好きで好きでたまらない
しおあじ
第1話 再会✩
「んっ・・・・はぁ、」
自分の部屋でズボンのチャックを下ろしたあとに、痛いくらいに固くなったそこの先っぽから垂れ流れてくる汁を右手で根もとまでゆっくりと音を立てながら擦り付けていた。
(・・・ぬちゃぬちゃ音がする)
ベッドに座ってしているから、もし誰かが部屋に入ってきてもすぐに布団で隠せる。
「っ・・・あ、あっ・・もっと、もっとトロトロにして」
枕を腰に持ってきてクッション代わりにして壁にもたれて、膝は立ててそのまま両足を広げ布団を被せていれば、誰かがドアから顔を出して覗いてきたとしても僕が何をしてるかまでははっきり分からない。
なんならついでに手が届くとこに本も置いているから読書してたとかいい加減なこと言ったとしても問題はない。
(気持ちい・・・・だんだん先っぽからたくさんトロトロ増えてきた)
右手で握ってなかったらお腹にぺったりはりつきそうなくらいにそそり勃っている僕のそこは人と比べて多分少し大きい。
今日は学校が終わってから帰宅してすぐに我慢できずにズボンに手を伸ばしていた。
「こうたくん・・・あっ・・・やだ、ぐちょぐちょしちゃ・・・だめっ」
上下に何回も往復させて滑りを良くしたら今度は根もとばかりを刺激してみる。音が卑猥になるにつれて興奮度が増してくる僕の頭の中は片思いをしているこうたくんのことで頭がいっぱいだった。
「あ、はっ・・・こうたくん・・そこ・・吸ったらやだよっ」
ベトベトになっている先っぽから止まらない我慢汁を、こうたくんが舌でねっとり舐め回したあとに僕に見せつけるようにして乱暴にぴちゃぴちゃと舌を動かすからそれだけでもいきそうになっていた。
そんなことをしていると腰が動いて、ベッドがギシギシと鳴き始める。
(凄い・・・こんなの・・嬉しい)
根もとばかり上下に擦って、先っぽはこうたくんにペロペロ舐め回されて、僕の反対の左手がピンッと立った乳首をコリコリとはじいている。
「はぁ、あ・・・はぁはぁ・・気持ちいっ、こうたくん、それ気持ちいい・・・・乱暴なの・・・好き・・んっ・・あっ・・・・ごめん・・・でちゃうっ」
そろそろ限界が近くて、思っきり足を広げて腰を前に突き出せば、こうたくんが口いっぱいに僕のそれを含んだ。
「あ、あ"・・・いく、いくよ、出る・・たくさん出るっ」
全部口の中にどうぞとでもいうように、僕が声を上げて射精する瞬間を狙ってちゅうっと音を立てて吸った彼は、僕のそこからまだ出続けていたベットリで真っ白な精液をじゅるじゅると吸い出してくれた。
「・・・・はぁ、はぁ・・・んっ」
ビクンと体を震えさせて放心状態で目を瞑れば、彼が耳元で囁く言葉はいつも同じ。
「かずき可愛い」
こうたくんのことを想像していつしかこんなことをするようになった自分は相当に嫌な奴だと思う。
バレませんようにと思いながら、学校で隣の席の彼を盗み見てはこっそり視線で追いかける毎日。
いつしか欲が出てきて、それが性欲に走ってしまっていた。ごめんなさいと罪悪感が心を占めては、学校で会うと人見知りの僕といつも挨拶と何気ない言葉をかわしてくれるから嬉しくて、そのせいでどうしても下半身が疼く。
今日はこうたくんが、理由は分からないけど頭を撫でてくれたから、学校の途中からおさまりがきかなかった。危うく学校のトイレでするところだった。
「・・・・・こうたくん・・・好き」
だらしなく上を向いて、火照った体と熱を持った顔と精液まみれになった自分の下半身をそのままにして切ない気持ちを静かになった部屋に放り投げた。
こうたくんは幼なじみとは違う。
たまたま中学生の時に会って、たまたま同じ高校になった。初めて会った時は何も考える余裕がなかったけど、顔だけははっきり覚えている。助けてくれたことに、こんな僕のためにすいませんと思いながらも、高校で再会した彼はあの時と同じで変わらず、とても優しい人だった。
最初の出会いは中学生の時。
