お金が無いッ!外伝 声劇台本シリーズ

些名柄ぱんだ

アイン先生の冒険者授業 1話 来訪、結ぶ友情、そして裏の決意




これは自作小説「お金が無いッ!!人生迷子の少年、迷子のエルフと出会う」の外伝です。

トトスの村に住む冒険者見習い用の教官であるアインを主人公にした物語です。

声劇台本として使える様にしておりますので良かったらどうぞ。


このシリーズの台本を使って劇をするのは大丈夫なのですが、もし企画劇等に使いたい場合は私のツイッター等からご連絡をお願いします。

台本自体を書いたのが初めてなのでつたない所もあるでしょうが楽しんでいただけると幸いです。






声劇台本


アイン先生の冒険者授業 1話 来訪、結ぶ友情、そして裏の決意

20分くらいの台本です


アイン


冒険者学校の教官をしており28歳の男性。

童顔優男で冒険者としては器用貧乏。

メガネをかけており、栗色の髪をしている。

性格は八方美人。




ダイス


16歳の男の子。若干短絡的だが元気で優しい男の子。

冒険者見習いを目指す3人組のムードメーカー。

近接戦闘ができる様になりたい。




クレア


16歳の女の子。元気ではあるが基本的には落ち着いているしっかり者。

好奇心旺盛で食いしん坊。ややメン食い。姉がいる。

杖と魔法を使いたい。母は治癒ちゆ魔法を使えるので自分もと思っている。




ルージア


15歳の性別不明の子。大人しく、やや引っ込み思案。

自分に自信がない反面、二人の為に勉強をおこたらない努力家な面も。

弓と魔法を使いたい。視野が広い。




フレンザ



冒険者ギルドのえらい人。





役表


アイン 不問:


クレア 不問:


ダイス 不問:


ルージア、フレンザ 不問:



↓本編ここから

---------------------------------------------------------


アインM :

今日も冒険者ギルドに新しい子達がやってくる。  

 

生活を支えるために手に職を付ける人が多い中で、勉学を受けれずに冒険者になる子達は沢山いる。


初心者の冒険者見習いの子はおよそ4割程度が魔獣達に殺されてしまうのが現状で、冒険者ギルド本部は各支部へ冒険者見習いへの教官を付ける事にしたのだ。


俺こと、アイン・ベルガーは今日もニュービー達に冒険のいろはを教えるために、魔獣が人々を襲うこの時代を生徒達と生き抜くために、授業をしていこう。






ダイス :いやー、今日から俺達も冒険者見習いかぁ・・・どきどきするよな?



クレア :ね、私もどきどきするなぁ、昨日あんまり眠れなくって。



ルージア:わかる、ボクもレアと同じで全然眠れなかったよ。



ダイス :ルーはやる時はきちんとやれるのに自信が無いよなぁ。



クレア :そうよね、簡単だけど魔法も使えるし、何より弓矢なんて扱いが難しいのにきちんと当てられるし・・・もったいない。



ルージア:そんな事言ったって・・・自信なんて簡単に付かないよ。



ダイス :俺もレアもどこか抜けてるし、きっとルーが居ないとダメだと思うんだよなぁ、俺は。



クレア :そうね、私はともかくとしてダイは私達二人がいないとすーぐ突っ走りそう。



ダイス :ちょっ、せっかく3人で力を合わせてがんばろうって言おうと思ったのに速攻裏切るなよ~。



ルージア:ふふふ、二人とも仲良しだね。ボクだって二人を支えてあげたいし・・・頑張りたいな。



クレア :ルーってば本当純粋なんだから・・・。でもそこがルーの良い所よね。



ダイス :そだな、俺もそー思うっ。



ルージア:3人で頑張ろうね、ダイ、レア。



ダイス :おうよ!



クレア :もちろん!3人で冒険者になって沢山の景色を見るの、きっと楽しいわ。



ルージア:うんっ。ボクも楽しみだよー。







ダイス :ギルドに着いたぜ。まずはカウンターに向かわないと。



ルージア:わぁ、緊張してきた・・・どんな人がいるのかなぁ。



ダイス :まずは入ってみないとな!こんにちはー!



クレア :あれ・・・?あんまり人が居ないわね。朝だし依頼の更新目当てで沢山人がいると思ったのに。



アイン :おや、こんにちは。見ない顔だね?よそから来た冒険者さんかな?



ダイス :あ、こんにちは!いいえ、俺ら3人で冒険者の見習い登録に来たんです!



