第22話
「なあ、悔しいとは思わんか」
一刀斎カエルが愛刀の(ゲコゲコ)
を振り回しながら、無自戒に
たずねた。
「何がだ」
「オレたちはいわば濡れ衣を着せられて
天の岩戸に閉じ込められたんだぞ」
「そうだ」
「だから、悔しい」と言ってるんだ」
「なるほど」
無自戒も内心、そう思っていた。
天の岩戸の中は、無自戒の心の中を
現すかのように相変わらず暗かった。
「なあ、復讐しないか」
「誰に」
「オレたちをここに閉じ込めたやつにだよ」
「誰かわかってるのか」
「イヤ」
カエルが力なく首を振った。
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