幼馴染のカテキョが住み込みで勉強教えてるっ⁉︎てか…てかさ…暴走幼馴染をだれか止めて下さいなっ‼

猫の集会

ちょっと‼︎

 う〜ん…

 

 …わからない。

 

 トライアングルってほんっと複雑だ。

 

 見た目は、三角でしょ?

 …でもさ、一本の棒がさ三本繋がって…永遠無限ループなわけじゃん。

 

 出口が永遠にないわけよ…

 

 オレは一筆書きで永遠と三角をひたすらなぞり負の迷宮に迷い込んでいた。

 

 

 ザリザリザリザリザリザリ…

 

 …

 

「やばっ…何してんの?なんの儀式⁉︎」

 と、オレの背後からいきなり現れたのは…儀式友達の義姉子ぎしこ…なんて名前のやつはいない。

 

 幼馴染の愛莉だった。

 

「あ、愛莉あいりか」

「だれならよかった?由美香ゆみかさんがよかったかなぁ?」

 とオレの顔を覗き込む愛莉。

 

 …また由美香かよ。

 

 

 幼馴染の愛莉は、やたらと由美香を気にしている。

 

 由美香とは、オレのひとつ年上の義理の姉だ。

 

 とうさんが再婚したときに新しいおかあさんの娘が由美香だったのだ。

 

 

 そんな由美香もオレの幼馴染の愛莉をやたらと気にしている。

 

 

 二人は、表面上は仲良さげに見える。

 

 しかし…お互いバッチバチなのだ。

 

 

 それはなぜって…

 

 たぶん…愛莉のカテキョの先生のせいだろうと思われる。

 

 

 先生は、めっちゃカッコよくて頭もいいから愛莉も由美香もその先生をめぐってピリピリ状態なのだろう。

 

 そう、トライアングル状態…

 

 

 で…オレはトライアングルにすら入れないガヤ…

 

 

 えぇえぇ、除外されているオレですけどもね…でもその中に入りたいわけですよ。

 

 しかし…トライアングルは、どうやって台形にすれば良いですか?

 

 てか、三角に入れる余地はありますか?

 

 …

 

 ない?

 なら台形にって…

 

 台形じゃ…歪むな。

 やっぱ、ひし形がいいな…。

 

 …やっぱ、ひし形もどうかと思うな。

 

 

 そんな形…どうでもいいか。

 

 

「あ〜、もうこんな時間かぁ〜。先生きちゃう〜。身なりキチンと整えなきゃ〜♡」

 

 …

 

 愛莉は…何しにきたんっすか?ね?

 

 

 

「おまえ…アホか?」

「はぁ?なんでよ!」

「時間ってわかっててなんでうちに来た?」

 

 …

 

「…そ、それは…ほら!裕貴斗ゆきとが暇なんじゃないかなーって思って様子を見に…ね?」

「ヒマなのは、愛莉だろ…やっぱおまえアホ決定」

「はぁ?覚えておきなさい!わたしは、裕貴斗と同じ高校に入ってみせるんだから‼︎」

 

 …

 

「それいうならオレより上の学校言えよ…」

「あー…ね。じゃ、ほんと時間だから行くわ…。」

「おー」

 

 …なんだ?

 ほんと、なにするために来たんだか…?

 

 

 …

 

 で、愛莉よりソワソワしてるのがオレの姉ちゃんだ。

 

 まぁ、義理の姉だけど。

 

 オレの部屋に入ってきては、カーテンをめくり愛莉のカテキョを眺めてたまにこっそり手をフリフリしている。

 

 …

 

 この部屋…愛莉の部屋がよく見えるんだよな…

 

 だからってねーちゃん…

 オレの部屋入ってくるなや…

 

 …

 

 

 実は愛莉のカテキョと姉ちゃんは、付き合っている。

 

 でも、それを愛莉は…知らないのだろう。

 

 …

 

「ねーちゃんさー…、この後彼氏と会うんだろ?ならそんときイチャイチャすりゃいいじゃん。オレ一応勉強中だからさ」

 

「あ〜、なに?ヤキモチかなぁ?裕貴ちゃんは、ヤキモチ妬いたかなぁ?」

 とオレのほっぺをむにーっとしてきた。

 

 

 …

 

「やめれ…」

「はいはい。なら、出ていきますよ。あー、早くカテキョ終わらないかなぁ♡」

 

 うっとりしながらオレの部屋を出ていくねーちゃん…

 

 まったく…どいつもこいつも。

 

 …

 

 そしてオレはまたトライアングルをなぞり、ぐるぐるぐるぐるするのでありました。

 

 

 

 とある休日

 

 オレはやっぱり机に向かっていた。

 

 あ、今日は真面目にお勉強しております。

 

 

 えっとー…ここがこうで…で?で、どうなんだっけ?