アイン :あはは、元気だね。見習い登録ってことは3人共、完全な初心者さんか。



クレア :そうなんです。私達、職人の弟子入りもできなかったので冒険者になろうと思って。



アイン :職人や商人はある程度の知識や技術が無いとなれないし、お金も必要だからね。事情はわかったよ。



ダイス :話が早くて助かります!



アイン :君は大丈夫かい?緊張しているのかな?



ルージア:え!?あ、はい・・・。その、緊張シテマス・・・。



アイン :初めて来る場所だからね、しょうがないさ。



ルージア:あ、ありがとうございます・・・。



アイン :オーケー、それじゃあ早速、登録をしようか。



クレア :よろしくお願いします。



ダイス :お願いします!



ルージア:お、お願いします・・・。







アイン :よし、身元証明は大丈夫だね。なるほど、クレアにダイスが16歳、ルージアは15歳なんだね。



ダイス :そうなんです、成人したは良いけど中々職人のアテが見つからなくて、実家の手伝いをしてたら1年も経っちゃって。



クレア :受付のお兄さんは何歳なんですか?見た目お若いですよね。



ルージア:ちょっ、レア、失礼だよ。



アイン :あはは、こう見えて28歳なんだ。・・・童顔って良く言われるから気にしてないよ。私の名前はアイン・ベルガー、よろしくね。



ダイス :え!?そうなの!?って・・・あ、すいません、年上なのについ口調がタメっぽくなっちゃって。



アイン :あはは、良いんだ良いんだ。職業上、若いニュービーさんと話す事が多くってね。話しやすい話し方でいいよ。



ダイス :そ、そう?じゃあ、改めてアインさん、よろしく!



クレア :よろしくお願いします!アインさん!。



ルージア:アインさん、よろしくお願いします。



クレア :そういえば冒険者ギルドの受付の人って女の人しか居ないのかと思ってました。



アイン :確かにそう思われがちかもね。実際、ギルドは受付を若い女の人がしている事が多いかな。



ダイス :そうなんだー。アインさんは何で男なのに受付をしてるんだ?



ルージア:じゅ、順応じゅんのう早いよー、ダイ。



クレア :ダイだし、仕方ないない。



ルージア:・・・羨ましい。



アイン :順応性の高さは、冒険者には必須なんだ。だからダイスは良い見習いになれるよ、きっと。



ダイス :まじか!!それなら見習いどころか本職になるぜー、俺は!



クレア :私もなるけどね、負けないんだから。



ルージア:ぼ、ボクも頑張って二人のサポートをするよ。



アイン :仲が良くていいね。男性の私が受付をやっているのは、私が冒険者見習いの教官だからなんだよ。



3人  :ええええっ!?



ダイス :ちょ!?冒険者になるのだって大変だってのに教官!?



クレア :教官って40歳くらいからが当たり前って聞くわよ!!?せ、先生28歳って言ってたわよね!?



ルージア:と、というか、教官って冒険者ランクが三ツ星にならないとなれないって聞いたような・・・。



ダイ、レア:三ツ星ィ!!!??



ルージア:えっ、二人とも知らなかったの!?



アイン :あ、あははは・・・3人とも落ち着いて。



ダイス :三ツ星って、100人も居ないって聞くぜ!?しかもなんか、すげぇ難しいクエストクリアしないとなれないだろ!!?



クレア :ランククエストって奴よ、確か!!ものすっっっごい難しくて、パパが内容聞いただけで吐きそうになったって言ってたわ!!!



ルージア:しかも、三ツ星に上がるためには士職を4つ持ってないとなれないんだよ、二人とも・・・。



ダイ、レア:ええええええええええええええええ!!!?



ダイス :アイン・・・あんた一体何者なんだ・・・?



クレア :ちょっと、さん付け忘れてるわよ・・・。



ルージア:そもそも、それだけのランクに行った冒険者の方が何でこんな地方の冒険者ギルドに居るんですか?普通に現役でやれてる歳ですし・・・。



アイン :あははは。私にも色々とあってね。でも、三ツ星だからこそ色々な事を教えてあげられる。だから私はここに居るんだ。



ダイス :すごすぎてもはや何も言えねぇ。



クレア :でも、アインに冒険の事を教えてもらえれば私達、きっと沢山の事が学べるわよ!これはチャンスかも!



ルージア:二人でさん付け忘れてるってば・・・。でも、ボクもアイン先生に冒険のいろはを教わるのは賛成かな。優しいし・・・。



アイン :3人が良ければ、冒険をする上で大切な事を教えていきたいな。



ダイス :この上なく好物件を手にしてるわけだしじゃんじゃん教えてもらおうぜ!



