クラスでいじめられっ子の陰キャ、転移先の異世界でチート能力を使って無双する
にと
第1話 不思議な魔法陣
「クソッ!!」手に持っていた鞄を放り投げる。
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蒼咲零はクラスのいじめられっ子だ。
高校デビューも果たせず、いつも教室の隅の席で本を読み耽っている。
顔、性格、体型、テストの点数。
何から何まで普通だったためにいじめられている。
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「いつまで耐えればいいんだよ...!もううんざりだ...」
「毎日毎日クラスの陽キャにパシリにされて...死にそうだってのに...」
学校に行きたくない。でも親に迷惑はかけられない。
そんな複雑な感情が駆け巡る。
「どうすりゃいいんだよ...」
泣きそうになりながら風呂にも入らずベッドに倒れ込む。
明日も憂鬱な日々が始まる...
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昼休みの初め頃、校舎裏に呼び出されてしまった。
「おい零、俺金がないんだけど、貸してくんね?ま、一生だけどw」
クラスの陽キャでもありいじめてくる張本人でもある、寸堂要だ。
「え...僕もお金ないよ...」
「知らねぇよ、さっさと財布よこせばいいだろうがッ!」
無理やり財布を奪われた。
「チッ、しけた金しかねぇな」
「かっ、返してよ!」
「喚くなw言われなくても返すよ、ホラw」
中身だけ抜き取られた財布が帰ってくる。
「じゃ、また貸してくれよ~」
膝から崩れ落ちる。
「数少ないバイト代が...」
小声でそう漏らす。イライラしてしょうがない。
心の内に気持ちを抑え込みながら、教室に戻った。
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だが、零にはその気持ちを安らげてくれる存在がいる。
クラスのマドンナ的存在、城間葵だ。
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「へ~!いいじゃん!」
会話を聞いているだけで心が安らいでいく感じがした。
ゴーン
終わりのチャイムが教室に響く。
それと同時にぶおんという変な音が教室中に響いた。
「何だこの音?」
「なんか揺れてるし、怖いよ」
「おい!床見ろ!!」
誰か叫ぶように言った言葉を聞いて下を向くと、そこにはアニメでしか見たことの無いような魔法陣らしきものが展開されていた。
「なんだよこれ!」
「何が起こるの?」
クラス中で困惑の声と心配の声が響き渡る。
「...。」
何故か俺は冷静だった。
この後に起こることが安易に想像できてしまったからだ。
はあ、なんで好都合のいいことが起こるのか。
ニヤリと笑う。
神様は俺をまだ見捨ててはいないようだ。
俺は''あっち''の世界で起こることを思い浮かべながら目を瞑った。
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