 

 シャーペンの芯をノートに優しくトントンしながら考えた…

 

 …

 

 あれ?

 わかんねー…

 

 

 仕方ない…

 

 

 

 実はねーちゃんは、頭がいい。

 なので仕方なくねーちゃんにどうしても解けない問題を教わることにした。

 

 

 …やっぱりわかりやすいわー。

 

 あっという間に問題解決。

 

 

 これくらい恋の解決もしてくれたらなー…

 

 

 …

 

 

 なんとか難問をクリアして部屋に戻り違う問題を再開した。

 

 

 で、数分後…

 

 姉襲来…

 

「どう?他にもわからない問題ある?おねえさんが教えて差し上げてよ?」

 

 長い髪をかきあげながらセクシーポーズをとる姉…

 

 ねーちゃんは、見た目はめっちゃ軽そうなんだよなー…。でも、頭がいいってギャップは、すごいと思う。

 

 

「…ねーちゃん、今は大丈夫っす」

「そ?ならわからない時は、いつでも聞きなよ?遠慮とかいらないからね?」

「あー、うん。ありがとう」

「はーい」

 といい姉は部屋を出た。

 

 面倒見のいい姉だ。

 しかし、たまにオレをお子ちゃま扱いするのは、やめていただきたいものだ。

 

 

 で、そんなねーちゃん以上にオレの部屋に入ってくるのは、愛莉だ。

 

 

「ねー、さっき由美香さん部屋にいたでしょ?」

「あー、うん」

「へー…。ま、わたしには先生がいるからぁ♡それじゃあ、先生がわたしのお部屋に来るからバァイ」

 と、また無意味にやってきては、帰る愛莉…

 

 ほんとヒマ人だな…。

 

 

 そんな日々を送り、勉強していると姉がたまに入ってきてオレに勉強を教えてくれていた。

 

 

「いつも思うけど、わたしこっちに座った方が勉強教えやすいんだわ」

 と、教えてもらう配置がかわった。

 

 そんなある日…

 

 愛莉のカテキョが終わるとカテキョと姉は、デートに向かう。で、その前にオレは一問教えてもらった。

 

 

 あー、問題解けてよかったーと一息ついてると…

 

 いきなりオレの前に現れたのは愛莉…

 

 

 バンっと思いきりドアが開いた。

 

 ⁉︎

 

 びっくりしたー…

 

「なんだよ愛莉…ノックくらいしてよ」

「そ…そんな…ノックとか…してる…場合じゃ…っ…」

 

 ⁉︎

 

 愛莉?

 

「どうした?なんで泣いてんだよ」

「だって…だって…」

「ん?どうした?」

 

 愛莉がこんなに泣くのは珍しい。

 

「見ちゃった…のっ…」

「なにを?まさか…まさかっ⁉︎」

「ふぅんっ…そ、そう…まさかのアレを…ねっ…」

 

 ‼︎

 

「マジか‼︎それは怖かったな。今からお祓い行くか?」

「え?」

「だって…出たんだろ?どこで見た?」

「…え?ちーがう!お化けじゃないっ‼︎」

 

 あー、そうなんだ。

 なら、なにを見てこんなに泣いているんだ?

 

 

「なら…何を見たの?」

 

 …しばらく沈黙の後愛莉は、

「キス…キスしてるとこ…みたよ…」

 と話してくれた。

 

 あー…、いつかバレると思っていたけど…こんなに早くにバレるとはね…。

 

 ま、時間の問題だったよね。

 

 ねーちゃんとカテキョ。

 

 愛莉カテキョのことそんなに好きだったんだな…。

 

「見たんだ…」

「うんっ…やっぱりそうだったんだ?」

「あー…、まぁねー」

「なんで?」

「なんでって…そんなこと言われても」

「いつから付き合ってた?」

「うーん…オレもはじめは知らなくてさ。いつのまにかって感じだったよね」

 

「やだ‼︎」

 

 えぇー…

 そんなこと言われてもなー…

 

「今は…無理っぽくない?」

 あの二人…ラブラブだし…なー…。

 

「なら、待ってればまた戻ってくるの?」

 

 …どうでしょう

 

「はじめは…だって…由美香さんが来るまでは…わたしだけを見てくれてたじゃんっ!」

 

 そうなんだ?