クレア :そうね。私もせっかくなら優しいイケメンの先生に教えて欲しいし。



ルージア:レア、動機が不純だよ・・・。



ダイス :ったく、女ってのはこれだからよー。



クレア :あら?いてるの?ぷぷぷ。



ダイス :あぁ!?そ、そんなわけないだろ!



ルージア:あーもう二人とも、先生の前で喧嘩なんてしないでよう・・・!



アイン :ふ、ふふ、ははははははははっ。



ダイス :え?ど、どうしたんだよアイン。



クレア :わ、私達何か変だった?



ルージア:え、えーっと・・・先生?



アイン :いいや、初心者時代を思い出してね。つい懐かしくって。



ダイス :そういやアインにもニュービーの時があったんだよな。どんなだったんだ?



クレア :私も気になる!教えてよアイン!



ルージア:ぼ、ボクも知りたいです。教えてくれませんか・・・?



アイン :いいよいいよ。あ、でも登録が完了してからかなぁ、もうすぐお昼時だから登録を済ませてご飯を食べてきてからにしようか。



ダイス :そうだな!俺も腹減ったし登録を済ませてとっとと飯にしようぜ!



クレア :そうね!お昼ははぐれ豚の隠れ家亭でお肉料理を食べましょ!!



ルージア:もう!2人ともご飯ってなったら目の色変わるんだから・・・。じゃあ、すいません先生、登録の続きをお願いします。



アイン :了解したよ。3人の使う武器を教えてくれるかな?見習いから始まるから指導傾向なんかもきちんと資料として作らなくちゃいけないんだ。



ダイス :うへ、すげぇ大変そうだな・・・。俺は両手剣を使おうと思ってる、斧でもいいけど、両手剣のがかっこいいからな!



クレア :私は杖と魔法、予定かな。母さんが治癒魔法を使えるから私も使えるだろうって言ってたし。杖を使うから槍術そうじゅつなんかも学びたいわね。



ルージア:ボクは魔法と弓の予定です。父さんが昔、害獣がいじゅう退治用に弓を習ってたって言ってたから僕も興味があって・・・。それに、魔獣の目の前に出て戦うなんてとても・・・。



ダイス :苦手な事を無理してやる必要はねーだろ。クレアもルーも俺が守るから安心しろって、な?



クレア :ダイが言っても安心できる気がしないのよねぇ・・・。でもまぁ、知らない人と一緒に冒険するよりかはずっと楽しいわ、きっと。



ダイス :おいレア、それって褒めてるのか?



クレア :褒めたつもりだけど?



ルージア:もう、二人ともいっつもそんな感じなんだから・・・でも、ありがとうね。



ダイス :気にすんなって。



クレア :気にしないでいいわ、ルーはいっつも気にしいなんだから。



アイン :ふふふ、3人の息ピッタリな所はもうまるで熟年の冒険者みたいだね。



ダイス :任せてくれ、俺ら3人とも一流の冒険者になるからさ。



アイン :期待してるよ。じゃあ明日からはそれぞれの武器や魔法の指導、それから性格や判断力のテストもするからそのつもりで居てね。



クレア :えぇ、よろしくお願いしますっ、先生。



ダイス :おう、頼んだぜ、先生!



ルージア:よろしくお願いしますね、アイン先生。












フレンザ:行ったか。



アイン :あ、フレンザさん。



フレンザ:元気で良い子達じゃないか、教え甲斐がありそうだな。



アイン :えぇ、そうですね。若い頃の俺達に似ています。



フレンザ:そうだな。あの頃のお前達を見ている様だったよ、懐かしいな。



アイン :そう思います。



フレンザ:あの良い子達が傷つかずに済むよう、しっかり教えてやってくれ。



アイン :えぇ、わかっています。俺もあの子達みたいなひたむきな良い子達が傷つくのは嫌ですから。



フレンザ:本当にそうだな。



アイン :えぇ、本当に。












ダイス :ただいまー。



クレア :アインー、居るー?



ルージア:先生、戻りましたー。



アイン :やあ3人とも、おかえり。



ダイス :いやー、腹一杯だぜー。



クレア :そうね、動くのもしんどいわー。本当、おいしかった。



アイン :あそこのお肉料理は絶品だからね。私もたまに行くよ。



ルージア:美味しいですよね、あのお店。レアがいつも沢山食べるので顔も覚えられてしまいました。



クレア :ちょっとルー!アインの前で変な事言わないでっ!



ルージア:あっ!ご、ごめん、レア・・・。



ダイス :ま、昔から居る俺達はもう慣れっこだからなー。食いしん坊クレアはもう通り名だろー?



