第59話 出発
「そうだな取り敢えずディレイクさんになんて言うかだな。1週間も空けるわけだが…」
「そうですね。うーんそれに関しては私の方からお父様に言っておきますよ。なんとかなると思いますので」
「そうかじゃあ任せてもいいかな?」
「はい!」
そっちはミーナちゃんに任せて。
「サーシャはどうするんだ?騎士団の方もあるだろう?」
「ちょうど休暇になるので大丈夫ですよ」
「そうなの?」
「はい、2週間は騎士団の仕事はないですね」
「そうか、それなら大丈夫か」
あとは泊まる部屋は俺の〈異空間〉でなんとかなるし、食糧もあるし…あれ?もう出発できちゃう?
「他には特に何もなさそうだし、準備したらいこうか…」
「はい、それでは私はお父様のところへ伝えに行ってきます」
「わかった。それじゃあ王城の外で待ってるから」
俺はそう言って食堂を出ていくミーナちゃんを見送った。
「それじゃ俺たちも行こうか…」
「はい」
俺たち二人も食堂を出て王城の外へ出る。
「そうだローザに連絡しておかないとな…」
ローザに今から砦に行くことを伝えるのと二人が来ることを伝えないといけないと思い俺は通信魔法をかけようとする。
「ローザさん?あのギルドマスターのですか?」
かけようとしたところでサーシャからそう声がかかる。
「そうだが…サーシャはローザのこと知っているのか? 」
「えぇ、小さい頃からお世話になってますよ」
「へぇ〜そうなんだ」
サーシャと面識があっても不思議じゃないか。
サーシャが小さい頃か……一体あの人何歳なん…………なんか嫌な予感がするから考えるのはやめよう。
「ミツキこそ何故知っているのですか?」
「知り合いに頼まれたってさっき言っただろ?それローザのことなんだよ。ちょっと前にギルドで知り合ってな」
「そうだったんですか…ミツキはこんな無茶なお願いを私より
絶対これ怒ってるよね?
なんか不機嫌そうだし…
「いやまぁちょっと色々あってな…」
「そうですか。まぁ大体わかりますからいいですけど。どうせローザさんが危ないことをしようとしているのを見てミツキは手を差し伸べずには居られなったんですよね。ほんと優しすぎますよミツキは…(小声)」
最後の方は聞こえなかったけど、その場にいたんじゃないのか?って思うくらい当たっててすごい。俺の気持ちまでわかってるし、どんだけサーシャは鋭いんだ…もし観察眼なんてものがあったらLv10はあるぞ。
「サーシャはすごいな… 取り敢えずローザに伝えなきゃだから、通信魔法繋ぐよ」
「はい」
(【通信魔法】発動)
「ローザ、今大丈夫か?」
((ああ、平気だ))
「実は今から砦に行こうと思ってるんだ」
((まだ時間はあるけど…どうしたんだ?))
「昨日得た情報を直接伝えたくて、出来れば早めの方がいいと思ってな」
((そうか、それでいつ頃到着する予定だ?))
んーステータスも上がってるから本気出せば1時間ぐらいで着きそうだけど、流石に結界が保てなそうだしな。力を弱めて大体半日ぐらいか…
「半日ぐらいかな、大体夜には着く予定だ。」
「半日!?」
サーシャが隣でびっくりしている。
((お主…ほんとデタラメだな。して、お主よその声はサーシャかの?))
サーシャの声聞こえてたのか…それにしてもよくわかったな。
「あぁ、実はサーシャとミーナちゃんを連れて行くけど大丈夫だよね?」
((二人に話したのか。まぁお主がいるし大丈夫だろう))
この口ぶりだとミーナちゃんのことも知っているようだな。
「二人とも信頼も信用もしているから」
そこで王城のドアが開く音が聞こえ、後ろを振り返るとミーナちゃんが出てくる
「お父様に伝えてきました!」
ミーナちゃんは叫びながら走ってくる。
「それじゃあローザまたあとで詳しいことは話す」
((あぁ、わかった))
そう言って俺は通信魔法を切った。
「よし、それじゃあ行こうか」
「はい!」
「行きましょう」
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