしんだ」

「へぇ、それでいくら貰えるんですかぁ?」

「うーん、4万ドルでどうかな?」

「4万ドル! マジで!」

「あぁ。これで文句はないかな?」

「えぇ! もちろんだよ!」

「わかった。じゃあ、今から私の家に行くからね」

 

 エイデンはそういうと、黙ったまま車を走らせた。


「ふぅ。終わった」


 エイデンは一息付くと、目の前で血だらけで倒れてるエミの上半身を運び、そばにある包丁で人数分に切ると家の中で飼っているライオンと3匹のハイエナ、3メートルのアナコンダを呼び出した。


 しばらくして、家族が顔を出してきた。


「飯の時間だ」


 エイデンは餌となったエミの姿を見せると、その子たちは喜ぶかのように肉に食らいついた。


 血まみれの服を脱ぎ、シャワーを浴びて、私服に着替えた。グラスにワインを入れ、ソファに座るとテレビをつけた。


 ちょうどテレビにはニュースが流れていた。テレビにはニュースキャスターが次のニュースですと言うと横に一人の女性の写真が映し出された。


「先日行方不明になったエナ・スミスさんですが、今だに行方は見つかっておらず、捜査は難航しているそうです」


 エイデンはテレビを見つめながらワインを一口飲んだ。


(まだ見つかっていないとは……よかった。今のところ見つかられていないな)


 エイデンは安心し切ったように思った。


 両親が死んだのは事故ではない。エイデンが殺した。


 幼少期の頃は親が厳しくしつけたおかげで、何かと自由な時間が少なかった。おまけに友達なんていやしない。ただ勉強付の毎日だけ。


 そんな中ある日、猫が目の前に来た。猫は甘えるかのように体を擦りつけている。それを眺めていたエイデンは心の中で沸々と燃え上がっていた何かが切れた。気づいたら目の前にいる猫をちょうど近くにあった大きい石で潰していた。


 鈍い音と同時にあたりは血で真っ赤になった。その時、とても心がスカッとなった。すべて今まで感じたことがないほどの気持ちになった。


 バレたらやばいことは薄々わかっていたため、すぐにその場を退散。その日から見つけた猫や犬、ネズミを殺すことで鬱憤を腹していった。人を殺すことは何日かしたら慣れるとどこかで聞いたことがあるがとてもその通りだなと思った。だが、これはいつかバレるだろうと考えた。それにこの鬱憤の原因を消さなきゃならない。


 だから、殺そう。人間だって動物と同じもんだと思い、家の裏にあったナタで両親を殺害した。父親がタバコ好きであってとても感謝をしている。そうじゃあなければもっと他のことを考えた。夏というため、窓を開け、風で余ったタバコがそのままベットの近くまでいき、その布団について焼かれてしまったというオリジナだった。


 裾を地面の近くにし、その近くに吸った後の吸い殻を少しだけマッチ棒で付け、裾に当てると徐々に燃え始めた。マッチ棒に火をつけると布団につけた。


 布団が燃え始め、やがて両親のことも燃やし始めた。とても綺麗で、とても鮮やかな光景だった。持っていた新聞に火をつけ、それを地面に投げた。


 出口の近くまで行き、15分待った。おかげで徐々にリビングの方まで炎の匂いが来た。


 エイデンは駆け足で黒電話に駆け寄り、急いで電話をした。バケツにお風呂のお水を入れ、6回だけかけるとすぐに家をでた。


 あとは、大体説明がつくだろう。

 

 大人になった今でも、時々家出サイトから人を誘い、死ぬまで拷問をすると自分の子たちに分け与えたりもするが、薬品を使う際は絶対に食わせたりせずにスーパーに売っている肉などを食わせた。


「日曜日、楽しみだな」


 一体どんな人がいるのかを考えながら、エイデンはワインを飲み干すと横からハイエナの一匹が何かをくわて来た。


 見てみると、それはスマホだった。


「あぁ、これはうっかり。すまないなユージ。ありがとう」


 エイデンは血まみれになった口を拭きながらエミの携帯を受け取り、袋の中に入れるとハンマーで叩きつけて粉々にした。


「よしっ。これであとは綺麗に処分をするだけだ」


 エイデンはそう思いながらも、日曜日を楽しみにした。

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