クレア :ちょっとダイ・・・?アンタもいい加減にしないとシメるわよ・・・?



ダイス :す、すまんっ、冗談だからそんなオーガみたいな形相でにらまないでくれっ・・・。



クレア :うふふふふふふふふ・・・。



ダイス :す、すいませんでした・・・。



ルージア:全くもう・・・。



アイン :あははは、楽しそうで何よりだ。あ、昔話の前に少し冒険者見習いの事について話しておきたいんだ。いいかな?



ルージア:はい。明日から授業なので、色々と知っておきたいですし、お願いします。



クレア :そうね、私も知りたいわ。



ダイス :俺も俺もー。



アイン :うん、じゃあ先ずは冒険者になるために必要な事を話そうか。



3人  :はい、お願いします。



アイン :先ず、冒険者になるには、見習い登録をしてから1年間の下積みをしなくてはならない。これはもう知っているね。



ルージア:はい、大丈夫です。



アイン :よろしい。何故かと言えば、ニュービーの死亡率は4割とされていて、冒険者を目指す過程で死んでしまう見習いはとても多いんだ。だから、下積みの時間がとても大事だとされている。



ルージア:・・・とても大きい数字ですよね。



アイン :そうだね、下積みが重要と言われるのも、一年間もの時間を要するのも、その為だ。



クレア :大変なんでしょうね、きっと。でも、せっかくやるなら楽しんでやりたいわ。



ダイス :それは俺も賛成だな!



アイン :良いね。楽しんだり、望んでやった方が間違いなく身に着くはずだよ。っと、話を進めるね。下積みをするに当たって、冒険者になるために必要な技術を収めて就学しゅうがくしていかなければならない。



ダイス :確か、討伐者、採取者、記録者、調者ちょうしゃ、調教者について勉強しなきゃいけないんだろ?



アイン :そう。下積みをして1年後にその内の2つの試験を合格すれば暫定ざんてい的には冒険者になれる。



ルージア:5つの内、討伐者は必須科目であとはどれか1つを納めないといけないんですよね。更に、優秀な成績を収めると科目の後ろに士がついて、はくが付くって聞きました。



アイン :良く調べてるね。それら5つを士職って言うんだ。ちなみに討伐者だけ討伐士じゃなくて討滅とうめつ士なんだけどね。



ダイス :士職ってなるのはどれくらい難しいんだ?ルーは知ってるのか?



ルージア:えっと・・・筆記テストとか、実技とかやるみたいなんだけど。9割以上は点取ったりしないと、なれないみたいだよ。



ダイス :うげ、筆記なんてあるのか・・・。実技ならともかく筆記テストなんて俺、絶対苦手なやつだ・・・。



クレア :ルーも私も勉強熱心だし、誰かさんと違って士職になっちゃうかもね。



ダイス :ぐっ・・・。そういうレアこそどんな勉強すればいいのかとか、知ってるのか?



クレア :う・・・知らないわ。



ダイス :お揃い、だな?



クレア :ぶー。



ルージア:ふふふ。ボクは頭脳労働も嫌いじゃないし、二人が不得意な事をやれば穴埋めもできるから良いかなぁって。



アイン :良いね、パーティー内で担当を分けて行動する事はとても大事なんだ。だから二人も頼ったり頼られたりを当たり前に出来る様になろうね。



ダイ、レア:はーい、先生ー。



アイン :よろしい、ちなみにパーティー内では討伐者は必須としても、調者、記録者の試験突破者が居ないと冒険者としてパーティーは組めないんだ。試験を突破しても、パーティーを組む権利があるだけで冒険者としての活動はできないんだよ。



ダイス :えぇ!?そうなのか!!?



アイン :うん、そうなんだ。調者は冒険した場所に出没する魔獣や場所自体を調べたり冒険について有益な事を考察したりと調査する事ができるからとても重要な役割なんだよ。



ルージア:そして記録者はそれらの情報を正しく保存してしかるべきギルドへ提出する。とっても大事なんだよ?二人とも。



ダイス :うげ、めんどうくさ・・・ルー、任せた。



クレア :私は調べる方が苦手かも・・・覚えるのは得意だけど、調べながら覚えるなんてとても無理だわ。



アイン :ここでも役割を分けるのがとても重要だよ。よく相談してね。



ダイス :それの全部が出来るってアインってすごすぎだろ・・・本当何者だよー。



アイン :私も初めは2つしか持ってなかったんだけどね。色々見習いで勉強していく内にたくさんの事が出来る様になったんだ。



クレア :そうよ!私達、アインの事を聞きに来たんじゃないっ。ねーアイン、そろそろ教えてよー。



ダイス :あ、俺も聞きたい、教えてくれよアイン。



ルージア:ボクも知りたいです、アイン先生。



アイン :良いけど、討伐者と採取者と調教者の事はいいのかい?



