第18話 準備

あの後、夕飯を食べ、すぐに寝た。


そして今は朝、コンコンというのノックの音と共に意識が覚醒する。




「はーい」


「おはようございます!お客さん朝ごはんできてますよ~!早く起きてくださいね~一階で待ってますから!」




眠気を覚ましながらノックに応答すると、元気の良い少女の声がした。それだけ伝えると少女は一階に戻ろうとしているのか、ドタドタと階段を駆けて降りる音が聞こえて来る。




俺も完全に目が覚めたところでドアを開け、一階降りたところで声を掛けてきた少女と出くわす。手には料理を持っている。




「おはようございます!」


元気の良い挨拶をしてきたので俺も挨拶を返す。




「あぁ、おはよう」




俺が席に着くとテーブルの上に料理を置きながら朝食の説明をし始めた。




「朝ごはんはリヴァイアサンの白身と目玉焼きに、パン!サラダとコーンスープです!」




(おいおいなんかヤバそうな名前だな、大丈夫か?。多分魔物の名前なんだろうけども、そんな伝説に出て来る怪物さらっと出して大丈夫なのか)




取り敢えずリヴァイアサンがわからないので聞いてみる。




「あの、リヴァイアサンってなんだい?」


「えーっと、Eランク指定の海の魔物です!すごく美味しいですよ!」




「ヘェーそうなんだ」




おいおい低級の魔物にそんな大層な名前をつけたのはどこのどいつだ!?名付けた奴怒られるぞ!?むしろ俺が怒るぞ!?




「どうぞ召し上がれ」


「いただきます。」




両手を合わせ合掌して、フォークでリヴァイアサンの白身を口に運ぶ。




(うん、完全に鮭だ。)




まぁ普通に美味しいが、洋食に和食を入れるテイストはどうなのだろうか?。


そう思いながら朝食を食べる。




「ご馳走様でした」




手を合掌して挨拶をし部屋に戻ろうと席を立つと声をかけられる。




「そういえば、お客さんのお名前なんて言うんですか?ちなみに私の名前はフィーナって言います!」




先ほどの少女フィーナがそう聞いて来る。




「俺か?俺はミツキって言うんだ、よろしくね。フィーナちゃん。」




「はい!」




まぁ今日でこの街とはおさらばなんですが。


そう言って俺は部屋へ戻る。




(よしそろそろ行くか)




食休みをした後、今日の予定を行うため、廊下にでて鍵を閉めてから1階に降り、カウンターにいる女性に鍵を渡す。




「部屋ありがとうございました。」


「いえいえ、またいらしてくださいね」


「それでは」




俺はそういって後ろに振り返り歩き出す。


宿を出ようとする直前で、聞き覚えのある声が聞こえてくる。




「ミツキさん…もう行っちゃうんですか?」




俺が振り返ると


フィーナちゃんがウルウルした目でこちらを見てくる。




(うっ、その目は反則だ!可愛すぎる!)




俺は可愛さに悶絶しそうになりながら言葉を返す。




「あぁ。うん、でも昼にもう一度ご飯を食べに戻ってくるよ」


「本当ですか!?良かったです…」




(なんか妙に懐かれてないか…?気のせいか。)




「それじゃあ行ってきます」


「はい!行ってらっしゃい!」




挨拶をして俺は宿の外へ出る。




噴水のところまで来て、南側にある市場の方にいき、今後の食料を買う。そのあとは俺は西側にある百貨店へ向かい調理道具、食器、家具を買う。ついでに 店員さんに図書館があるか聞くと、北区にでかい図書館があると行っていたので礼を言ってから店を出る。




店員さんに言われた通りに北側の道を進むと左手側にすごくでかい洋館がそびえ立っていた。




「ここだろうな」




そう言いながら俺は扉を開けた。


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