 

 てか、カテキョはじめるようになってから交際開始したのかな?

 

 …当人じゃないとわからないな。

 

「あのー…オレあんまり知らなくて」

「そっ……そうなんだ?いつのまにかなんだ?」

「だね…」

「わたしは…さ…頭悪いしセクシーさがないからダメなのっ…?」

 

 泣きながらそんな…オレに言われてもなー…。

 

「まぁ、愛莉も愛莉でいいと思うよ?オレはさ。」

「じゃあ、なんで由美香さんを選んだの?わたしでもいいよね?ね?ねーぇっ⁇」

 

 えー…

 まぁ…オレは愛莉一択だけどさ…

 

 そんな…オレに迫られてもなー…。

 

 

「愛莉…」

「んっ?な…なに?」

「愛莉は…かわいいし、ほら…他にも男ってたくさんいる…っていったらあれだけど…ね?その…言ってる意味わかるよね?」

「わかんない‼︎そんなのわかりたくもない‼︎やだ‼︎」

 

 …愛莉は、頑なだ…。

 

 オレがいるじゃんって言ってもなー…。先生がいいって言われるのわかってるしなー…。

 

 困ったな…。

 

 それにこれから勉強どうするんだろ…

 

 先生かえてもらうのかな…

 

 

「裕貴斗はさ、裕貴斗は…わたしが勉強教えるから‼︎わたし頑張るから…だから…だからっ…」

 

 え?

 なぜオレの勉強の話?

 

「あのー…」

「大丈夫。わたし最近成績いいし、それにほらっ」

 

 愛莉は、いきなり髪を解いてジャンパーを脱いでセクシーワンピースになった。

 

 ⁇

 

「愛莉?」

「ダメ?わたし…こんなんじゃ勝てない⁉︎」

 

 …えー、それは…なんていうか…

 

「愛莉さ…ねーちゃんと張り合うのはいいけど…そんなことしてもさ…あの…」

「なに?こんなんじゃ敵わないって思ってるんだ?ならもっと脱げばいいの?そしたら、そしたらいいんだ?」

 と言いながらワンピースを脱ごうとしているじゃありませんかっ。

 

 ‼︎

 

「ちょっ…愛莉!ダメだよ!もっと自分を大切にしなよ?ね?」

 

 …

 

「大切ってなに?大切な人奪われて…そんな自分を大切になんてできないよ…」

 

 と、また泣き出してしまったじゃないか…

 

 よっぽど好きだったんじゃん…

 

 …

 

「奪われたっていうか…さ…」

「奪ってるじゃん。今までわたしといつも一緒で二人きりだったのに…いつのまにか由美香さんが入ってきていつも三人になってさ」

 

 

 え?

 姉貴…カテキョに混ざって勉強教えてたの?

 

 最近オレの部屋からおててフリフリしないと思ってたら…愛莉の部屋まで乗り込んで三人で勉強してたの?

 

 何してんだよ…ねーちゃん。

 

「まぁ…それは、さすがにやりすぎ…かもな…」

「でしょ?わたしは…わたしは…二人がよかった‼︎ずっと二人でいたかった!同じ家に住んでセクシーふりまくなんてずるい‼︎」

 なんて言い出しました…。

 

 なんて?

 同じ家?

 

 ねーちゃん…住み込みで居座ってんの?

 てか、カテキョも住み込み⁇

 

 何?ひたすら勉強漬け⁉︎

 

 

「愛莉…そんなに勉強頑張ってんの?」

「あたりまえ…。同じ高校どうしても入りたかったし…」

 

 カテキョもオレたちが受ける高校と同じ高校出身…なのかな?

 

 そんなに執着してんのか…

 

 

 てか、ねーちゃん‼︎住み込みはねーだろ。家隣なんだから帰ってこいよ…って…あれ?

 ねーちゃん夜とか普通に家にいたよな?夜抜け出して愛莉んち行ってたとか?

