気が付いたら異世界 何の説明もチートも無く異世界に送られたので自分なりの幸せを見つけたいと思います。

なもべ

第1話 プロローグ

 みなさんは朝起きて布団がいつもと違ったらどうだろう?スマホもない。着ている服も違う。やけに体が小さいというより小さすぎる。そもそも家の作りが違う。

俺が取った行動はここがどこか確認するために急いで外に出ることだった。


「これは夢か?」


 まず最初に出たのはそんな疑問だった。

視界に映ったのは家とは言えない木造のボロ小屋が並んだ通りで俺がとびだしてきた家もそんな小屋の1つだった。 

 近くに台風の1発 いやただの風でも致命的なダメージを受けるだろう。

まずここは日本ではない。

では何だというのだ?


 やはりこれは夢というのが正しいのではないか?


「いたい」


試しに頬を叩いてみたが、痛みはあった。

夢というわけでは無さそうだ。

声が高くなっている

幼くなっている


もう一度あたりを見わたそう。

ここはスラム街といったところか?

奥の方には中世ヨーロッパにも似た街並みが

続いていた。

そこから距離を置かれていて目に見える設備がなにもない

ここはスラム街で間違い無さそうだ。

 

うーん 


もしかしてここは異世界とか?


いや確かに俺こと田中日向は小さい頃に母を亡くし、親父と2人で暮らしている高校2年生なのだが学校に行くのも退屈で、楽しみといえば部屋に篭って好きな小説や漫画、アニメなどをみることだけだった。

そんな中でも異世界ファンタジーには心惹かれるものがあった。

かっこいい魔法や

頼れる仲間

迫り来る脅威

そして努力し成長する主人公

そんな世界に憧れてはいた。


けどそれは死んでからだろう?

俺死んでないよ?

昨日ベッドに横になって寝ただけだよ?

お約束があるはずじゃんか!

神様にあって超特別な能力を貰うとか

それなりの身分に転生したりだとか 

勇者として呼び出されるとか

ゲームの中のキャラになるとか


ああこれから俺はどうしていけばいいんだ?

せめてここがどういう世界とかの説明が

ほしかったなー 

 

とかそんな事を考えていたら俺が出てきた

家(ぼろ小屋)から1人の少女が出てきた。

  その姿を見た瞬間に猛烈な頭痛が俺を襲った。

 なぜ頭痛になったかというと今の自分の体となっている少年の記憶が大量に流れ込んで

来て脳の処理が追いつかなくなったからだ。

 

知らない記憶を詰め込まれたというよりは思い出したという方が近いだろう。

記憶は統合され自分というのが分からなくなる。

短い間に大きな衝撃を受けた。

感情が追いつかない

ただ意識はしっかりしていて人格みたいなものはそのままの様だ。

俺の名前はどうやらルクスというらしい

そう呼ばれていた。

 

 そしてやっと痛みが引いたところで目の前の少女にむかって


「セシリア?」


と問いかけた。

 

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