僕のことを助けてくれたからいつかお礼をしたいとは思いながらも、出会った駅の近くでまた会えないかと似たような時間にうろちょろしていたけど結局彼とは会えずじまいでそのまま中学を卒業した。
人見知りで女性に免疫がなかった僕は男子高校に入学。
入学式の時は緊張感がマックスでお母さんとお父さんに心配されたけどなんとか乗り切った。
同日にそのまま振り分けられたクラスへ向かいドアを開けるとすでに人がちらほらいる。恐る恐る黒板に貼り出された席を確認したあと、周りを見ずに自分の席についてイスをゆっくり引いて座ったら、隣から低く不機嫌そうな声で話しかけられた。
「よぉ、・・・隣の席ってお前?」
「・・・・は、はい・・・・・・す、すいません」
なんとなく隣に座ってる人が居るとは分かっていた。
それでも話しかけられると思ってなかったから相手の顔を見ずに反射的に口から出てきたのは謝罪の言葉。
「え、なんで謝んの。俺、桐崎こうたっていう名前だけど、お前は?」
「・・・・え、えっと、僕は橋本かずきです」
「そっか」
怖い。
顔を見てないから、声色で機嫌を判断するしかない。
「そっか」だけで終わったから、もう僕に興味を失ったと思いホッとして、次に何処に視線を向ければいいか分からず持っていたカバンを開けようとした。
トントンっ
「・・・・」
「ねぇ、」
「・・・・・え」
「ねぇ、なんでこっち向かないの?」
どうやらまだ僕のほうを気にしていたらしい。机を指先で叩かれてまた声をかけられた。
「・・・・え、えっと」
「人見知り?」
「・・・あ、はい・・・・すいません」
だけどやっぱり出てきたのは謝罪。
「ふ〜ん。まぁ、俺もそうだけど」
「・・・え、」
そんな返しが返ってくると思わなかったから、たったそんな一言に顔を上げて声の持ち主のほうに視線をやってしまった。
「あ、やっとこっち向いた」
「・・・・」
爽やかに笑いながら、嬉しそうに目を細めて僕を見つめるその瞳は彼が背を向けている窓から入ってくる光のせいでよく見えなかったけど、逆にそれが良かったのかもしれない。
「これからよろしくな」
「・・・・っ」
求められた握手から感じた温もりはあの時と同じ。
「・・・・よ、よろしく」
初めて出会ったあの時は、暑い日差しが照り注ぐ夏の日だった。
中学生の時に重たい荷物を持ち運んでいたら駅の近くの道のど真ん中で盛大に転けてしまった。周りが気にも止めず無視していく中で、声をかけて助けてくれた人がたった1人だけいた。
「お前、大丈夫?」
顔を上げると太陽の光が眩しくて顔がよく見えない。
「立てる?」
手を差し出してくれたから、何も言わずに思わず掴んだその手は熱を持っていた。
「・・・・す、すいません」
「謝んなって、怪我は?」
「大丈夫です・・・」
「すげえ荷物だな、1人で持てるの?」
立ち上がって彼の顔を見ると、凄くかっこ良くて思わず見惚れた。僕の顔とは月とスッポンぐらい違う造り。
「・・・は、はい」
「そっか。ならまぁ、気をつけて帰れよ」
手を貸してくれて、しかも心配までしてくれた名前も知らないあの時の彼は、1年ぶりに、思いもよらなかったこの場所で僕の目の前に現れてくれた。
人見知りとは思えないほどにグイグイ来てくれるこうたくんは僕がずっと探していた人。
「なぁ、かずきって呼んでもいい?」
「・・・・は、はい。もちろんです」
「良かった。かずきも俺のこと、こうたって呼んでいいよ」
再会した入学式の日から毎日会うたびに気持ちが膨らんでいく。
もしかしたら彼にとっては些細なことかもしれない。でも僕にとってはとても重大なことだった。
だからこそ、この気持ちを知られてはいけない。
こうたくんは僕の恩人で、とても大好きな人。
「はぁ〜・・・」
出し切ったあと、後処理をしながらあの時のことを思い出して深いため息をついた。
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