第192話  大筒げとっ!

休憩の中、吉川元春と盛山が話し合っていた。


「いかがお感じですか……盛山殿。」


「うむ……服部殿の力は確かに疑う余地はない……じゃが大筒を任せるとなるとのぅ……。」


「えぇ……彼らを疑う訳では御座らぬが、虎の子の大筒。手元に置きたい気持ちも捨てきれませんな……。いかがしたものか。」



「……しかしながら、元は浜松城攻略の為に残した三発の弾薬です。これを安土城攻略に使用出来る事になったのはかなりの好都合。それ故にやはり安土城の内情に詳しい服部殿に大筒を任せるのが最善であることも事実に御座いますな。」



「……うむ。久武の信用も深いものがある様じゃ……。ここは久武の策に乗るとするか……。」




◇◇




数刻の休憩の後に先程の軍議の続きが開始された。


「服部殿……信長の安土城の内部の間取りも把握されておるのか?」

立花宗茂が再度確認をする。



「はい……信長の居城・安土城は通常の城に在らず……その内部は五層七階に及ぶ豪華絢爛なもの御座います。他に類を見ない『天主』を持ちそれは威容を誇る城に御座います。ですが、それでも弱点はあるもの……。我らにお任せ下されば数発の弾丸によりこれを丸裸に出来ましょう!」


その安土城の威容に驚きを隠せな一同であったが、服部半蔵の力強い言葉に盛山を始め緒将は心が決まっていた。



「あい分かった……!久武の申し出の通り服部殿に大筒を託す事に致すっ!!」

「存分に力を振るって頂こう!」




「ははっっ!!お任せ下されっ!!」

服部半蔵一行と久武親信は深く頭を下げ、この任をしかと受け止めた。




「では、早速大筒の手入れに掛かりたいと存じまするっ。」



「うむ、お頼み申すっ!」



「はっ!」



こうして久武の策の通り、服部半蔵による大筒部隊が新しく編成された。

そして久武の兵達がこの大筒部隊の脇を固める事になる。



織田信長討伐の為の新しい連合軍がその姿を現し始めた。



徳川軍一万五千。

連合軍二万三千。



圧倒的権力者・織田信長に対し

長宗我部・毛利・大友・徳川連合軍がここに成る!!





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