<1000PV感謝>転生したら魔力持ちすぎた少女だったため、異世界破壊してる件
虹空天音
転生編
妖精
第1話 転生
深い眠りについている。規則正しい呼吸音が響き、横の女性に全く気付いている様子はない。
女性は、イラついたように足をトントンと小刻みに叩いていた。
「ん……?」
振動に気づいたのか、
そして辺りを見回して不思議そうに首をかしげる。
「えっ、ここって……友達と別れてから、ずっと家にいて、スマホ見てたはずなのに……見慣れないけど……」
「遅いです。待たせないでください」
言いかけた
「ってお前……
「……それが何か?」
「それが、って……それが問題なんだよ……」
しかし、目鼻立ちが整っている代わりに、クラスメートからはあまりいい印象を持たれていなかった。
ほぼほぼのクラスから避けられているから、自然と
沢山友達をつくりたいタイプの
それでも、
だんだん、
「こっちも困るんだよ。そもそももう仲良くないのに、どうしてついてくんの⁉」
「ギャーギャー騒がないでください。私よりも大切な『お友達』に聞かれてもいいんですか?」
的確に毒を吐いてくるため、こちらとしてもやりにくい。
「ハァ、何言ってるんですか? あなたなんかに興味なんてあるわけないじゃないですか。そちらの勘違いです。確証もないのに怒鳴ってくる人とは、私も幼馴染でいたくはありません」
そう、全くひるまずに言い返してさっさと教室に戻ってしまうのだから、残されたとき、
と、いう態度なので。
他クラスからも、悪口の対象となっていた。
「
友達は
「ほら、その先の階段から転げ落ちて、全治七ヵ月以上の大怪我して、今も登校拒否してるらしいから」
「で?
さらに
「生意気で……『何もしてません。あちらがいきなり飛び掛かってきました。危険を感じて避けたら、あの方が階段から……』ってね。同じ目に遭うのが怖いらしくて、周りで見てた人たちは言い返せなかったんだって。それで、怯えられてる」
――まあ、
背が高いため、どこに立っても見上げなければならない。
それを悔しく思いながら、
「――ハア、面倒ですね」
ため息をついたその顔を引っ叩きたくなる衝動をこらえ、
「目的は何」
と、自分ができる限りの精一杯低い声で尋ねた。
「……単刀直入に、タメ口で説明するよ。『あなたは魔王の末裔。私たちが狙っている者……だから、死なないように転生させてもらうよ』」
呪文のように言った後、
「『転生』」
「ちょっ、何が何だか……!
目の前でバタンと扉が閉まった。
そこから意識は遠くなり、全ての感覚が失われていく。
まるで、以前の自分が消えるような……妙な気分。
すぅっと体が冷える。
(これが、死って奴かな……もっと、充実した生活を、送れてたらなぁ……)
今さら後悔しても、もう遅い。
そんなことは分かっているのに、今までの失敗が、走馬灯のように駆け巡る。
(じゃあね……私………)
最後に見たのが
……だんだんぼやけていく視界を、
◇
◇
◇
「ん……あれ、ここは……痛っ」
目を覚ましてみると、辺りは草地。頭痛がして、思わず声を上げた。
でもまずは、死んでいなかったことに安堵する。
死の恐怖を味わってみて、とても恐ろしかった。もう二度と、味わいたくはない。
一生もののトラウマになることを確信しながら、辺りを見回した。
ここはどうやら大きな山の頂上らしく、木がたくさん生えている。
そこに小鳥がとまって、綺麗な鳴き声を上げていた。
そして、山のふもとには、小さな村があるのがうかがえる。
(うわぁ……これ夢? それか、死ぬ直前に、
いやいや、そんなことないでしょ、と思いながら
しかし、何故か妙に視線の位置が低い。
あれっと思って手を広げると、その手はとても小さくなっている……!
「えっ、何、なにこれ! とりあえず、姿を確認できるのは……!」
近くにあった湖に顔を映すと、幼い少女の顔が見えた。驚きすぎて、
どうやら
この、水色髪の、少女に。
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