幕間 此れまでの【ヴァン・ヴォルフィード】の星雲間航行の軌跡

 此れまでの【ヴァン・ヴォルフィード】の星雲間航行の軌跡






 ある事情でヴァンの生まれ故郷たる【アース】を脱出する際に、星雲間航行用艦船〈YTK-21881〉と云う名称の艦船に乗り込み、たった一人で星の海に漕ぎ出した。




 星雲間航行用艦船〈YTK-21881〉とは【縮退炉しゅくたいろ】を主動力としている宇宙艦で、ワープ航法でもって星雲間航行を行う。


 


 アースから1回目の航海で着いたのは【流体金属惑星】で、流体金属生命体と邂逅し良好な関係を築く事が出来た。


 彼等から高度な流体金属技術を学び、〈YTK-21881〉の補修に自動オートで行われるシステムにアップデート出来た。




 2回目の航海で着いたのは【植物相惑星】で、【宇宙樹】と呼ばれる惑星を覆う巨大な樹木が生態系を司る惑星。


 厳密な意味では惑星では無く、宇宙樹が寿命が尽きた惑星や崩壊した惑星を取り込み、護り慈しむ事で新たな宇宙樹の苗床とする事で、双方に利益を伴う循環生態系を構築する形態の存在である。


 其処でもヴァンは、宇宙樹を構成する中心の【神樹】との接触で良好な関係を築き、様々な技術と宇宙樹の苗や種を譲り受けて、後に到着した惑星に宇宙樹を植樹して、その惑星との良好な生態系を構築する事を約束する。


 現在までに物語で出て来た、【命の水アムリタ】や様々な果物と食料の殆どは、此の神樹と仲良くなった事で提供された。




 3回目の航海で着いたのは【幻影惑星】で、此の惑星には生命体は居なかったが、遥かなる過去に存在した諸々の星の記憶が残影として残っている惑星だった。


 此の幻影惑星に宇宙樹の苗を植樹する事で、失われた星の生命を復活出来た事で、幻影惑星の感謝を受け取る事が出来たヴァンは、幻影惑星の感謝の印としてヴァンの生まれ故郷アースの過去の記憶を、星雲間航行用艦船〈YTK-21881〉の主幹コンピューターに転写して貰い、他の優れた星間国家の過去の記憶から様々な技術を取り込む事で、星雲間航行用艦船〈YTK-21881〉は【天の鳥船アメノトリフネ】として生まれ変わった。


 天の鳥船には、それまで無かった技術である【空間拡張】【空間圧縮】【亜空間倉庫】【時間凍結】【次元航法】【ブラックホール・エンジン】等が備え付けられていて、余裕で惑星を滅ぼす事の出来る武器等も搭載している。




 4回目の航海で着いたのは【恐獣惑星】で、恐獣と名付けた昔アースに存在した恐竜等の獰猛な生物が跋扈する惑星であった。


 その恐獣達を相手に、ヴァンは幻影惑星で得た生まれ故郷アースの記憶や他の星々に、かつて存在した様々な武術や気功等の技術を実践してみて、剣術等の武器を使用する武術や格闘での武術を極める事が出来た。


 当然此の惑星にも宇宙樹の苗を植樹する事で、歪な生態系を整理する事が出来た恐獣惑星自身から、星の血流と呼べる【龍脈】の理ことわりを学ぶ事が出来た。


 龍脈とは、生きている星ならば必ず存在するもので、地脈或いは龍穴とも呼ばれる。


 此の理ことわりを知れば、己の中の気脈だけで無く、天然自然の気オーラを己自身に取り込み、己を磨く事でより上位の位階へと己を高める事を可能とする。


 


 5回目の航海で現在居る惑星【エリュシオン】に到着し、漸く目的であった【人類同胞】に出会う事が出来た。


 しかし、此のエリュシオンも又、今迄訪れた惑星同様に問題を様々に抱え込む惑星で、肝心のヴァンの同族たる人類同胞も国家同士が相争う戦乱状態にあった・・・。


 ヴァンは、初めて遭遇した人類である【アンジェリカ・オリュンピアス】の行動に共感した事で、己の信じるままに彼女とその妹達を救う為に行動を開始する。




 此処までが現在の流れであるが、ヴァンはあくまでも強権により物事を決したりする性格では無いので、敢えて天の鳥船からの武力行使は極力しない方針である。


 此の先、一見迂遠に思われる行動をする事になるが、ヴァンは失われた人生を此処エリュシオンで生きるつもりなので、ヴァンの求める生き様をご覧いただきたい。

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