青い鳥と 日記 〜コウタとディック 宣伝に来たよ〜! よかったら本編も読みに来てね! 〜
Yokoちー
0話 これ宣伝だから クライスのぼやき
星模様の帽子。煌めく装飾のガーランド。テーブルには色とりどりのキャンドルにフルーツの籠盛り。可愛い幻獣の置物を配置して準備は万端。音楽はーーーーそう、僕の得意なバイオリンでも披露しよう。
ここはとある星の大国の1つ。ホフムング王国。大厄災から1000年。人々が失われた文明を取り戻し始めた時代だ。
やぁ、突然、ごめん。
僕はクライス・エンデアベルト。主人公である辺境伯ディックの次男坊だ。
僕の生みの親、いや、肉親じゃない方さ。作者ってやつだ……。本編の構想はあるものの今、父上が我が儘三昧で筆が動かないってぼやいてるあの人。
日常から逃避するために企画ものにはまってって。あろうことか、企画のためにサイドストーリーを書き下ろしているんだ。馬鹿だよね〜。仕事の締め切り、どうするのかって。いや、まぁいい。
そういう訳で、主人公コウタと父上達がパーティを組んで冒険に出かけたんだ。あの作者、冒険者パーティーとご馳走パーティをかけようとプロットを立てるもんだから、2話くらいに収めるつもりが、目次を見ただろう? 全部で4話だ。しかも僕、一人だけ留守番なんて酷いだろう?
それにネタバレで申し訳ないけれど、結局時間と労力がかかりすぎてぶった斬りやがって。
ああ、キャラじゃない僕が出てしまった……。
まぁ、簡単にいうと、ここまででやーめたって暴挙に出たってこと。ただでさえ、宣伝ストーリーって企画にご迷惑だと思うのに、失礼なやつだよね?
あぁ、いいの、いいの、ネタバレ上等。引き返して貰っていいよ。どうせ僕なんて、たいした活躍ができないキャラだし、いつだって兄さんには敵わない二番手なんだから。留守番の恨みさ。
ただ、コウタはね、いじらしくって可愛いやつなんだ。麗しの見目っていうのもあるけどさ。
「兄ちゃ〜ん、だっこぉ」
なんて甘い声を出されちゃ、もう堪らない! 天使がさ、現実に降りてきたらあんな感じってくらい。小さい手をぎゅっと握りしめて、漆黒の瞳をキラキラと輝かせて。
大人顔負けの知識を披露したかと思えば、えっ?なんで?と思う常識を知らない。
まぁ、そんなやつだから、コウタに会うのはお勧めするけど。
あっ、いや、撤退でいい。アイツのファンってのは増やしたくないから。ただでさえ可愛いのにもふもふ連れてるし、しかも忘れた頃に増やしてるし。
そう、コウタは僕だけの天使でいい。
まぁ、そんなこんなで、僕はとうの昔にパーティの準備を終えて、みんなの帰りを待っているところなんだ。
ちっとも館に帰ってこないアイツらを懲らしめるためには、そもそもの作者の暴挙を阻止するのが一番。
でもね、一応、親の一人だから。企画者様、読者様、申し訳ありません。心より謝罪いたします。
こんな宣伝ストーリーですが、お心の深い皆様方、よかったら読んでやってください。そして図々しいですが、ご評価頂けたらありがたいです。
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