この可愛い❤️ゆんゆんに花束💐を !

るしあん @猫部

紅魔族の里 編

第1話 魔法学園と転入生

【めぐみんside】


 我が名はめぐみん !

 紅魔族随一の大魔力を秘めた魔法使にして、やがて爆裂魔法を極めし者 !


 今日、私が、通う魔法学園レッドプリズンに転入生が入って来た。

 男の子だったので、私の所属する女子クラスでは顔を会わせる機会は無いはずなのですが、……


 何故か、男女合同で転入生の挨拶に立ち会うことになった。


「我が名は、アラシ。 紅魔族族長の娘ゆんゆんの婚約者にして、やがて魔王を倒す者 ! 」


 一斉に皆の目が、ゆんゆんに降り注ぐ。


「ゆんゆん、あなたに婚約者がいたのですか ?」


 隣にボケッと突っ立ている同級生に問いかけると、ハッ とした顔をしてこちらを見た。


「知らない ! 私だって初耳よ。

 昨日、お父さんが王都から連れて来た男の子だけど……」


「同じ紅魔族のようですが、里の者では無いですね。

 あなたの婚約者だと云うのですから、里から出ていった紅魔族なんでしょう 」


 その日一日中、私もゆんゆんも浮わついていて、授業どころではなかった。

 紅魔族は本当に自由だから、里から出て行く者も大勢いるが、年齢が私達と同じことを考えると両親は既に……


 二人で下校していると目の前を噂の転入生が歩いていた。

「何処に住んでいるんだろう ?」

 隣のボッチ娘ゆんゆんは不思議そうにしているが、察しが悪すぎるのも考えものですね。


「ゆんゆん。 あなたの婚約者なんだから、あなたの家に住んでいるのでは無いですか ?」


「ふぇぇぇぇぇ~。 聞いて無いよぉ~、お父さん !」


 そんな話しをしているうちに、ゆんゆんの家の前まで来ていた。

「ねえ、めぐみん。 ちょっと一緒に来てよ !」


 仕方ないですね、このボッチ娘は。

「明日のお弁当で手を打ちましょう 」

「ねえ、めぐみん。 私達、お友達だよね 」

「それを選ぶのは、ゆんゆん次第ですね 」

 私がニッコリ笑うと、それ以上は話さないので肯定したと見て良いようですね。


 私達二人はリビングに向かうと、ちょうど族長と彼が話し込んでいた。

「お~お、ゆんゆんと ひょいざぶろうの家のめぐみんか。

 ちょうど良いタイミングだ。 里に帰って来たばかりのアラシは冒険者カードが無いから、お前達が登録に付き添ってあげなさい 」


「嫌です。 これから家に持って帰る為に、食べられる草を採取するので忙しいのです 」

 私が、そう応えると族長は台所に行き、野菜やパンや干し肉などを出して来て、


「これを報酬にするから行ってくれるよな、めぐみん」

 もちろん、首を縦に降りました。

 話しの判る人は嫌いじゃ無いですよ。


 私達三人は、まず私の家に族長からのを置きに向かった。

 ここ、紅魔族の里では冒険者カードを皆が所持しているので、新規のカードの作成手続きは王都まで行かなくては成らない。

 里には冒険者協会が無い為だ。


 私の家に着くと、父の発明品を仕入れに来ていた魔道具屋のウィズさんが居た。


「お帰りなさい、めぐみんさん。

 一緒に居るのは、お友達かな ?」

 これは、チャンスです。

 ウィズさんのテレポート魔法で王都に送ってもらえれば、長々と歩く必要が無いですから。

 ウィズさんは優しいからお人好しだから、頼めば断れ無いはず !

「実は、で王都までテレポート魔法で送って欲しいのです !」


「ちょっと、めぐみん ! なんて言っても解る訳無いでしょう !」

 私の代わりに、ゆんゆんがウィズさんに説明しました。

 ウィズさんは苦笑いしながらもテレポート魔法を使って王都に送ってくれたのだから、ゆんゆんは私をにらまないで欲しいですね。

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