那覇の家の近くに、ちっちゃな可愛いお菓子屋さんある。そこでちょっと変わったお菓子を買ってみた。そしたら...

ヤッキムン

プロローグ~4つの扉

わたしは、那覇の中学2年生。


ちっちゃな頃から、女の子みたいなわたし。

学校でも、まわりのみんなから、女子のように思われている。

でも、わたしは、女子になりたいから、みんなからも女子に思われてて嬉しい。


家の近くに、ちっちゃなお菓子屋さんある。


そのお菓子屋さんで、たまに、日曜日とかに、お菓子を買う。


今日も、お店に入ったら、今まで見たことなかった、ちょっと変わったお菓子、置いてあった。


わたしは、そのお菓子をひとつ手に持って、お店のお姉さんのところに持って行った。


「あら?今日は、これなのねっ!」

って言って、お姉さんは、いつもよりも、ちょっと嬉しそう。


「390円ねっ!」

って、お姉さんに言われて、わたしは、お姉さんに


「はいっ!」

って、390円を渡す。


「サンキュー」

って、お姉さんは言いながら、お菓子をわたしに手渡してくれた。


「じゃあ、こちらから!」

って言って、お姉さんは、わたしの手を優しくギュッとにぎって、お店の奥まで、わたしを引っ張って行った。


お店の奥には、ピンクの扉と、黄色い扉と、紫の扉と、青い扉ある。


「ピンクの扉は、好きな場所に行けます。黄色い扉は、好きなあなたになれます。紫の扉は、好きな誰かに会えます。青い扉は、好きなものをもらえます」

って、お姉さん。


「どれにする?」


わたしは、黄色い扉を開けた。


「じゃあね!」

お姉さんに背中をポンッて押されて、わたしは、扉から外に出た。


いつもの見慣れた那覇の風景とは、なんだかちょっと違うように感じられた。


お菓子をパクッて食べた。

わたしは女子になってた。

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