孤大妄躁
くぼさん
第1話 友達って何だよ。
ざわざわと楽しそうに、思い思いに他愛もない話に花を咲かせる。チャイムの音とこの場にいる一番の年長者の一声で皆が席に着く。授業が終わると10分しかない休み時間に思いっきりドッヂボールをして。放課後には遊ぶ約束なんてしなくても、いつもの遊び場に行けばいわゆる「イツメン」が揃っていて、そんな特筆することのない小学校時代。
今思えばこの時代が一番幸せだったのかもしれない。
中学校は一学年三百人超えと大きく、思春期だの何だのとややこしくなり、クラスも多いので必然的にグループのあり方も変わる。この頃はまだスマートフォンでは無かったが携帯電話を持っていたので、意図的に連絡を回さない「ハブり」の先立ちのようなものが生まれ始める。
彼らにとって対象なんて誰でもよくて、たまたまであったり、声が大きいであったり、先天的な障害があるであるとか。それを境にグループの結束は謎の団結によって強度を増す、理不尽なもんで強固になった団結力はさらにいじめを加速させる。
この負の連鎖を断ち切る方法は無いものか、あえて言うならばもう「リタイア」するしかないのだ。僕は当時入っていた部活をリタイアした。
どんな経緯だったかは忘れてしまったが彼らとは何とか和解をし、十年経った今でも遊ぶ中である。逆に言えば今でも仲がいいのが心にゆがみを作ってしまったのか。だが彼らと縁を切ったパラレルを考えると更に悲惨な未来が待っているのは想像に易い。
「じゃあ友達って何だよ。」
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