(8)
「居たぞ、あいつだ‼」
僕が路地裏で楽しく食事をしていると怒号……。
そこに居たのは……。
誰だっけ?
4人ほど居るけど……。
どこかで見た気がするが、思い出せない。
何か、殺気立ってる。
手には……棍棒やら丸太やら包丁やら……。
その内の1人が笛を吹き……僕は路地の反対側に逃げるが……。
「居たぞッ‼」
ああ、クソ。
そっちにも……。
僕は、何も悪い事してないのに、理不尽にも何者かに狙われてるらしい。
「はい、パス」
僕は、とっさに、その1人に、あと数日分の食料を投げ渡す。
「えっ?」
何、呆然としてんだよ?
この状況なら、人肉ぐらいみんな食べてるだろ。
頭が真っ白になってるらしい悪者その1の脳天に聖剣を叩き込む。
ドサ……ッ‼
一撃で死んだそいつは……大事な幼女肉を地面に落し……。
あれ?
聖剣が頭から抜けない。
「この野郎ッ‼ 食い物を粗末に扱うなぁッ‼ 僕の肉だぞ〜ッ‼」
僕の聖剣を咥え込んでる死体に説教しながら蹴りを入れ……。
聖剣は引き抜けたけど……僕もバランスを崩し……。
しかも……。
滑った。
ここんとこの異常気象で、たまたま、足下が凍り付いてた。
「うわっ‼」
あははは……神様は聖騎士である僕を見捨てていなかった。
たまたま、僕の後頭部が、背後に居た別の暴徒の顔面に激突したようだ。
僕は、左手で後頭部を押さえ……振り向きざまに、暴徒その2の頚動脈を切断……あっ……。
距離が近過ぎた。
命中したのは、聖剣の刃ではなく、鍔。
でも、結果オーライ。
首筋に鍔がめりこんで大ダメージ。
でも……。
クソ、見苦しいぞ。
とっとと死ね、この屑人間がッ‼
そいつは僕の右腕を掴む。
「うわあああ……ッ‼」
僕は屑野郎の腹を蹴る蹴る蹴る蹴るッ‼
でも、屑野郎は、死んだまま僕の腕を掴み続けている。
ドゲシッ‼
後頭部に棍棒か何かの一撃。
ドゲシッ‼
ドゲシッ‼
ドゲシッ‼
殴られる、殴られる、殴られる、殴られる。
「殺すんじゃねえぞ。
意識は……朦朧……。
どうやら、僕は……地面に倒れてるらしい。
だけど……まだ……。
「えっ?」
暴徒どもが油断してる所で、聖剣の治癒能力を発動。
油断してた暴徒の股間に聖剣の一撃。
「うぎゃあああ……」
「うりゃあ、うりゃあ、うりゃあッ‼」
最早、斬ると言うより殴る殴る殴る。
僕は、周囲の暴徒どもを聖剣で殴り続ける。
邪悪な暴徒どもは……聖騎士である僕の奮戦ぶりを見て怯えてるようだ。
でも……。
「おりゃあッ‼」
暴徒の1匹を聖剣で殴った途端……。
あ……っ。
手まで血糊だらけになってたせいで……。
滑った。
聖剣が手から離れ……。
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