第72話 ニーナとローザ

(遠視発動)


俺たちは国境側へ着き、俺は遠視を発動させて辺りを見渡す。


この前通り俺達がいるところからまっすぐは平地だな。平地の幅は1kmぐらいで左右は森になっているのか…この砦の長さが500メートルくらい、その砦から高さ50mくらいの壁が大体左右5kmといったところだな。


「うん、ここでいいか…」

「何がですか?」

「最初に魔法を撃つところだよ」

「あ、結局それやるんですね」


もちろんやる、そのための地形把握と場所決めだ。


俺は今立っている砦の真ん中ぐらいで魔法を撃つことに決めた。


多分というか絶対平地から王国軍は来るだろうからな。俺は真ん中に陣取っていた方がいいに違いない。

開幕ミスって森にでも逃げられたら面倒だからな。


いや、待てよいいこと思いついた。


「よし、大体は把握できたしそろそろ戻ろうか。」

「もういいのですか?」

「うん、大丈夫」


そうして俺たちは砦の中に戻り内部構造を見てからローザの泊まっている宿へと戻ってきた。


「ふぅ〜疲れた…」


時刻は7時半、帰って来るまで砦の内部構造を見て把握して俺は相当精神にきている。


「もう嫌です〜疲れました〜早く寝たいです〜」

「さすがに疲れましたね」

「皆んなお疲れ様」


皆んなも歩き疲れたようでぐったりしている。ローザは元気だが…


「そういえば、俺がつくった空間にお風呂を設置したから二人とも入ってきたらどうだ?」

「お風呂ですか!行きます!」

「私も入りたいです」

「それじゃあ行こうか。ローザも部屋に来るか?」

「行く」


俺は〈超異空間〉を開き皆んなで中に入る。


「あれ?なんか昨日と変わってる…」

「あぁ色々いじったんだよ」

「いじれるのか…」


「それじゃあ二人ともお風呂は洗面所の隣だから、あっとそうだ。」


俺は〈超異空間〉の設置物リストを開き洗濯機と乾燥機を選択して、それをお風呂場に設置する。


「脱いだ服はお風呂場にある下の機械に入れといて、まぁクリーンでもいいけど。」

「はーい!」

「わかりました」

「あとこれ」


そういって俺はバスタオルを二人に渡す。

それを受け取った二人はドアを出ていった。


「ローザはどうする?こっちで入って行くか?」

「いや、大丈夫だ。」

「そうか。それじゃああとは…ベッドを設置するか」

「ん?ベッド?ベッドがあるのか!?」

「あぁ、今から置くよ」


そういって俺は部屋をベッドを二つ設置した。


「それじゃあ私は今日ここで寝る!」


そう言いながらローザは床に座りながらベッドを叩く。


「まぁ、別にいいが…」



そういうと思って二つ設置したんだけどね。ミーナちゃんとサーシャ一緒がいいかな?後で聞いてみるか。

あとは、そうだニーナに連絡しないとな。

そう思い俺は通信魔法をニーナかける。


「こんばんはニーナ」

「!?」

((こんばんはミツキ。それで詳しいこと話してくれるんだよね。))

「あぁ」


ん?なんかローザがこっちを見てるな?なんだ?

ジリジリ近づいてきたぞ?


「ニーナって誰だ?」

((え?))


あ、なんかこの感じまずそう…


「ニーナは俺の友達だけど…」

「ふーん友達ね〜」

((ちょっと!ミツキ!今の誰!?))

「私はローザって言います〜ミツキの恋人で〜す!」

「ちょっ!ローザ!?何言ってんの!?」

((ミツキ今の本当?))

「いや嘘だから」

「むっ!」


なんかローザがむくれている。

全くローザは何を言ってるんだか…


((良かった…))

「ローザ急にどうしたんだ?」

「別に〜だだミツキのに挨拶しようと思っただけだよ」

((ミツキ!その人は誰なの!))

「うーん、ローザは帝国のギルドマスターをしているんだよ。」

((なんでその人とミツキが一緒にいるの!?))

「ん?友達だか…」

「今ミツキの家でお風呂に入ろうとしてたんだよ〜」

「何言ってんだローザ、さっき入らないって言っただろ!」

((ミツキ))


あ、やべ終わったかもしれない。

ニーナの声のトーンが限界まで下がったぞ。


((ミツキどういうこと))

「いやただ買い物に行った後、疲れているだろうから風呂に入るか聞いただけだ。」

((特にやましいことはないんだよね?))

「あぁ、なんもない。ていうかローザは変なことを言うな。」

「はーい」


やっと本題に入れる。


「それ…」


俺がそう言うと同時に部屋のドアが開く。

あ、嫌な予感が…


「ミツキ様〜お風呂上がりました〜!」

「ミツキお風呂ありがとうございました。」


終わった…

いや、まだだ…


((ミツキ、どういうことかな?))

「ん?どうしたんだ?ニーナ」


俺はしらを切ることに決めた。

((いやなんか女性の声が聞こえた気がするんだけど?それも二人も))

「ニーナの気のせいじゃないか?な?ローザ」

俺はローザに協力を仰ぐ。

「あ、うん、私しかいないよ?」

((あれ?おかしいな…確かに聞こえた気がするんだけど))

「怖いな、ニーナそういう話はやめ…」

「ミツキ様?どうしたんですか?」


ミーナちゃんーーーー!!!!!!!


((ほらやっぱり!誰かいるんじゃない!))


もう好きにしてくれ。


「ミツキ様?あ、お話中でしたかすみません。」


ミーナちゃんもしかしてわざとやってない?


((ミツキ、先にこっちを詳しく聞かせてね))


それから俺は全て白状してなんとか納得してもらえた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る