ダイス :休憩も大事だって!なー?レア。



クレア :そうそう、仕事だけじゃなくって休憩も同じくらいないと疲れちゃうもの。



ルージア:わからない所は後でボクが二人に教えておきますよ、先生。



アイン :そうか、わかったよ。そうだなぁ・・・私も昔は3人組の冒険者見習いだったんだ。



クレア :へー!そうなんだ!



ダイス :男は先生1人だったのか?



アイン :ううん、私の他に幼馴染の男性が1人と同じ幼馴染の女性が1人居て、3人でよく冒険者活動をしたんだ。



ダイス :似たような感じだったんだっけ?



アイン :そうだね。男がアレス、女がリリィって言ってね、昔は教官がギルドに居なかったからそりゃあ無茶をしたもんだよ。いっつも、3人で死にかけたり無茶をして傷ついたりと、大変な冒険をしたけど・・・楽しかったなぁ。



ルージア:先生・・・。



クレア :えっと・・・アイン・・・もしかして、その二人は・・・。



ダイス :おい、お前ら、やめろよ・・・。



アイン :あっ!いや、ううんっ。今も生きてるよ、二人とも。



ルージア:そ、そうですか・・・良かったぁ。



クレア :ほっとした・・・ちょっとアイン、思わせぶりな空気出さないでよ。



アイン :ごめんごめん。本当に懐かしくなってさ。



ダイス :その二人とは今は会ってないのか・・・?



アイン :うん、長らく会ってないなぁ。きっと、今でも二人は世界のどこかで冒険をしていると思うよ。



ルージア:あの・・・先生はどうしてお二人と今一緒に冒険をされてないんですか?



クレア :ちょっと、珍しく突っ込んだ事聞くわね、ルー。どうしたのよ?



ルージア:ボクは・・・いつまでも二人と一緒に居たいと思ってるんだ。ボクみたいな奴でも一緒に居てくれる。友達だし、宝物なんだ・・・。だから、先生のお話を聞いてみたくて。



ダイス :ちょ!照れるだろ・・・俺だって・・・そうだよ、同じだ。



クレア :わ、私だって同じ気持ちよ。ダイは馬鹿でたまにコイツって思う事もあるけど、二人共、大事な友達で仲間よ。



アイン :ふふふ、3人とも、ありがとうね。ある事情から、二人とは道を分かつ事になったんだ。でも、今も昔も変わる事なく俺達3人は大事な仲間なんだ・・・、俺も昔の気持ちを思い出せて嬉しかったよ。



ダイス :お?今アイン、自分の事を俺って言ったぜ。



クレア :そうね。・・・昔は仲間内では自分の事を俺って言ってたの?



ルージア:俺っていう先生も良いと思いますっ。



アイン :あはは、参ったな・・・。そうなんだ、実は昔は自分の事、俺って言ってたんだ。童顔だから、俺っていうと余計に若く見られちゃうしね。



クレア :どっちのアインも素敵だと思うわ、私達、アインともっと仲良くしたいし、好きな方を使ってよ。



ダイス :そうだな!俺ら、先生と生徒だけど友達じゃいけないなんて事も無いと思う!友達になろうぜ!!



アイン :ダイス、レア・・・ありがとう。俺も友達になってくれると嬉しい。



ダイス :おうよ!水臭いぜ!アイン!!



アイン :あははは、なら、友達になったからには遠慮なく指導するからな?ダイ。



ダイス :げぇ!?い、いいぜ!!俺の根性みせてやらぁ!!!



クレア :ぷぷぷぷぷ、墓穴掘ったわね、ダイ。改めてよろしくね!アイン!!!



ルージア:ボクも先生ともっと仲良くなって沢山の事を教わりたいです。よろしくお願いしますね、アイン先生。



アイン :あぁ、よろしくな、3人とも。








アインM :初心者の冒険者見習いが死亡する確率は4割を超えるという。彼らが死なない様に、彼らのこの先の未来に待ち受ける苦難を、自分自身の手で跳ねのけられる様に、大事な事をたくさんたくさん、教えていこう。






気が向いた時に続きを書きます。

ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。

これは自作小説「お金が無いッ!!人生迷子の少年、迷子のエルフと出会う」の外伝です。

良かったら本編も合わせて楽しんでいただけると幸いです。


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