忘れてしまった君との
@anemone_
第1話
目を開けると見知らぬ天井が見える ここはどこだろう。
白い服、白い帽子を被った若い女性が覗き込む。驚いた表情でどこかへ駆けつけて行った。パタパタと足音が響く。
ここはどこだろう。さっきの人は誰だろう。起きあがろうとも起き上がれない。全身が痺れるように痛い。時に頭はズキズキと痛みが暴れ狂っている。どうしようもないので目を閉じた。
数秒が経ちまたドタドタと足音が聞こえる。今度は二人、3人かな?「 さん! さん!」誰かの名前を呼ぶ声が聞こえる。うるさいなあ。 誰に向かって言っているのだろうかを確認するため目を見開いた。 医者のような人たちが俺の方を嬉しそうに見てる。
多分「 さん」とは俺だ。
そういえば俺の名前なんだっけ? これが記憶喪失って言うやつ?俺に起こるとは想像もしてなかった。なんで俺は記憶喪失になったのだろうか。それも思い出せない。
とりあえず俺は自分のことは思い出せないようだ。昔の記憶、俺は誰だったか、どんなやつだったかは全く思い出せない。だが病院はなんなのか、言葉、場所や物、世間一般的に皆知っているような物はすぐ思い出せるようだ。人はどうだろうと自分の記憶を描き漁った。
思い出せるのは花柄ワンピースを着た女性、、、誰だ? 名前も顔も俺とどう言う関係だったかも思い出せない。だが記憶喪失になってもなお思い出せるって言うことは俺にとってよほど重要だった人物ではないのか。
俺だけど俺じゃない感覚が気持ち悪くむず痒い。医者が何か話しているようだが頭に入ってこない。
もう疲れた。
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