第3話
「ここは、どこだ」
半妖怪、無自戒正午は千年も
眠ったような、長い眠りから
目覚めると、瞼を凝らして
辺りを見渡した。
暗かった。
ただ、一筋の光の中に
異様な暗さだけが際立っていた。
「わからん、オレはどうしてこんなところに
いるんだ」
正午がそう呻き声を上げると、どこかから
地を這うような低い声が聴こえた。
「オマエの名は無自戒、無自戒正午。札付きの
半妖怪だ」
「オマエは誰だ」
「まあ、ドレミ王子とでも呼んでもらおうか」
「ふざけるな」
正午はアタマに来て、思わず感情的に
なって強い口調になってしまった。
「オマエは誰だ」
「そんなことはどうでもいい。ここは
天の岩戸。オマエはあるお方に
この洞窟に閉じ込められたんだ」
「あるお方って」
「それは言えん。言ったらオレの
クビが飛ぶからな」
そう言いながら、ドレミ王子が腰の
鞘から剣を抜いた。
剣が鈍色に発色するような光を放った。
「ただし、正午。オマエのクビは頂く。
オマエは懸賞金付きの極悪人だ」
ドレミ王子が正午に詰め寄って来た。
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