金属ガラスでできた焼却できる缶

 これは未来はこうなると言われたが、実際にそうなったわけではないので、燃やせる金属ガラスの缶が生産されたわけではない。

 当時出始めだった非結晶金属(便宜上金属ガラスと呼ぶ)の製造技術が向上して大量に安価に作れるようになったら缶詰も金属ガラスで作られ、火にくべると結晶化して体積が縮んで小さな破片になるからゴミがコンパクトになるっていう、今から30年くらい前から想定されていた未来予想図だったが、少し作れば高く売れる、お高く止まったアモルファス金属という扱いに安住することを選んでしまったという結末。

 素材系の技師ってのは意外に経済に明るく、自分の技術を安売りしてはいけないと考えたと思われる。そりゃひいこらひいこら言って買い叩かれる大量の金属ガラス作るより少し売れば高給のアモルファス金属作る方を選びますわな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る