 

 彼氏…信用されてないのか?ってか、愛莉に取られそうって姉貴勘づいて徹夜でマークしてたのか?

 

 …まぁ、姉貴が監視してくれててよかったわ…。

 

 ある意味…ほんとよかったけどさ…

 

 

「愛莉さ…そこまで勉強頑張らなくても…ちゃんと寝る時間あるの?」

「あるよ。平均睡眠七時間」

 あー、そこそこあるな…。

 

 なら、住み込みしなくても良くない?

 

「そもそも…なんで住み込みなの?」

「知らないよ!てか、住み込みじゃなくて家族でしょ?あ、家族ってそもそも結婚できるの⁉︎」

 

 ⁉︎

 家族⁇

 

「えっ?カテキョって…家族なの?愛莉おにいさんいたの⁉︎」

「は?何カテキョって?おにいさん?」

 

 …

 

「え?」

「ん?」

 

 …

 

「住み込みの先生のこと。」

「え?もしかして裕貴斗と由美香さん…同じ部屋で、寝てるの⁉︎勉強教えてもらう名目で?」

「え?同じ部屋…?」

「うん、今…裕貴斗そう言ったよね?裕貴斗のお母さんに言いつけるよ…そんな…そんな一緒に寝るとか…」

 

「え?待って待って」

「いや、待たない‼︎変態裕貴斗‼︎」

 

 ⁇

 

「オレ…姉貴と寝てねーし‼︎」

「嘘つき‼︎住み込みって言ったじゃん」

「住み込みは…愛莉のカテキョでしょ?」

「え?カテキョは、すぐに終わったらるんるんで帰るよ?」

 

 …

 

 え?

 なんの話してるの?オレたちは⁇

 

 

「愛莉ってなんで泣いてたの?」

「キス…してるの見たから。」

「…それって、カテキョと…姉ちゃんでしょ?」

 

「違う‼︎裕貴斗と由美香さんっ‼︎」

 

「はっ⁉︎なんでオレとねーちゃん⁉︎」

 

「さっき…部屋から見えた。由美香さんが裕貴斗とキスしてるの…」

 

 …

 

「愛莉、ここ立って」

 オレは自分の机の椅子に座った。

 

「これ、見て」

 

 オレがノートを指差すと愛莉は、その指めがけて覗き込んだ。

 

 

 あー…

 

 わかった。

 

 

 このアングルなら…少し離れたところから見たらキスしてるように見えなくもない…な。

 

 

 ‼︎

 

 愛莉⁉︎

 

 もしかして…愛莉って…カテキョじゃなくてオレの事好きなんじゃね⁉︎

 

 今まで…わざとヤキモチ妬かせようとカテキョ〜♡ってやってた…⁇

 じゃあ、オレの為に泣いてたの⁇

 

 ねーちゃんとキスをオレがしたって⁇

 

 …

 

 

 

「ねー、この問題が何?」

 愛莉がオレを見た。

 

 ちかっ!

 

 ばっとお互い離れた。

 

 

「愛莉さ…、勘違いしてるわ」

「えっ?」

「だって…ほら、もっかいこれ見て」

 

 また覗き込む愛莉。

 

 で、オレはすかさず愛莉にチュッとした。

 

 

「え?」

 

「オレさ、姉ちゃんに勉強教えてもらってたんだけど…キスしてるようなアングルに愛莉は、見えただけなんだわ。オレ…ねーちゃんと付き合ってねーし。てか、ねーちゃん愛莉のカテキョと付き合ってるよ。」

「はっ?そ…そうなの?」

 

 …

 

「うん。あー、愛莉…父ちゃんが再婚してからずっとヤキモキしてたんだな。ごめんな…気づかなくて…。てか、そんな前からオレの事好きだったんだぁ?」

 と、にやけるオレに愛莉は、

「そうだよっ‼︎そうだよ‼︎悪い⁉︎」

 って言いながらもオレに抱きつく愛莉。

 

「んもー、かわいいなぁ」

 と言いながらオレは愛莉に愛情たっぷりのキスをした♡

 

 

「愛莉には、オレの部屋に住み込みでずっといてもらいたいわ」

「ふふ、わたしもそうしたいな♡」

 

 

 

 チュ〜♡

 

 

 

 

 おしまい。

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